無骨なハーレー乗りの愛車はピンクのダイハツ ミライース!? 心優しいひげ男の10輪ホビーライフ
2025/02/16

【連載:どんな車と、どんな時間を。】
車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんな車と、どんな時間を?
似ても似つかない! ハーレー乗りがピンクの軽に乗るそのワケ
かわいらしいピンク色のミライースから、ワイルドなひげの男性が降りてきた。なかなかのギャップである。
「元々は妹の通学用に両親が買った車で、妹が使わなくなったまま実家にあったのを譲り受けたんです。僕の見た目とのギャップのせいか、検問があると3回に2回は端寄せされちゃって職務質問されますよ」


ちょっと困り顔で笑って穏やかに話すのが、このミライースのオーナーである武井太海さん。見た目に反して物腰はとても優しい。
このミライース、以前乗っていた軽バンの不調をきっかけに実家から譲り受け、通勤や遊びの足にしているうちにすっかり愛着が湧いてしまったのだという。

「よく週末に友達と釣りに行くと“交通費割り勘にしよう”って言ってもらうんですけど、なにしろ燃費がいいので、この車ならガソリン代をもらうほどでもないくらい。高速代も安いですしね」
とはいえさすがに軽では長距離ドライブは大変では? と聞くと、「横浜から富山まで旅行に行きましたけど、僕は全然苦じゃない」と胸を張る。ただ、高速ではエンジン音と風切り音が大きいため、音楽を楽しめないのだけが玉にキズなのだそうだ。
「それに今の軽って意外と広くてモノが載るじゃないですか。リアシートをフラットにすれば、釣り竿やバイクのタイヤやパーツを載せることもできるんです。年齢とともにマックス2人でしか乗らなくなったこともあって、ミニバンを買うくらいだったらこっちでもいいんじゃないかなと思いますね」


するとすぐ隣で、釣り仲間でもある友人が「でもピックアップトラックとか気になってるよね?」と声をかけた。
「いやホントのことを言うと、バイク3台あって、中でもハーレーはすごい高価で、車までカッコつけられるほど余裕はないっていうことなんですけど(笑)。トラックがあればバイクも運べるし、カッコもつくんですけど、やっぱり車はランニングコストがすごくかかるので、今はまだ我慢です」
10輪生活を送れるのはミライースのおかげ?
武井さんはバイク乗りだ。ホンダ ダックスとカワサキ KLX、そして通称パンヘッドと呼ばれるハーレーダビッドソンの超希少な1948年式FLも所有する。パンヘッドの排気量は1200ccのV型2気筒だというから、660ccのミライースのおよそ倍、1気筒だけでミライース1台分に迫る排気量があると思うとおもしろい。


「僕、ハマっちゃうととことん掘り下げてっちゃうんです。バイクの整備やらカスタムやら、始めだすと止まらない。でも、ミライースはもうやりようがないんで、これに乗ってるっていうところもあります」
たしかにカスタムが施されたハーレーを見るに、車までこの調子ではまったらえらいことだろう。
今は1人暮らしだが、近々パートナーと新居へ引っ越す予定だ。二輪3台と四輪1台、計10輪を連れての新居探しはなかなか大変だったようだが、なんとか屋根付きガレージのある物件が見つかった。

「雨の日の移動や荷物運び、それに釣りに行けるのもそうですし、バイクを3台も持って、趣味を楽しめるのも、このミライースのおかげ。バイクのキャラクターとは正反対ですけど、密接につながってる。この色も、みんなに“なんか太海っぽいよね”って言われて、逆によくなってきたかなって(笑)」
優しいピンクのミライースが支える10輪生活は、とても幸せそうだ。
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ダイハツ ミライース(初代)×全国
武井さんのマイカーレビュー
ダイハツ ミライース
●年式:2011年式
●走行距離:購入時1万km、現在10万km弱
●マイカーの好きなところ:燃費がいい!
●マイカーの愛すべきダメなところ:高速で音楽が聴こえない
●マイカーはどんな人にオススメしたい?:経済的なのでセカンドカーに。運転しやすいので初心者や初めての車としても

ライター
竹井あきら
自動車専門誌『NAVI』編集記者を経て独立。雑誌や広告などの編集・執筆・企画を手がける。プジョー 306カブリオレを手放してからしばらく車を所有していなかったが、2021年春にプジョー 208 スタイルのMTを購入。近年は1馬力(乗馬)にも夢中。