▲渋谷駅東口から徒歩5分の場所にあるボッシュ株式会社の本社ビル1階が、なぜかおしゃれで本格的なカフェになりました。その狙いと、肝心のお味は? ▲渋谷駅東口から徒歩5分の場所にあるボッシュ株式会社の本社ビル1階が、なぜかおしゃれで本格的なカフェになりました。その狙いと、肝心のお味は?

自動車部品だけじゃなくフード&コーヒーも、さすがのボッシュクオリティ

人間には「休憩」が必要であり、「食事」が必要である。そして車好きな人間であれば「上質な車や関連メカに囲まれながら休憩および食事がしたい!」という欲求だってあるかもしれない。そういった必要や欲求をほぼパーフェクトに満たすことができる新名所が、東京・渋谷に誕生した。JR渋谷駅から徒歩5分の六本木通り沿いに9月10日オープンとなった「café 1886 at Bosch」である。

その名のとおりこちらの運営母体は、自動車部品でおなじみのボッシュ株式会社。というかボッシュの本社ビル1階部分が、いきなりおしゃれなカフェに変身したのだ。

なぜ、ボッシュがカフェを?

理由は、ボッシュ株式会社 代表取締役社長ウド・ヴォルツ氏によれば「日本におけるブランド認知向上のため」。我々車好きにとってボッシュというブランドは有名すぎるほど有名だが、「世間一般としてはまだまだ」と考えたのだろう。実際ここ日本では、他国と比べればボッシュブランドの認知度はかなり低いのだという(ボッシュ株式会社 コーポレートコミュニケーション部ゼネラルマネージャー 下山田 淳氏談)。

▲café 1886 at Bosch創設の目的を説明するボッシュ株式会社 代表取締役社長ウド・ヴォルツ氏。ちなみに渋谷のcafé 1886 at Boschは、世界のボッシュグループの中で唯一にして初めて作られたものだそうです ▲café 1886 at Bosch創設の目的を説明するボッシュ株式会社 代表取締役社長ウド・ヴォルツ氏。ちなみに渋谷のcafé 1886 at Boschは、世界のボッシュグループの中で唯一にして初めて作られたものだそうです

それに加えて車好きなあなただって、ボッシュが自動車部品大手であることは知っていても、「産業機械」「エネルギー、建築関連」そして「消費財(家電)」の分野でもビッグなメーカーであることはご存じなかったりするのでは? そのあたりを含めたトータルな話として「ブランド認知を上げたい」という思いがボッシュにあり、そして「せっかく本社が渋谷駅から徒歩5分という好立地なのだから、この際それを活用してエンドユーザーと良好なコミュニケーションを取っちゃおう!」という話になったのだ。

かなり端折ったが、以上の理由でオープンした「café 1886 at Bosch」。ちなみに1886というのは、創業者のロバート・ボッシュがドイツのシュトゥットガルトで自らの工房を開設した年のこと。で、そのcafé 1886 at Boschの内覧会に正式オープン前日、行ってみた。

▲テーブルもイスも、そしてディスプレイも、ぬくもりのあるウッドで統一しているカウンター席 ▲テーブルもイスも、そしてディスプレイも、ぬくもりのあるウッドで統一しているカウンター席
▲こちらは窓際のソファ席。デザイン的にもステキなソファですが、座り心地もかなり良好です ▲こちらは窓際のソファ席。デザイン的にもステキなソファですが、座り心地もかなり良好です
▲とにかく全体的に「木のぬくもり感」を大切にしている模様。かなり落ち着ける雰囲気の店内です ▲とにかく全体的に「木のぬくもり感」を大切にしている模様。かなり落ち着ける雰囲気の店内です

本社ビル1階の半分以上のスペースを占めるカフェは、ウッドを基調としたあたたかみのある作り。そこかしこに往年のボッシュのシブいポスターなどが展示されていて、それがまた全体の雰囲気と非常にマッチしている。ちなみに正式オープン後はビル1階に、ボッシュ製部品を多数使用している旬な車も展示するという。カフェ内で使われているソファなども「これ、かなり上等なやつでしょ?」と言いたくなるもので(実際、座り心地もかなり良好)、やるとなったら徹底的にやるドイツ人気質のようなものをビシビシと感じる。

