女性用ロールスロイス? カラフルなゲレンデヴァーゲン? 自動運転車を生産する日本メーカー? 今週も話題の尽きない1週間でした。では、さっそく今週の車ニュース斜め読み、いってみましょう。

ニューモデル

■ロールスロイスの新型車や女性や若者がターゲット(9月9日|東洋経済ONLINE発)

『ロールスロイスは9月8日、オンラインイベントで同社の新戦略車を公開した。このデザインによって女性や若者のドライバーへの訴求力が高まることを確信しているようだ』

独BMW傘下の超高級車ブランド「ロールスロイス」が新しいコンバーチブルを発表しました。2ドア4シーターで、電動折りたたみ式のソフトトップを採用。トップを閉めたときも、開けたときも、とてもエレガントなフォルムとなっています。

驚くべきことに、女性や若者のドライバーをターゲットにしているとか。意訳するとセレブな淑女、もはや死語になっていますがヤングエグゼクティブに狙いを定めたというところなのでしょうか。

車名はずばり「ドーン(DAWN)」。日本語にすると「夜明け」です。女性にも超高級車の夜明けが訪れるという意味なのでしょうか?

男女問わず、等しく夜明けが訪れることを切に願う今日この頃です。

ちなみに、カーセンサーでロールスロイス車を検索したところ、89台がヒットしました(2015年9月11日現在)。一番お求めやすいのだと1989年式のシルバースパーで車両価格148万円。こちらは6.2万kmしか走っていません。やはり、明けない夜はないのですね。

▲女性と若者をターゲットに開発されたというロールスロイスの新作「ドーン」。価格は未発表ですが、少なくとも20万ポンド(約3700万円)と見積もられています ▲女性と若者をターゲットに開発されたというロールスロイスの新作「ドーン」。価格は未発表ですが、少なくとも20万ポンド(約3700万円)と見積もられています

限定車

■ポップなメルセデス・ベンツ「Gクラス」(9月8日|Impress Watch発)

『メルセデス・ベンツ日本は9月8日、「Gクラス」の特別仕様車「メルセデスAMG G 63 CrazyColor Limited」を、全国限定50台の台数限定で発売した。「メルセデスAMG G 63 CrazyColor Limited」は、Gクラスのハイパフォーマンスモデル「G 63」をベースに、通常設定のない「サンセットビーム」(12台)、「トマトレッド」(12台)、「ソーラービーム」(9台)、「ギャラクティックビーム」(11台)、「エイリアングリーン」(6台)という全5色の特別外装色を採用。価格は各色とも2220万円となっている』

以前、このコーナーでもお伝えしたカラフルな「AMG G 63 CrazyColor Limited」が日本にも上陸しました。

1979年に登場して以来、基本骨格を守り続けてきた無骨な本格オフロード4WDのGクラス(通称:ゲレンデヴァーゲン)ですが、ついに退役が目前に迫っているといわれています。これはランドローバー「ディフェンダー」も同じですね。

惜別の記念モデルなのかは別としましても、お葬式ムードを一変させるカラーバリエーション。惜しいのはわずか50台限定なのと、2000万円を軽く超えるお値段でしょうか。

ただし、カーセンサーを検索したところ、原稿執筆時点でGクラス全体では199台の中古車が並んでいました。平均車両価格は約620万円とお安くありませんが、そのタフネスさを考えれば一生モノ。高い!とも思いません。

なお、9月11日より羽田空港第2旅客ターミナル内のブランド情報発信拠点「メルセデス ミー 東京羽田」のギャラリースペースに「トマトレッド」と「ソーラービーム」が展示されるとか(トマトレッドは10日から展示)。実車の鮮やかさを確認したい方は、こちらでチェック可能です。

▲メルセデスAMG G 63 CrazyColor Limited。右からサンセットビーム、ソーラービーム、エイリアングリーン、トマトレッド、ギャラクティックビームとなります ▲メルセデスAMG G 63 CrazyColor Limited。右からサンセットビーム、ソーラービーム、エイリアングリーン、トマトレッド、ギャラクティックビームとなります

