第22回メディア対抗ロードスター4時間耐久レース参戦記:いよいよ本番!決勝レース編
2011/09/26
■プロローグ 2011.09.03 Sat. 大型台風迫る 第22回メディア4耐
ロードスターレース前日、日本列島に大型台風が迫っていた。気象庁の発表によると当日の降水確率は90%。しかも強風域のオマケ付き。それでなくとも校了まっただ中の編集部はまさに嵐の様相を呈していた。飛び交う怒号に、巻き上がるゲラや原稿。果たして無事ロードスターレースは開催され、我々は参加することができるのだろうか(そして校了は!?)。吹き荒ぶ風に飛ばされるように不安な夜は更けていった…。
■AM6:00 ロードスターレース ついに開催!!
なんとか持ち堪えてくれた曇り空を見上げながら、編集部チームは筑波サーキットに立っていた。時刻は朝6時。監督のカーセンサーデスク中野とEDGEデスク依田は眠い目をこすり、レース初心者コンビの編集部員浜崎&中島は緊張した面持ちでピット設営をしている。そして前日入りのため一人余裕そうな編集長の後藤と、助っ人として駆けつけてくれたプロレーサー阿部翼選手。そう、無事開催に漕ぎつけた第22回ロードスターレースが今、始まろうとしている。
今回の我々の目標は『完走&15位以内』。
全23チーム中15位以内を狙うといっても、例年ガス欠やクラッシュによって途中リタイヤするチームが多く、今年もクラッシュせずに走っていれば自然と順位が上がってこの順位に落ち着く予定。要するに“安全第一”というわけである。
- ↑今年のカーセンサーチームのマシンには公式キャラクターのカーボが宿る。果たしてレース結果は「よかった~」となるか
- ↑会場の筑波サーキットはマツダ一色。カラフルな装飾を施されたロードスターがズラリと並ぶ光景は圧巻
- ↑公開練習を前にピット前でマシンを囲んで談笑するカーセンサーチーム。まだ緊張はなくリラックスムード
■AM8:20 不安要素を抱えつつ、公開練習がスタート
ロードスターレースは公開練習、予選、決勝の3部構成。
本来は持ち回りで走る練習走行だが、レース素人の浜崎と中島がいるため少しでも練習をと、2人に30分の練習走行をすべて託す。ESPのないロードスターに悪戦苦闘しながらも浜崎は安定した走りを見せるが、中島はコースインから数周で2度のスピン。「やはり中島か…」と誰もが思ったが、その後はなんとか持ち直し、無事に公開練習を終えた。
■AM10:35 雨の予選と作戦通りの結果
車両やライセンス、レーシングスーツなどをチェックする公式車検を終えると、とうとう雨が降り始めた。予選スタート前に上がったものの、コースはハーフウェット。この予選の順位次第で決勝のスタート順が決まる…が、決勝のスタート時の混戦を避けるため我々は最後尾狙い。ドライバーは練習走行も兼ねて依田が務める。
結果は…最速ラップ1分14秒台という我がチームの中ではまともなタイムを叩き出すも、順位は最下位。しかし、我々はほくそ笑む。
後藤「予定通り、いいポジションだ!」
- ↑公開練習を前に適正なシートポジションを安部翼選手に教えてもらう、いかにも素人なカーセンサーチームの面々
- ↑カーセンサーチームを支える編集部員河瀬。監督中野の下、レースの準備やピットの仕切りを一手に引き受けた
- ↑決勝前セレモニーで壇上に上がり、チームのPRを行う後藤。遅さを隠すためか、安全運転と完走をことさらアピール
■PM1:00 毎年恒例の決勝前セレモニー
決勝レースを前に、特設ステージでは毎年恒例のセレモニーが行われた。各チームが壇上に上がりPRを行うのだが、予選結果順なのでカーセンサーチームは最後の登場となる。全23チームともなると結構な時間がかかるので、我々の出番にはすでにステージ前の人はまばらに…。
とはいえ後藤の「安全第一で!他のチームにご迷惑をかけないように!」という宣言の下、我々は決意を新たにしたのだった。
■PM2:00 緊張の決勝レース 第1走者 編集長後藤
スタート時の天候は晴れ。各チームのレースカーがいよいよスタート位置についた。第一走者を務めるのは後藤。その後に依田→阿部選手→浜崎→中島と続き、最後の追い込みで再度、阿部選手が走る。
会場の緊張がピークに達した頃、シグナルが青に変わった。スタートから危なげなく周回を重ねる後藤。最初こそ1分23秒台で走行していたが、徐々にスピードを上げ、最終的には1分18秒台までペースアップ。とはいえ、もちろん最後尾。だが、これでいい。最終的に笑うのは我々なのだから…。
■PM2:50 またもや雨の中… 第2走者 依田(EDGEデスク)
後藤が持ち時間の50分を走り終え、最初のドライバーチェンジ。我がチームの中ではまともなタイムが期待される依田がコースイン。しかし、不運にも周回途中で雨が降り出した。
依田のタイムは見る見る落ちていくが、意外と他のチームのペースは落ちない。しかしここは我慢のシドコロ。この土砂降りの中ではそのうち、どこかのチームがツルッとかクルッとかスピンしてくれるはずなのだ…。
- ↑本番前にコース図を見ながらライン取りをおさらい。初心者の我々は下手にシフトを繰り返さず、ライン取りを重視したほうが速い!
