▲『新世紀エヴァンゲリオン』は1995年にテレビ東京で放送されたアニメ作品。「汎用人型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン」を操る14歳の少年少女と、謎の敵である使徒との戦いを描いた。写真は主人公碇シンジが乗るエヴァ初号機 ▲『新世紀エヴァンゲリオン』は1995年にテレビ東京で放送されたアニメ作品。「汎用人型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン」を操る14歳の少年少女と、謎の敵である使徒との戦いを描いた。写真は主人公碇シンジが乗るエヴァ初号機

エヴァの舞台となった箱根はファンの聖地

「15年ぶりだな」。「ああ、間違いない。使徒だ」。この台詞でピンときたあなた、「エヴァ」ファンですね。エヴァとは、いわずとしれた大ヒットアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のこと。実は冒頭の台詞にある使徒襲来、作中では2015年6月22日の出来事という説もあり、当日はネット上で盛り上がりをみせていました。ちなみに、この設定は公式のものではなく、碇シンジ役の声優を務めた緒方恵美さんのツイートから広まったそうです。

さて、2015年6月22日に使徒はどこに現れたのか。これもファンにとってはあまりに当たり前のことですが、「第3新東京市」、現実世界でいう箱根です。このつながりから、箱根ではエヴァとのコラボをスタート。

町おこしとして「エヴァンゲリヲン×箱根町」のPRを開始し、劇中のシーンと実際の箱根町とを連動させた「箱根補完マップ」を配布すると、入手困難なほど人気となりました。また、ローソンが仙石原支店を「ローソン第3新東京市店」と改名したり、エヴァンゲリオンデザインの電気自動車充電設備が設置されたりしています。

▲環境先進観光地を目指している箱根町の「箱根EVタウンプロジェクト」の一環で、道の駅などの観光スポットに設置された電気自動車の充電設備。このリーフは箱根町の公用車だとか ▲環境先進観光地を目指している箱根町の「箱根EVタウンプロジェクト」の一環で、道の駅などの観光スポットに設置された電気自動車の充電設備。このリーフは箱根町の公用車だとか

日刊カーセンサーで『エヴァ』の話題を取り上げると、「ミサトさんの愛車、アルピーヌ A310の紹介か」と思うかもしれませんが、残念ながら違います。そもそも、残念ながら希少車すぎて、カーセンサーにも掲載されていませんでした。

風光明媚な芦ノ湖スカイラインをドライブ

今回、取り上げるエヴァのネタは、箱根とエヴァの新たなるコラボ、芦ノ湖スカイラインに設置された、「エヴァンゲリオン メロディペーブ(音響道路)」です。道路を走るとエヴァのオープニング曲『残酷な天使のテーゼ』が流れるのだとか。あまりにエヴァが好きすぎて前置きが長くなりましたが、ちょっくらドライブしてきました。

▲こちらはセブン-イレブン・ジャパンと『新世紀エヴァンゲリオン』とのコラボで発売された、ミツオカ オロチの「エヴァモデル」。1台限定だったが、600件近い応募があったとのこと。ちなみに、車両価格は1600万円也。この車で走りたかった…… ▲こちらはセブン-イレブン・ジャパンと『新世紀エヴァンゲリオン』とのコラボで発売された、ミツオカ オロチの「エヴァモデル」。1台限定だったが、600件近い応募があったとのこと。ちなみに、車両価格は1600万円也。この車で走りたかった……

「芦ノ湖スカイライン」とは、芦ノ湖西岸の稜線に沿って箱根峠~湖尻峠までの一般区間と湖尻峠〜芦ノ湖北岸湖尻水門までの特別区間の2つからなる総延長10.7kmの観光有料道路です。

▲芦ノ湖スカイラインには、富士のすそ野までを望むことができる三国峠や富士山の全景が見られる杓子峠、駿河湾を一望できるレストハウス フジビューなど、絶景スポットもたくさん。エヴァファンはもちろん、誰もが楽しめるドライブスポット ▲芦ノ湖スカイラインには、富士のすそ野までを望むことができる三国峠や富士山の全景が見られる杓子峠、駿河湾を一望できるレストハウス フジビューなど、絶景スポットもたくさん。エヴァファンはもちろん、誰もが楽しめるドライブスポット

東京から約90分で到着。東名高速道路から小田原厚木道路を経由したので、箱根峠側からの侵入です。普通車なら、一般区間は620円、特別区間は100円で通行できます。

▲料金所の方にエヴァ道路の場所を確認。この先、すぐだよ」とのことなので、意気揚々と出発 ▲料金所の方にエヴァ道路の場所を確認。この先、すぐだよ」とのことなので、意気揚々と出発

