▲自動車・カーライフに関する調査研究機関「リクルート自動車総研」の膨大な統計データを基に、ユーザーの購買行動や世の傾向を勝手に予想したり解説したりするコラム。今回は、多様する「おひとり様」ライフスタイルについて徒然と……▲自動車・カーライフに関する調査研究機関「リクルート自動車総研」の膨大な統計データを基に、ユーザーの購買行動や世の傾向を勝手に予想したり解説したりするコラム。今回は、多様する「おひとり様」ライフスタイルについて徒然と……

“ひとり”だからこそ、日常のドライブと区別する

最近、“ひとり”もしくはそれに類する単語を接頭辞とする新語を多く見かけるようになった。「ひとり飯」や「ひとり焼き肉」、「ひとりカラオケ」略して“ヒトカラ”などがその代表例だ。

要は、1人だと気後れしそうな行動やシチュエーションを、あえて1人でエンジョイする人、またはそのスタイルを、新しくてステキだね、と肯定する風潮が背景にあるのだろう。

他にも、遊園地のアトラクションに1人で乗る「シングルライダー」や、1人でキャンプする「ソロキャンプ」など、周囲の人からすると「なぜここで1人?」と思われがちなシチュエーションにも、“ひとり”スタイルが浸透し始めているようだ。

カーライフにおいて、家族や友人、恋人と一緒に楽しむケースが一般的なシチュエーションといえば、ドライブだろう。

旅行やデートを兼ねたドライブは、1人より複数の方が楽しそうだ。だが、デートは無理としても、そこをあえて“ひとり”でやってみると、どんなメリットがあるのか。

まず、同乗者に気を使わずに済む。それだけで大きなストレス軽減につながると考える人もいるだろう。

自分の都合で、気が向いたときに出発できるのも利点だ。行き先も、寄り道も休憩も自分のペースでOK。

音楽も、好きな曲を自由な音量で聴ける。車内だから、大声で歌っても、調子っぱずれでも、誰にも迷惑はかけないだろう。

道を間違っても渋滞にはまっても、自己責任。慰めてくれる人はいないが、文句を言う人もいない。

下の表①にあるとおり、理想の車の使い方として「気ままに寄り道ができる」や「縛られない」といったワードが入っている。なるほど、そう考えると“ひとり”ドライブも悪くなさそうだ。

※2015年~2017年にリクルート自動車総研が行った『中古車購入実態調査』より ※2015年~2017年にリクルート自動車総研が行った『中古車購入実態調査』より

いいことずくめに見える“ひとり”ドライブだが、「ひとり飯」や「ソロキャンプ」のように注目されていないのはなぜだろう。

おそらく、車内がパーソナルな空間であることと、日常的に1人で車に乗ることが多いのが、その原因と考えられる。

一方で、日常の延長線上にあるドライブではなく、“ひとり”であることに目的意識を持ったものであれば、きっと新しい切り口を発見できるかもしれない。そんなスタイルを、仮に「ソロドライブ」と呼ぼう。

最近注目度が高い「ソロキャンプ」では、シュラフやチェアなど、ソロ向きのアイテムを紹介する記事が、インターネットや雑誌に掲載されている。となれば「ソロドライブ」にも“ソロ向きの車”という切り口があってもいいはずだ。ということで、そんな車に必要な要素を考えてみた。

・1人だからボディサイズは小さくてOK
・普段使いの車と分けた方が◎
・クセの強い方が非日常感が盛り上がる


他にもたくさんあると思うが、この3つはある意味、基本要素と考えて良いだろう。

しかし、独身の人はさておき、結婚して子供がいる家庭では、どうしても同乗者を意識した車選びになる。下のグラフ②を見てもそういった傾向が分かる。

※2015年~2017年にリクルート自動車総研が行った『中古車購入実態調査』より ※2015年~2017年にリクルート自動車総研が行った『中古車購入実態調査』より

従って、「ソロドライブ」用の車は、セカンドカーと考えるのがいろいろな面で無難だ。

以上を踏まえると、サイズ的にもコスト的にも中古の軽自動車は、まさに「ソロドライブ」にピッタリな選択肢と言えるだろう。

「クセの強い車」に関しても、古い車から絶版車まで選べる中古車の得意分野。あとは乗り手のセンス次第だが、参考までに“ちょっとクセのある”3モデルをセレクトしたので、参考にしてほしい。

今後もライフスタイルの多様化が進めば、車の付き合い方も変化していくのは間違いない。そう考えると、おのおのが自分らしく楽しむ未来のカーライフのひとつとして、「ソロドライブ」がトレンドになる可能性もあながちゼロとは言えないだろう。

予算100万円! ソロドライブ向きなちょっとクセある軽自動車3選

1:ホンダ N-BOX+(初代)

▲初代N-BOXのスピンオフモデル。広い室内を生かした多彩なアレンジが魅力。身長190 ㎝の人でも足を伸ばして寝転べるので、気ままな「ソロドライブ」にぴったり ▲初代N-BOXのスピンオフモデル。広い室内を生かした多彩なアレンジが魅力。身長190 ㎝の人でも足を伸ばして寝転べるので、気ままな「ソロドライブ」にぴったり


2:ダイハツ コペン(初代)

▲ドライブで非日常を味わうのに最適なオープンカー。電動開閉タイプのアクティブトップ仕様なら、気軽にオープンを楽しめる。あえてMT車を選ぶのも「ソロドライブ」的で◎ ▲ドライブで非日常を味わうのに最適なオープンカー。電動開閉タイプのアクティブトップ仕様なら、気軽にオープンを楽しめる。あえてMT車を選ぶのも「ソロドライブ」的で◎


3:スズキ ジムニー(初代)

▲「ソロキャンプ」に興味があるなら、道中の相棒としてオススメなのが1995年11月に登場したJA22型ジムニー。レトロなルックスは、新型に負けない“いい味”が出ている ▲「ソロキャンプ」に興味があるなら、道中の相棒としてオススメなのが1995年11月に登場したJA22型ジムニー。レトロなルックスは、新型に負けない“いい味”が出ている


text/編集部
photo/逢坂聡、ホンダ、ダイハツ、スズキ