adobestock▲自動車・中古車に関する調査・研究を通じ業界の発展を目指すリクルート自動車総研が、調査データと独自の考察をお届け。今回のテーマは「運転の楽しみ」

コロナ後に一段落した需要。免許取得方法改変で向かい風!?

リクルート自動車総研が行っている『 中古車購入実態調査』において、車の主な購入目的を「運転を楽しむため」と答えた人の割合が少し下がっています。
 

カーセンサー

実は中古車の年式選びにおいて2015年くらいが一つの目安だと考えています。

コロナ禍ではスポーツカーの人気が再燃。代名詞とも言えるMTモデルが盛り上がったのですが、その波も落ち着いたのか、直近は数値も下降傾向。世代別で最も支持をしていた20代もトーンダウンしてきているようです。今後は道路交通法の改正により原則AT車に限定した免許取得プロセスに変更されることもあり、さらなる向かい風となることが予測されます。

一方で、一時期に比べると運転を楽しむためのモデルが多く発売されるようになってきています。

35年間販売を続けているロードスターは言わずもがな、名車の型式名を冠して復活した86、往年のスタイリングで世界中のファンを歓喜させたフェアレディZ、そして、シビック タイプRなどなど。令和になっても運転を楽しみたいというユーザーと、それに応えるメーカーはなくなりません!
 

カーセンサー▲右がトヨタ 86、左はスバル BRZ
カーセンサー▲初代Zをオマージュしてデザインされた日産 フェアレディZ(RZ34型)

少人数乗車必須なスポーツカー乗れるタイミングを逃さずに!

改めてグラフに目を向けると、スポーツカー需要は2022年のように年齢差が出やすい傾向にあります。なぜならば、乗降人数が限られるパッケージであるため、家族の移動が中心となる30~40歳代では選びにくい車になります。

もちろん、セカンドカーとしてもてばその限りではありませんが、なかなかハードルが高いのも事実。そんなこんなで販売台数が大幅に増えない一方、中古車相場も全体的に高止まり傾向にあります。走行距離や状態に応じて価格の幅が出やすいのも特徴で、用途や購入後のメンテナンス費用など視野に入れた見極めが必要ですが、うまく探せば購入予算を抑えて手に入れることも十分可能でしょう。
 

カーセンサー▲カーセンサー編集部は、カーセンサーnetで最安値だった(2022年末時点)支払い総額52万円のマツダ ロードスターでレースに参戦したことがある

かく言う私も2シーターのスポーツカーを手放してはや2年。現在、次なる1台を物色中でございます。皆さんも“いつかは”ではなく、乗れるうちにご検討を!
 

文/西村泰宏、写真/篠原晃一、尾形和美、日産
西村泰宏(にしむらやすひろ)

リクルート自動車総研所長

西村泰宏

カーセンサー統括編集長 兼 リクルート自動車総研所長。自動車メディアを車好きだけでなく、車を購入するすべての人のエンターテインメントに変革すべく日々の仕事に従事している。