ダイハツ ムーヴ|ニューモデル試乗

ローダウンサスペンションの全車標準仕様や低速衝突回避システムの導入など大幅なマイナーチェンジを実施

シャーシを見直すことで質感の良さを追求

マイナーチェンジながら大幅な改良が行われた

5代目となる現行型の登場は2010年12月。それから2年の間に、ライバルモデルのクオリティが予想水準を上回ってきてたこともあり、昨年末、大幅なマイナーチェンジが行われた。

ムーヴとムーヴカスタムの2系統に変わりはないが、RSのローダウンサスペンションが全車標準仕様となるなど、シャーシを見直すことで乗ってすぐわかる質感の良さを追求したという。また 昨今スタンダードになりつつある低速衝突回避システムも低価格で取り付けられている。

NAエンジンの量販グレードとなるムーヴのX“SA”とターボユニット搭載のカスタムRSの2車種に試乗した。

唯一のターボ仕様であるカスタムRSの足回りは好印象

まずはカスタムRS。唯一ターボを搭載し15インチのロープロファイル(低偏平率)タイヤを装着したモデルだ。デザインはヘッドライトとグリルの変更によってシャープさを引き立たせた。リアにもクリアを基調にしたLEDランプを装着することによって引き締まった印象を強めている。

基本プラットフォームの変更はないが、サスペンションブッシュの細かなチューニングとリアトーションビームにガセット(補強板)を追加して剛性が高められている。基本に忠実なやり方だ。軽自動車の評価に如実に現れる石畳の道では、ボディの震えによる不愉快なバイブレーションは抑えられていた。ブッシュとダンパー&スプリングのマッチングがすこぶる良く、足回りの質の向上が窺える。走行安定性も十分すぎるレベルだ。

続いてX“SA”。エンジンとトランスミッションとのマッチングはうまい。NAエンジンの細いトルクをCVTで補い、出足もスムーズだ。だが、先ほどの石畳の道ではボディに伝わるバイブレーションが気になった。RSほどうまく振動を吸収しきれていない。原因としてはRSよりサイドが厚いタイヤの動きをダンパーで補いきれないことが考えられる。

タイヤはカスタムRS(写真)が165/55R15サイズ、それ以外は155/65R14となる

タイヤはカスタムRS(写真)が165/55R15サイズ、それ以外は155/65R14となる

今回の改良の目玉であるスマートアシスト用レーザーレーダーセンサーはフロントグリルに付く

今回の改良の目玉であるスマートアシスト用レーザーレーダーセンサーはフロントグリルに付く

スマートアシストは、20km/h以下での前方車両への追突事故を緊急ブレーキで回避する

スマートアシストは、20km/h以下での前方車両への追突事故を緊急ブレーキで回避する

SPECIFICATIONS

グレード L X“SA” カスタムX“limited SA” カスタムRS
駆動方式 FF 4WD FF
トランスミッション CVT
全長×全幅×全高(mm) 3395×1475×1620
ホイールベース(mm) 2455
車両重量(kg) 810 870 820 850
乗車定員(人) 4
エンジン種類 直3DOHC 直3DOHC+ターボ
総排気量(cc) 658
最高出力[kW(ps)rpm] 38(52)/6800 47(64)/6400
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 60(6.1)/5200 92(9.4)/4000
JC08モード燃費(km/L) 29.0 26.0 29.0 25.2
ガソリン種類/容量(L) レギュラー/30 レギュラー/34 レギュラー/30
車両本体価格(万円) 107.0 137.1 147.0 143.0
Tester/松本英雄 Photo/篠原晃一