今回のテーマ

-ハイブリッド車っていいですか?-

トヨタのハイブリッド車生産が累計100万台をわずか10年で突破した
今ではセダン、ミニバン、SUVとボディタイプは拡大し、中古車も豊富に流通している
そろそろ特別な車ではなくなってきたハイブリッド車
ホントに良いのかをオーナーでもある評論家2人に聞いてみましょう
日下部保雄

システムの組み合わせ次第で
エコカーからレーシングカーまで作れる


日下部保雄さん●モータージャーナリスト
●くさかべ やすお
母と子の安全運転講習会などを開催する日本自動車ジャーナリスト協会の会長
現行型のエスティマハイブリッドを所有

 エスティマハイブリッドには2世代続けて乗っており、結構気に入っている。もっともエスティマはこれで4台目だから、エスティマの利便性に惹かれたとも言えるかも。ハイブリッドを最初に購入した動機は、新しいパワープラントへの興味と、今のVDIMの前身となったVDMの先進性に心惹かれたからだ。もともとパワーは期待してなかったけど、意外と走った。燃費はトータルで10km/L強ぐらいだったし、その気になると12~14km/Lまで伸びた。
 新しいエスティマハイブリッドはもうすぐ1年となるが、重くなって出力が上がった分、燃費は旧型ほど伸びていない。回生効率が高くなっているので、トータル燃費はやっぱり10km/Lぐらいなのだが、アシは短くなったようだ。それにしても新型はよく走り、ランプウェイでモタモタしたことなど一度もなく、パフォーマンスには満足している。それに静かだ。ハイブリッド乗りの自慢、燃費モニターを見ているとちょっと嬉しい。

 もう一つ、先進のE-4WDはとっても魅力的で、予想以上の実力を発揮している。後輪モーターのレスポンスの高さを生かした総合制御の恩恵を受けて、滑りやすい道でも安定したドライブが可能だ。いろんな人が運転することの多いウチのエスティマだけに、このE-4WDには 大きな信頼を寄せている。ハイブリッドが遅いというのはもう過去のこと。最近では十勝24時間レースにハイブリッドレーシングカーが総合優勝した。このようにシステムをどのように組み合わせるかで、超エコ
カーからレーシングマシンまで、様々な車ができる片鱗を見せつつあるのが現在のハイブリッドの姿だと思う。  今、我々が置かれている状況は環境が非常に重要なテーマになっていることは明白で、好むと好まざるとにかかわらず、注目していかなければならない技術なのは間違いない。いつの時代も接していたいのがボクにとってのハイブリッドだ。