- ↑レース中にも容赦なく降り出す雨。バケツをひっくり返したようなゲリラ豪雨に見舞われるたびにピット周辺は大騒ぎとなった
- ↑目まぐるしく変わる天候により、路面はドライ、ハーフウェット、ウェットへと状況を変え、ドライバーを悩ませる
■PM3:40 作戦失敗か!? 第3走者 安部 翼選手
我々の作戦に暗雲が立ち込める。土砂降りの雨の中、結局何事も起こらず、阿部選手にドライバーチェンジとなった。しかも、各チーム雨の影響で全開走行をしていないため、ガス欠によるリタイヤも期待できない。
そんななか頼りは阿部選手だけだったが、無情にもペースカーがコースイン。空にも晴れ間が差して、いよいよ追い上げ! という時に水を差された格好となった。
■PM4:20 まさかの実力開花! 第4走者 浜崎
結局そのまま第4走者浜崎に交替。ここから先は浜崎→中島とド素人コンビが続くので、ピットにはあきらめムードが漂い始める。ただただ、天候だけが回復していった…。
しかし、予想外の出来事というのは良い方向にも起こるもので、何と浜崎が驚異のラップタイムを刻み出した。本日最速の1分14秒台。ヘアピンコーナーで遅い車をイン側から差すなど、危なげながらまさかのテクニックも発揮。
終盤スピンこそしたものの、我々はすでに最下位を脱していた。
■PM5:00 やっぱりボトルネック… 第5走者 中島
5番手中島にドライバーチェンジ。残り時間はあとわずかだ。ここで中島が持ち堪えて、阿部選手にタッチできれば目標達成も視野に入ってくる。
と、思った矢先にまたもや雨が降り出した。サーキット初心者に雨の路面を走らせるほど怖いことはない。案の定、ペースは練習とすら比べ物にならないほど激遅。しかも最終コーナーでスピンして、あっという間に最下位へ逆戻りしてしまったのだった。
■PM5:40 最後はお願い!プロレーサー!
なんとか無事に戻ってきた中島から再び阿部選手にバトンタッチ。なんとか最下位を脱しようと怒涛の追い上げが始まった。雨が上がりハーフウェットのコースを全開で攻める安部選手。路面コンディションの悪い中、本日最速の1分12秒台を記録。
あっという間に前のチームを追い抜き、最下位を脱出! 残り時間でいったい何チームを抜き去ってしまうのか!!…と思われたがここでチェッカーフラッグが振られ、レース終了。最終的にブービーという結果に落ち着いたのだった。
終わってみれば今年は異例の全チームが完走。最初から我がチームの他力本願作戦は見通しが甘かったとも言える。だが、もう一つの目標であった『完走』は無事成し遂げることができたのだ。ブービーという悔しい結果に来年のリベンジを誓いつつ、第22回メディア対抗ロードスターレースは幕を閉じた。
■最後に
オーガナイザーであるブレインズモータースポーツクラブをはじめとする大会関係者の皆様、車両を提供いただいたマツダ株式会社、各出走チームの皆様、そしてカーセンサーチームを陰で支えてくれた編集部 河瀬に感謝を。
来年もまた筑波サーキットでお会いしましょう!