日産 エクストレイル|ニューモデル試乗

曲面を多用したスタイルに生まれ変わった。ボディサイズは2代目より大きくなり、トレッドはフロントで45mm、リアで40mm拡大された

日産お得意の電子制御は概ね優秀

新型の魅力のひとつであるプラットフォーム

3代目となった新型を特設オフロードコースで試乗した。

まず左右に土を盛って作った凸凹路。このシチュエーションでは、特にオンロードでの操縦安定性を高めたモデルでは乗員が左右に振り子のように振られるはずだが、新型は大きな振れもなくスムーズに走り抜けられた。

凹凸に合わせて、駆動力をエンジン出力と制動力でコントロールする「アクティブライドコントロール」という装置の恩恵だ。むろんシャーシ自体が良くなければこのスムーズさは出ない。

続いて車体を左右方向に傾斜させて走るキャンバー走行。重心が抜けた山側と重心のかかった谷側でバランス良く駆動力がかかるかが試される。新型は、踏み固められていない路面でも滑りを最小限に抑え、安定してコースを抜けることができた。また、石を積み上げ凸凹かつ硬く滑りやすいロックセクションでは、新型に登用されたCプラットフォームの実力を実感できた。

このようなハードな状況でも“ぎしり”ともしないこのプラットフォームは、新型の魅力のひとつと言えるだろう。

シティ派デザインにより見切りの良さが減じた

ヒルクライムコースでは、滑らずに微速で下れるかをチェックした。

4WDシステム「ALL MODE 4×4-i」をLOCKに設定し、アクセルを踏みながら下る。滑りそうになっても即座にセンサーが反応してタイヤが路面をとらえ、滑りを最小限に留めている。しかしギクシャク感は否めない。もう少し滑らかな制御になれば、安心感が増すはずだ。

新型の電子制御は概ね効果的で、シャシーやプラットフォームの仕上がりも良い。

だが、先代に増して広くなったトレッド(左右輪間の幅)とスタイリッシュなデザインによって、運転席からの見切りと、四輪位置の把握しやすさが減じていしまった。もっとも、オプションのモニターを装着すれば見切りの悪さをカバーできるようだ。

エンジンは2L直4のみの設定となる。エントリーグレードの20Xの2WDで先代を大きく上回るJC08モード燃費16.4km/Lを達成している

エンジンは2L直4のみの設定となる。エントリーグレードの20Xの2WDで先代を大きく上回るJC08モード燃費16.4km/Lを達成している

シート表皮は先代からの特徴である防水シートとスエード調のクロスシートの2タイプ。カラーはブラックのみの設定となっている

シート表皮はエクストレイルの特徴である防水シートとスエード調のクロスシートの2タイプ。カラーはブラックのみの設定となっている

従来同様、ラゲージは防水タイプ。容量は2列シート車で先代の479Lを大きく上回る550Lとなる(VDA容量)。また3列シート車でも最大445Lを確保

従来同様、ラゲージは防水タイプ。容量は2列シート車で先代の479Lを大きく上回る550Lとなる(VDA容量)。また3列シート車でも最大445Lを確保

SPECIFICATIONS

グレード 20X 20X エマージェンシーブレーキ パッケージ 20X エマージェンシーブレーキ パッケージ エクストリーマーX
駆動方式 FF 4WD
トランスミッション CVT
全長×全幅×全高(mm) 4640×1820×1715 4670×1820×1715
ホイールベース(mm) 2705
車両重量(kg) 1440 1570 1580
乗車定員(人) 5 7
エンジン種類 直4DOHC
総排気量(cc) 1997
最高出力[kW(ps)rpm] 108(147)/6000
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 207(21.1)/4400
JC08モード燃費(km/L) 16.4 15.6 -
ガソリン種類/容量(L) レギュラー/60
車両本体価格(万円) 224.9 259.77 279.72
Tester/松本英雄 Photo/篠原晃一