▲数々のカテゴリーに分かれて競う「RCカーグランプリ」。バギークラスのコースにはジャンプ台も設置されている ▲数々のカテゴリーに分かれて競う「RCカーグランプリ」。バギークラスのコースにはジャンプ台も設置されている

タミヤのRC(ラジオコントロール)モデルはなんと今年40周年!

6月某日。カーセンサー編集部に一通のFAXが届きました。

東京のお台場にある車のテーマパーク、メガウェブにて「タミヤRCカーフェスティバル」を開催しますというもの。タミヤの広報部に確認したところ、ラジコンカー発売40周年を記念したイベントというではないか。

メディア対抗レースへぜひ参戦されたし! というので、ここはひとつ、フェスティバルを大いに盛り上げるべく参加してきました!

メディア対抗レースは、「ネオマイティフロッグ DT-03シャーシ」というバギー車モデルのワンメイク。このモデルは、1980年代のRCブームの火付け役となった「マイティフロッグ」の復刻版。ベテランファンには懐かしく、その子供世代には斬新に映る後輪駆動バギーです。

▲ネオマイティフロッグ DT-03シャーシ。お値段は9,720円(税込) ▲ネオマイティフロッグ DT-03シャーシ。お値段は9,720円(税込)

イベントでは規則によりバッテリーやモーター、シャシーは変更できませんが、サスペンション回りのオプションパーツ装着は認められています。せっかく呼んでいただいたんだから、タイヤ交換くらいして行こうかしら。

▲参加するからには自動車メディアらしく、ラジコンをチューニングしよう! ▲参加するからには自動車メディアらしく、ラジコンをチューニングしよう!

開催要項には「コースの路面はカーペットです」と書いてあります。組み立てキット同梱の純正部品はスパイクタイヤ。屋外オフロードなら有用ですが、室内競技でのタイムアタックには向かないタイヤね。ということでフラットな接地パターンを持つタイヤを買ってきました。組み付けとホイール交換はものの3分で完了。いざ出陣です!

会場ではレースにエントリーする人たちが受付に行列を作っていました。おじさんばかりかと思いきや、ラジコンを脇に抱えた少年たちの姿が目立ちました。自慢のマシンを持ち込み、少し緊張気味の表情で審判員の車両チェックを見守ります。

▲親子で楽しんでいる人たちが多いですね ▲親子で楽しんでいる人たちが多いですね

GT-Rや86、インプレッサなどのGTレースで活躍するレーシングカーのレプリカモデルが少年たちには人気みたいです。一方、お兄さん、おじさんたちは多種多様なモデルを愛好している様子。トヨタのFJクルーザーをキレイにラッピングしている人、スズキ ジムニーのリフトアップモデルでひたすらウイリーしている人など楽しみ方も様々。

▲おおっ! 少年たちの操るインプレッサと86の激しいデッドヒートが繰り広げられていました! ▲おおっ! 少年たちの操るインプレッサと86の激しいデッドヒートが繰り広げられていました!

メディア対抗レースは全11チームによって争われます。本職のホビー誌さん、気合の入った常勝チームに交じって、ほとんどド素人のカーセンサーチーム。予選のタイム順に、激速い「Aクラス」と、そうではない「Bクラス」に分かれて本戦を戦います。

私たちはもちろん「Bクラス優勝」を目指します……。練習走行では、横転しまくっていて、これはレースになるのか…? と半ばあきらめていた我々でしたが、予選はムリせず安全運転&操縦スキルUPに集中し、クラス別レースにすべてを賭けることに。

▲慎重な運転が功を奏して、Bクラスのポールポジションという予想外の好記録! ▲慎重な運転が功を奏して、Bクラスのポールポジションという予想外の好記録!

さぁ、いよいよ決勝レースです。本番に強いで有名? な我々、短時間で操作のコツをつかみ、数時間前のグダグダがウソのように安定したコントロールでコースを攻略します。難しいジャンプ台もなんとかクリアし、現場騒然のポールトゥウィン!

全国から集まったラジコンファンに「中古車情報誌のカーセンサー、見事1位でゴールイン!!」というナイスな実況をお聞かせすることができました!(笑)

最後にこのイベントを象徴するひとコマを。

高性能でハイスピードなラジコンは、プロがドライブすれば無類の速さを発揮するものの、アマチュアが操るとジャンプ台で横転必至。操縦者はコース外の所定の位置からは動けません。そんなとき、マーシャルの少年たちが大活躍します。

▲裏方部門の優勝はマーシャルの少年たちだな ▲裏方部門の優勝はマーシャルの少年たちだね

少年たちはトラブルの多いコースセクション付近にあらかじめ待機していて、クラッシュが発生するとコース内に飛び込み、ひっくり返ったマシンを素早く救ってくれるのです。しかもめっちゃ笑顔で。私たちのマシンも、何度起こしてもらったことでしょう。ありがとうございます!

彼らはボランティアでレースを補助してくれています。自らもラジコンカーを操り、ジュニア部門などのレースに出場しますが、自分のレースやメンテナンスの合間にはマーシャル業務を買って出てくれるのです。

なんともラジコン、ひいては車への愛がひしひしと感じられる素敵な光景でした。

text/松井良幸(編集部)