フォルクスワーゲン NILS（ニルス）【東京モーターショー2011】

一人乗りの電動コミューターコンセプト

世界中の通勤者にターゲットを絞った一人乗りのEVコンセプト、NILS（ニルス）がフォルクスワーゲンより発表された。ドイツ連邦統計局の調査によると、通勤者の約60％が自動車を利用しており、その内90％が単独で車に乗っているという。そういった人々に向けた効率的な車がこのコンセプトモデルだ。

特徴的なのはその小さなボディ。全長わずか3.04mと軽自動車と比べてもかなり短く、全幅も1.39mと、都市部の交通環境の中でも扱いやすいサイズだ。全高は1.2mと一般のスポーツカーよりも低く、ボディレイアウトはフォーミュラカーのそれに近い。ドライバーが車体の真ん中に座り、エンジン代わりの電気モーターがその後方に搭載される。

モーターの最高出力は通常時で15kW、短時間であれば25kWのピークパワーを発揮。最大トルクは130N・m。トップスピードは130km/h、0-100km/hは11秒以内という俊足を誇る。最大航続距離は65kmで、フル充電まではヨーロッパ地域の230V電源で2時間ほどだという。

ボディのほとんどはアルミ製。大きく開くガルウイングドアのマウントを含めたルーフレールをはじめ、ドライバー背後のロールバー、トランクスペースやバルクヘッドには強度の強いアルミパネルが使用された。バンパーやサイドシルのトリムパネルは強度の高い特殊プラスチック製となっている。