ガソリンエンジンの新型は “角が取れた” CX-3(試乗レポート)
カテゴリー: マツダの試乗レポート
2017/10/03
ガソリンエンジンを積んだCX-3は、どう違うのか?
マツダ CX-3といえば、1.5Lディーゼルターボの印象が強いが、今年7月の一部改良でついに、2Lガソリンエンジン搭載モデルが登場した。従来のディーゼルモデルとの違いはいかがなものか。
まず、ガソリンとディーゼルには排気量の違いがある。2Lガソリンモデルは、トルクの発生が滑らかなはずだ。しかも、ガソリンモデルはディーゼルモデルよりも軽量。もちろんグレードによって変わるが、同じ2WDのATであれば、20kgはゆうに違う。そのため、この2Lガソリンモデルの方が、ディーゼルモデルより乗りやすいのでは? と、試乗する前の説明を聞いて感じていた。
私が試乗したのは、CX-3 20S プロアクティブの2WD仕様。では、実際に乗ってみた率直な印象をお伝えしよう。
まず、2Lエンジンの静粛性はディーゼルより上だ。ディーゼルモデルに採用されている「SKYACTIV-D 1.5」はパワフルだが、昨今の欧州車のディーゼルエンジンに比べると振動や騒音が気になる。その点、ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.0」を搭載したCX-3は、アイドリング時もとても良好な静粛性だ。
エンジン出力的には、少々パンチに欠けるが、アクセルに対する車の動きは理解しやすい。そこまで踏み込まなくても軽くゆったりと走らせる。軽やかで心地よい加速だ。安心感がある。6ATとのマッチングも良く、こなれた印象である。ソフトで乗りやすい。回転数と比例して速度が上がっていく雰囲気も、ガソリン車に乗り慣れている人にとっては扱いやすく、馴染みやすいポイントだろう。
一方、ガソリンエンジンはディーゼルエンジンと違って、アクセルを開ける際、吸気の音がする。今回、CX-3に搭載されたガソリンユニットは、特に吸気音が聞こえた。試乗のコースは、軽いアップダウンのあるカントリーロードと高速道だったのだが、アクセルを深く踏み込みキックダウンで加速するたびに、エンジンの吸気音が気になった。気持ちの良いエグゾーストノートと心地よい吸気のサウンドもつくることができたら、一層魅力的だっただろう。
発売当初のCX-3は、パンチのあるディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」とスポーティなサスペンションセッティングで、キビキビとヨーロッパ車のような走りが“マツダらしい”と評価した。対して、今回のガソリンエンジンモデルは、良くも悪くも、のんびりとした印象。「角を取った」CX-3となった。
このソフトなサスペンションセッティングは、躍動感のあるデザインに対し、個性を失ったようにも感じる。普段、街中を走るにはこのくらいが軽やかで心地良くて良いのかもしれないが……。
個人的には、CX-3独特の個性が、現行CX-5のデザインと繋がり動力性能を想像させ、そして近いうちに発売されるCX-8の想像もかき立てるのではないか、と感じている。だからこそ「初志貫徹の志で、CX-3のガソリンモデルをアナウンスしてほしかった」と、試乗を終えてエンジニアに伝えた。
【SPECIFICATIONS】
■グレード:2.0 20S プロアクティブ ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直列4気筒DOHC ■総排気量:1997cc
■最高出力:109(148)/6,000 [ kW(ps)/rpm]
■最大トルク:192(19.6)/2800 [N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:2WD ■トランスミッション:6AT
■全長×全幅×全高:4275×1765×1550(mm) ■ホイールベース:2570mm
■車両重量:1240kg
■ガソリン種類/容量:レギュラー/48(L)
■車両価格:228.42万円~(税込)
【関連リンク】
- マツダ CX-3(現行型)のカタログはこちら
- マツダ CX-3(現行型)の中古車はこちら
- ※今回のマイナーチェンジモデルに限定したリンクではありません。ご了承ください
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