人気アウトドアブランドのコールマン・ジャパンは、9月11日から13日の3日間、2014年度新製品展示会を実施。コールマンが提案する「アウトドアリゾートをつくろう。」というテーマをさらに進化させる製品を数多く展示した。

その中で注目なのは「Smart Camp Style」というコンセプトのもとで開発されたテント「ウィンズライトドーム/W270」とヘキサタープ「ウィンズライトヘキサ/M」の2点。最大の特徴は大人4人が余裕で過ごせる広さを確保しながらコンパクトに収納できること。開発の背景にはアウトドア業界が抱える“ある事情”がある。

日本オートキャンプ協会が発行するオートキャンプ白書2013によると、日本のオートキャンプ人口は約720万人。ブームで1000万人以上が楽しんでいた90年代と比較すると人口は減っているとはいえ、いまだに多くの人が楽しむレジャーだ。

子どもの頃にキャンプブームを経験した世代が親となり、新しい家族とキャンプを楽しむようにもなっている。一方で「キャンプ用品はかさばる」「コンパクトカーだから道具を揃えても積めない」という理由でアウトドアレジャーを諦めている人も多いという。

とくに近年はダウンサイジング志向でハッチバックや軽自動車を選ぶ人が増えているため、本格的なキャンプデビューはやや敷居が高くなっているのも事実だ。

コールマンは荷物を積みにくい“コンパクトカー所有”、荷物を置くスペースが確保しにくい“マンション居住”、夫婦共働きの“3人家族”を新たなファミリー層として設定。こういった方でもアウトドアを気軽に楽しめるように「Smart Camp Style」を提案していくとのこと。

会場にはミニクロスオーバーを展示。SUVにカテゴライズされるものの荷室容量は350Lと決して広いとはいえないモデルだが(ちなみに旧型フィットは426L)、それでも家族3人がリラックスしてキャンプを楽しめる道具が、リアシートを倒さない状態ですべて収まっていた。

ほかにもカップルでフェスに行くときなどに便利な居室とリビングスペースが一体になったテントや、コールマンの2~3人用の定番テントなど、コンパクトに収納できる製品も多数展示。

大型のミニバンやSUVに大きなテントを積んでキャンプを楽しむのはひとつの憧れだが、都会暮らしで実践するのは難しいもの。こういった新アイテムを使えば、小さな車だから荷物を減らすなどの我慢をしなくてもすみそうだ。

従来はこれだけの空間を作ろうとすると、リアシートを半分倒し、後ろに乗る人は荷物の中に座っているような状態で移動しなくてはならなかった

従来はこれだけの空間を作ろうとすると、リアシートを半分倒し、後ろに乗る人は荷物の中に座っているような状態で移動しなくてはならなかった

テント、タープをはじめ寝袋や食器、テーブルまで、必要なグッズ一式をリアシートを倒さずに積むことができる

テント、タープをはじめ寝袋や食器、テーブルまで、必要なグッズ一式をリアシートを倒さずに積むことができる