発想は単純だけどバックモニターは
便利で画期的な安全装備でしょう

小沢コージさん●モータージャーナリスト
　　日本って実にもったいないと思う。顔の可愛い子が着ぐるみ着てディズニーランドでバイトするようなモンで、自分で自分の本当の価値に気づいてない部分がある。俺に言わせりゃお宝を捨ててるようなもんだ。
　筆頭はなんと言ってもバックモニター。今の日本車にはヴィッツや軽自動車など、相当フツーなヤツにフツーに付いてる装備だけど、考えようによってはあれほど便利で安全で画期的な装備もない。発想は単純だけどエアバッグにも匹敵するほどの重要保安部品だと思う。なにしろバックほど車と道の環境によって難しくなる運転もないんだから。
　タマーに新聞で読む、おじいちゃんが孫をひいたとか、遊んでる子供に気づかずぶつかったという駐車場での悲しい事故。かなりの部分がバックモニターで解消されるだろう。しかもこの分野、輸入車は驚くほど無頓着。最近、一部アウディなどの高級車で備えてるけど、まだまだ未装着な車も多い。

　日本メーカーがアドバンテージにいち早く気づいて標準化どころか政府が法制化しちゃえば、世界からはかなり称賛されたはず。同じく「ナビゲーションシステム」とか「サイドミラーの自動折り畳み」。あれもまた日本最高の車発明だった。もはや主張するのが遅くなっちゃったけど。 　言わばどれも「カラオケ」や「カイゼン」にも似た世界を制覇できる日本発のお宝テクノロジー。ちょっと
した発想の転換で、一見大したことないけどその効果は驚くほど高い。ODAでお金あげてる国にバカにされたり、中国になめられまくっている日本。つくづくアピールがヘタだ。そのほか「車内カラオケシステム」や「車内ゴミ箱」みたいな100円ショップ的車アイテム。この辺にもお宝が眠ってる気がする。とにかく必要なのはプレゼン能力。もったいないですよ。