▲オーナーのエミリーさんは、これでイケアに行ったりするそうです ▲オーナーのエミリーさんは、これでイケアに行ったりするそうです

車が先かアートが先か、芸術は爆発寸前です!

街中で自分と同じ車とすれ違って、気まずい感じになることってありませんか? 車を洋服や時計と同じように個性の一部だと思っている人なら、この気まずさ、わかってもらえるはず。

今回は、そんなバッドフィーリングを根底から吹き飛ばすアートカーたちをご紹介します。世界にはアッと驚くような「車好きが高じて、人生そのものを車に捧げてしまったような方々」がいらして、マイカーをこのようにドレスアップするのなんて、ためらいの欠片もありません。

まずは、バッドフィーリングどころかコモンセンスさえ吹き飛ばされそうな1台。上の写真はオランダの画家「ピエト モンドリアン」のシンボリックな意匠をドアミラーやピラー、ホイールキャップにまでフルコピーした作品です。これなら、絶対に同じ車とすれ違うことはありません!

次は、スコットランドの伝統的なプラッド柄がモードな雰囲気を漂わせるアメリカンマッスルカー。ベース車両は85年式のビュイック。といいつつ、ベース車両が何かなんて、この際どうでもよいですね。

▲同じ格子柄でも、小さな柄をチェックといって、大きな柄をプラッドというそうです ▲同じ格子柄でも、小さな柄をチェックといって、大きな柄をプラッドというそうです

いやもう、下の71年式のキャデラックは原形さえとどめていません。

▲このままディズニー映画に出てきそうな迫力があります。立駐には絶対入りませんね……▲このままディズニー映画に出てきそうな迫力があります。立駐には絶対入りませんね……

よくよく見ると、ビートルらしきものがルーフに乗っかっています…。テーマは「カテドラル」。聖堂ですね。もはや天使が光臨してくる雰囲気ではなくなってますが…。

こうした芸術と車が融合したアートカーという分野、実は40年もの歴史があります。そのハシリがBMWであり、1975年にはアメリカ人アーティストのアレクサンダー・カルダーがBMW 3.0 CSLをベースにBMWアートカー第1弾を完成。以来、選りすぐりのアーティストたちから17作品が世に送り出されています。ちなみに日本を代表して加山又造氏もアーティストのひとりとして名を連ねています(1990年)。

そんな中でも別格の扱いを受けることになったのが1979年のM1! こちらはアメリカンポップアートの巨匠、「アンディ ウォーホール」が直にペインティングしたものです。

▲M1の製作を担当したのは、あのランボルギーニ ▲M1の製作を担当したのは、あのランボルギーニ

ベースマシンのM1は合計500台も作られなかったこともあり、現在プレミア街道まっしぐら。今や数千万円でも手に入れるのが難しくなっています。そこへウォーホールですから、価格はあってないようなものですね。

最後に、他にも作品をいくつか紹介しておきます。大爆発している芸術センスをご覧くださいませ。

▲おわかりいただけるだろうか……。無数の顔のようなものが… ▲おわかりいただけるだろうか……。無数の顔のようなものが…

▲その発想はなかった…… ▲その発想はなかった……

▲ピクサー映画に出てきそう! かわいいしオシャレですね! ▲ピクサー映画に出てきそう! かわいいしオシャレですね!

text/中村文大(graaab)