自動車好きなら知ってるかも。ヤギさんコーナーで休憩

エヴァのメロディペーブは、オープニングテーマ『残酷な天使のテーゼ』を奏でるとのことですが、走れども走れども、全くそれらしい音が聞こえてきません。気づけば、通称“ヤギさんコーナー”に到着。仕方がないので、「レストハウス レイクビュー」でいったん休憩です。

▲車好きの間では有名なヤギさんコーナー。この展望駐車場では、様々な自動車媒体の撮影が行われる ▲車好きの間では有名なヤギさんコーナー。この展望駐車場では、様々な自動車媒体の撮影が行われる
▲ヤギさんコーナーの名前の由来は、「レストハウス レイクビュー」で飼われていたヤギ。以前は複数頭いたが、いまはこの「クッキー」1頭だけとなっている ▲ヤギさんコーナーの名前の由来は、「レストハウス レイクビュー」で飼われていたヤギ。以前は複数頭いたが、いまはこの「クッキー」1頭だけとなっている
▲とりあえず、名物の「はこねどらソフト(350円)」と「高原あんこワッフルクリーム(480円)」に舌鼓。美味です ▲とりあえず、名物の「はこねどらソフト(350円)」と「高原あんこワッフルクリーム(480円)」に舌鼓。美味です
▲「レストハウス レイクビュー」で綾波レイを発見! ▲「レストハウス レイクビュー」で綾波レイを発見!

ついに、エヴァのメロディペーブに突入……と思いきや

レストハウスで甘味をいただいた後、あらためてメロディペーブを求めて出発。すると、設置を示す看板を発見しました。

▲この先200m、よし、来るぞ~、来るぞ~ ▲この先200m、よし、来るぞ~、来るぞ~

「あ~たまをく~ものぉ、うえにだぁし~」。そうこれ、芦ノ湖スカイラインから望む雄大な富士山にぴったりね。って、おい。ひとりノリツッコミしてしまいました。これは、以前から芦ノ湖スカイラインに設置されている「富士山」のメロディペーブじゃないですか。

もう一度地図をよく見ると、エヴァのメロディペーブは、上り車線に設置されているとのこと。私たちは箱根峠側から湖尻峠側に抜けようとしているので、下り車線を走っていることになります。ギャフン。

早速、Uターンして、本来の目的を果たしにまいります。再びヤギさんコーナーを過ぎて、ついに看板発見。

▲よし、今度こそ、来るぞ~、来るぞ~。って、看板は一緒なのね ▲よし、今度こそ、来るぞ~、来るぞ~。って、看板は一緒なのね

あの有名なオープニングテーマ『残酷な天使のテーゼ』の導入部が聞こえてきました。こちらは、みなさんご存じの“オトナの事情”で歌詞は載せられないので、以下は脳内再生してください。

あれ、でも、なんだか音痴のような……。ちょっと、テンポが遅くないかい。

「写真が撮りやすいように、スピード落としました」と運転手である編集部のたけだくんがドヤ顔。あのね、芦ノ湖スカイラインのメロディペーブは、40km/hで走ったとき、ちょうど良く聞こえるようにできてるんだよ。はい、またUターン。

▲ちなみに、撮った写真がこちら。黒い部分がメロディペーブ ▲ちなみに、撮った写真がこちら。黒い部分がメロディペーブ

改めてメロディペーブを通ると、約320mにわたり、30秒弱ほど音楽が流れました。意外としっかり聞こえることにビックリです。

実際にどんな音がするか気になる方はYouTubeのカーセンサー公式チャンネルにUPしたこちらの動画でご確認ください。

メロディペーブが音を奏でる理由とは

ちなみに、なぜ音楽が鳴るのかを簡単に説明すると、舗装路面に連続的に設けた横断方向の細い溝を一定の速度(法定速度40km/h)で走行することで、振動がメロディとなって聞こえるのだとか。

本来、メロディペーブは路面排水性やすべり抵抗性の改善のために設置されるのですが、振動や音によるドライバーへの覚醒効果や地域ゆかりの歌や景色にあった曲を選定し、地域振興やPRなどにも使われているそう。

エヴァドライブの〆はEXPASA足柄(下り)にレッツゴー

最後に、芦ノ湖スカイラインでメロディペーブを聞いたあとは、ぜひ東名高速道路 EXPASA足柄(下り)に立ち寄ることをオススメします。ここでも、コラボの一環で、「NERV中日本 EVANGELION足柄」(ネルフ中日本エヴァンゲリオン足柄)として7月17日(金)~12月23日(水・祝)までイベントを開催中。世界最大「エヴァンゲリオン初号機」立像を展示したり、エヴァンゲリオン限定SHOP「NERV購買部足柄出張所」をオープンしたりしています。

今年の夏は、エヴァドライブを満喫してみてはいかがですか。

text/コージー林田 photo/コージー林田、ミツオカ