法律・行政

■中古車の透明化が進む! 国交省が履歴のデータベースを検討(9月10日|日本経済新聞発)

『中古車の事故や修理の履歴、過去の所有者人数などをデータベース化し、有償で提供するサービスの運用を国土交通省が検討している。警察や保険会社、整備会社などが保有する情報に車検や国の登録情報を統合する。購入希望者に中古車の詳しい情報を提供することで、中古車市場の活性化につなげたいという。2020年をめどにサービスの実現を目指す』

記事によりますと、自動車公正取引協議会が走行距離や整備状況、修理歴などを提示するルールは定めているものの、過去の記録を遡った詳細な内容まではなかなか得られないのが実情のようです。

一方、北米では中古車の情報公開がシステマティクになっており、VIN(Vehicle Identification Number)コードと呼ばれる識別番号を使って、盗難車ではない……といった情報を含め、履歴を入手できます。

そこで国交省が昨年、中古車保有者や購入を検討したことがあるドライバー2480人にアンケート(複数回答可)を実施したところ、購入するときに知りたい情報は「事故情報」が76%。使用用途や走行距離メーター巻き戻しの有無などが「車両情報」66%、修理履歴などのわかる「整備情報」57%となったようです。

このような要望に応えることで、中古車市場の活性化を図っていきたいのだとか。我々ドライバーも購入時に車の履歴が詳細にわかるのは心強いですよね。

▲車検証には、走行距離メーターの改ざんを防止するために、現車検証交付時と前回の交付時、2回分について走行距離が記録されています。こういった情報がより詳しく手に入るようになるかもしれません ▲車検証には、走行距離メーターの改ざんを防止するために、現車検証交付時と前回の交付時、2回分について走行距離が記録されています。こういった情報がより詳しく手に入るようになるかもしれません

テクノロジー

■Googleが自動運転車で日本勢と連携の本気(9月10日|日本経済新聞発)

『米グーグルの研究開発部門「グーグルX」のトップを務めるアストロ・テラー氏は10日、日本経済新聞の取材に対し、開発中の自動運転車について「日本でも様々な企業と話し合いを続けている」と述べ、複数の日本企業と提携に向けた交渉に入っていることを明らかにした。さらに「自前の工場は持たない」と語り、事業化の段階では生産委託などの形で自動車メーカーの協力を仰ぐ方針を表明した』

またまたGoogleが自動運転車の実現へ向けて、一歩踏み出したようです。Googleは本気ですね。

「自社工場を持たない」とのフレーズに、Googleはそこまで乗り気ではないのかな……と思われるかもしれませんが、それは違います。Googleは現在リリースしている自社ブランドのAndroidケータイ「Nexus6」はモトローラ製です。ちなみにタブレットの「Nexus9」はHTC製。

自社工場を持たないで、適切なベンダーに生産を委託するのはAppleと同じ手法ですね。その生産社候補にコンタクトを取ったというのですから、本気も本気。いよいよ……という感じです。

もちろん車はモバイル端末以上にアフターサービスが要求されます。販売拠点や整備工場といったインフラを含め、どこかのメーカーと協業することになるのでしょう。

ただし、試乗するためにディーラーまで行く必要はなさそうです。予約しておけば、家の前まで自動運転車が無人でやって来てくれる。そういう時代になるのでしょうか。

▲Googleはレクサスをベースにした車両も使って自動運転車の開発を進めています。日本車に限らず、どちらのメーカーとタッグを組むのか気になります。もちろん複数社というのも考えられますね ▲Googleはレクサスをベースにした車両も使って自動運転車の開発を進めています。日本車に限らず、どちらのメーカーとタッグを組むのか気になります。もちろん複数社というのも考えられますね

まとめ

地味なニュースではありますが、今後、修理や事故などの履歴がもっとハッキリとすれば、ますます中古車が買いやすくなりそうな気がします。こちらも期待しましょう。

今週も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

text/ブンタ
photo/ロールスロイス、メルセデス・ベンツ日本、graaab、グーグル