日産自動車はブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故の軽減を目的とした「踏み間違い衝突防止アシスト」を開発、一部改良されるエルグランドに採用し年内にも商品化する。

「踏み間違い衝突防止アシスト」は、周囲の状況を一目で把握できるアラウンドビューモニターと、発した超音波の反射波をとらえて物体を認識する超音波ソナーで進行方向にある障害物を検知、必要に応じて加速を抑制し、衝突の前にブレーキが作動するというシステムだ。

このシステムは「セーフティ・シールド(クルマが人を守る)」という考え方に基づき開発された。車が置かれている状態を「危険が顕在化していない」、「危険が顕在化している」、「衝突するかもしれない」、「衝突がさけられない」、「衝突」、「衝突後」の6段階に分け、それぞれの状態で発生する危険に対して最適なバリアを働かせる。日産は、この考え方に基づいて、将来的に日産車が関わる死亡・重傷者数を実質ゼロにまで減らす「Vision Zero (ビジョンゼロ) 」という目標を掲げている。

現在、ブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故は、年間6000~7000件発生しており、運転者が死亡する重大な事故になることが多いという(財団法人国際交通安全学会調べ)。日産は、この新システムの採用により踏み間違いによる事故を軽減し、「Vision Zero」の達成を目指す。

アラウンドビューモニターの4台のカメラと超音波ソナーにより、進行方向に壁などの障害物が存在するかを検知

アラウンドビューモニターの4台のカメラと超音波ソナーにより進行方向に壁などの障害物が存在するかを検知

ブレーキとアクセルを踏み間違ってしまった場合、加速が抑制されブレーキが作動する

ブレーキとアクセルを踏み間違ってしまった場合、加速が抑制されブレーキが作動する