では、さっそくメニューの一部をいただくことにしよう。「やるとなったら徹底的にやるドイツ人気質」はフードにおいても発揮されている。サンドイッチは、肉料理の第一人者である銀座「マルディ グラ」の和知 徹シェフにプロデュースを依頼。肉のうまみを超絶追求しているのはもちろん、挟む食材に合わせて使用するパンも変える超こだわりのサンドイッチなのだという。コーヒーも、名店「TORIBA COFFEE」がcafé 1886 at Boschのためだけに特別にブレンドした2種類の豆を使っているらしい。

▲フレンチの一流シェフや有名コーヒー店が監修したフード類。ビジュアル的にもそそられます ▲フレンチの一流シェフや有名コーヒー店が監修したフード類。ビジュアル的にもそそられます
▲café 1886 at Boschの記念すべき1杯めのコーヒーはウド・ヴォルツ社長がサーブし、そして1皿めのフードは取締役副社長の森川典子氏がサーブしてくれました ▲café 1886 at Boschの記念すべき1杯めのコーヒーはウド・ヴォルツ社長がサーブし、そして1皿めのフードは取締役副社長の森川典子氏がサーブしてくれました

そういった説明を聞きつつ、「なるほど。でも本当においしいのかな……?」などとジャーナリスティックな(?)気持ちのまま口に運んでみると……うまい。いやコレは本当にうまい!

筆者は食いしん坊ゆえ都内中心部でそれなりの食べ歩きを常にしているし、コーヒーは地元の名店でそこそこ高額な豆を豆のまま買い求め、冷蔵庫で保管し、毎朝それを挽いて飲んでいる。そのわたくしが言うのだ、「このサンドイッチとコーヒーはマジでうまい!」と。特にダークローストの方は最高である。……筆者の舌が信用ならないというなら、たまたま相席になったためいろいろなお話をした(要はナンパした?)サンドイッチ専門の女性記者による評価を参考にしてほしい。

「わたしはサンドイッチというか、その外側のパンが専門なんですが、コレほんとおいしいですね。うん、とってもステキなサンドイッチです!」

▲相席となったサンドイッチの専門家によると、かなりイケてるお味だとのこと。ですよね! ▲相席となったサンドイッチの専門家によると、かなりイケてるお味だとのこと。ですよね!

よく考えてみれば「あのボッシュ」が日本のエンドユーザーと直接コミュニケーションを取ると決意し、出店した店だ。ハンパなフードなど出すはずがないのである。それは、日々様々なボッシュ製品の恩恵を受けている1人の自動車乗りとして、皮膚感覚で理解できる話だ。

これをお読みのあなたも渋谷駅近くでお腹が減ったか、もしくはおいしいコーヒーが飲みたくなった際は、ぜひ「café 1886 at Bosch」に立ち寄ってみていただきたいと、本気で願わざるを得ない。ちなみに電車や徒歩などで行くのであれば、おいしいドイツビールやドイツワインを楽しむこともできますよ!

▲本社ビル1階のパブリックスペースでは、日本ではまだなじみの薄いボッシュ製家電なども展示。写真は「コンパクトキッチンマシン」。理想的な泡だて・混ぜ・こね能力を発揮する、いかにもボッシュらしいというかドイツ製らしいこだわりの設計。こんなマシンが自宅あれば料理がかなり楽しくなりそう! ▲本社ビル1階のパブリックスペースでは、日本ではまだなじみの薄いボッシュ製家電なども展示。写真は「コンパクトキッチンマシン」。理想的な泡だて・混ぜ・こね能力を発揮する、いかにもボッシュらしいというかドイツ製らしいこだわりの設計。こんなマシンが自宅あれば料理がかなり楽しくなりそう!
▲テラス席もあるので、これから多くなる心地よい天気の日はここでのんびりするのもステキなはず ▲テラス席もあるので、これから多くなる心地よい天気の日はここでのんびりするのもステキなはず

【café 1886 at Bosch】
住所:東京都渋谷区渋谷3-6-7
営業時間:[月~金]午前8時~午後8時(L.0 フード午後9時、ドリンク午後9時30分)
[土]午前11時~午後10時(L.0 フード午後9時、ドリンク午後9時30分)
[日/祝]午前11時~午後8時(L.0 フード午後7時、ドリンク午後7時30分)
定休日:なし
※2015年9月10日時点の情報です。上記は変更される可能性があります。ご了承ください
※その他、詳細は公式HPをご覧ください。

text/伊達軍曹