車を飛ばしてでも、並んででも食べたいアジフライ界・東の横綱、千葉県富津「さすけ食堂」
カテゴリー: ドライブ
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2015/07/29
海の恵が口いっぱいに……。あぁ、なんというシアワセ!
東京に住まう筆者が突然ムラムラと「うまいアジフライが食べたい!」と思ったときは、スーパーマーケットの鮮魚売り場や近所の定食屋さんに行くのではなく、車を飛ばして「海辺のお店」までドライブすることにしている。スーパーで適当に買ったアジを素人調理するよりも、そして申し訳ないけど東京の定食屋さんが東京で流通しているアジで調理するよりも、断然うまいアジフライが食べられることを知っているからだ。
その場合、目指す店は静岡県沼津市の「S」(店名は諸事情によりイニシャル)か、千葉県富津市の「さすけ食堂」のどちらかと決めている。わたしのアジフライ道(?)における東西両横綱である。今日はなんとなく「さすけな気分」であったため、首都高と東京湾アクアライン、そして館山自動車道および富津館山道路を使って富津金谷ICを目指した。そこを降りて約5分も走れば海沿いの国道127号線沿いに、失礼ながらひなびた大衆食堂然とした建物が見えてくる。そこが、超行列店にして超美味な「黄金アジのフライ」を食べさせてくれるお店として一部で有名なさすけ食堂だ。
週末は1~2時間待ちも当たり前な同店だが、筆者が行ったのは平日の、しかも開店間もない時間帯であったため、さほど行列せずに済んだ。それでも5組ほどのウェイティングがあり、入店までに15分はかかったが。しかし「東の横綱」を食せるのであれば、15分程度の待ち時間など屁でもない。
築何十年かは不明だが、とにかく歴史的な貫禄たっぷりとなる食堂内は、くの字型のカウンター席がメインで、そこに座れるのは10人。さらに奥に2組が座れる座敷(というかビジュアル的には昭和のお茶の間)がある。カウンター席に案内され、さっそく「さすけ定食」を注文。名物であるフライのほかに、黄金アジの刺身も同時に食べられる定食だ。
調理場内で働くマダムたちがサクサクと調理し、大して待たされることもなく作りたてほやほやのアジフライが出てくる。このお店の黄金アジというのは地元・金谷港付近に居付いている独特なアジで、ぷっくり太って体表が黄金色に輝いている。これがめっぽううまいのである。
では、さっそくいただこう。……うむ、いつもながらうまい! さっくりクリスピーに揚がった衣の奥に、通常ではちょっと考えられないほど肉厚な(目測で厚み1.5cmぐらい?)アジが超ホクホク状態になっており、両者をガブっと同時にかじっていただくのは、なんというかこう根源的な何かを刺激されるほどの美味。ひとことで言ってシアワセである。
作りおきではない味噌汁は、海藻の一種である「カジメ」を使ったややヌルヌルした食感を伴う逸品で、これまたうまい。カジメの味噌汁をズルズルといただきながら、お次は刺身の方をいただこう。
これまた肉厚すぎる黄金アジを中心としたさすけ定食の刺身は、この日はアジの他に太刀魚と地ダコ。どれもうまいが、やはり圧巻は黄金アジか。鮮度抜群のそれは、ここまで肉厚でありながら決してクドくはなく、しかしあっさりしすぎていることもないという絶妙な脂の乗り具合。かなりのボリュームだが、これなら比較的食が細い人であっても多分ペロリとイケるのではないか。
大満足してのお会計は税込み1500円。額面だけを見ると安くはないが、このクオリティとボリュームを考えれば全然納得というか、逆に安いのではないかと思う。刺身は無しで黄金アジフライが5尾となるアジフライ定食は税込み1200円。あなたも、もしもムラムラと「フライ欲」が湧いてきたときは、ぜひ車を飛ばして金谷を目指してほしい。行列に参加してでも食べてみる価値はある。
■さすけ食堂
住所:千葉県富津市金谷2193-5
営業時間:午前10時~(素材が無くなり次第閉店。営業時間はお店に要確認)
定休日:火・水・木曜日(天候等仕入れにより臨時休業あり)
※2015年7月26日時点の情報です。上記は変更される可能性があります。ご了承ください
※2015年8月11日~8月20日まで夏期休業