何も起こらないに越したことはないが、車に乗る以上避けて通れないのが愛車のトラブル。夏は30度を軽く超え、冬は氷点下にもなる日本は車にとって過酷な環境でもある。そのため季節により発生しやすいトラブルも異なるもの。日本自動車連盟(JAF)は冬場に起こりやすいトラブルとそのチェックポイントを発表。ドライバーに注意するよう呼び掛けている。

注意すべき点の1つめがバッテリー上がり。車は燃料がないと走れないが、同時にバッテリーが劣化すると始動時のセルモーターが回せないため走れなくなる。バッテリー上がりはエアコンを頻繁に使う夏場に多い症状と思っている人もいるが、実はJAFへの救援依頼がもっとも増えるのは冬場。気温が下がるとバッテリー液の温度も下がってしまい能力が低下する(一般的に外気温が0度だとバッテリーの性能の8割しか発揮できないと言われている)。

そのため劣化しているバッテリーだとエンジンをかけるのに十分な電力が得られない場合も。急いでいる朝に外出しようとしたらエンジンがかからないということがないよう、車を買ったお店やカー用品店などでバッテリーの性能をチェックしておきたい。劣化しているようなら思い切って交換が必要だ。

2つめはタイヤの滑り止めについて。雪国の人は冬になる前にスタッドレスタイヤに交換するのが常識だが、雪国以外だとスタッドレスはもちろんタイヤチェーンも持っていないという人は多いもの。そのため突然雪が降ると坂道などで立ち往生してJAFに救援依頼する人が急増する。中には坂道の途中に車を乗り捨てていく人もいるが、これは危険であり迷惑となってしまう。

雪が降ると多くの人がカーショップに駆け込むため、タイヤチェーンやスタッドレスタイヤは一気に品薄になる。雪国でなくても万が一のためにタイヤチェーンは事前に用意しておきたい。また、スタッドレスやタイヤチェーンを用意していない状態で、雪の天気予報が出た時は、車での外出は控えるべきだ。

3つめが燃料の凍結。近年注目を集めているクリーンディーゼル車の燃料は軽油。ガソリンは心配ないが、軽油は温暖な地域で給油した燃料で寒冷地に行くと凍結してしまう可能性がある。凍結すると最悪の場合エンジンがかからなくなる。寒冷地の軽油には対策が施されているので、スキーやスノボに出かける際はゲレンデ近くで満タン給油できるように出発時の給油量を調整すと良いだろう。

寒さは車にとって過酷な状況。しかし前もって準備しておけば恐れる必要はない。もし、まだ対策を施していないなら、快適なウインタードライブのために早めの点検が必要だ。

タイヤチェーンを雪の中で付けるのはかなり大変。付け方も製品により異なるので、新しいものを買ったら何度か練習をしておこう

タイヤチェーンを雪の中で付けるのはかなり大変。付け方も製品により異なるので、新しいものを買ったら何度か練習をしておこう

バッテリー上がりの救援依頼が増えるのは12月と1月。バッテリーの性能チェックはガソリンスタンドでも頼めるので一度お願いしてみよう

バッテリー上がりの救援依頼が増えるのは12月と1月。バッテリーの性能チェックはガソリンスタンドでも頼めるので一度お願いしてみよう