クライスラー PTクルーザー 【プレイバック試乗記】
カテゴリー: クライスラーの試乗レポート
タグ:
2009/03/30
※この記事はカーセンサー関東版34号(2000年9月14日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです
ノスタルジックなデザインには“のんびり走らす”がよく似合う
↑スタートからの動きは素早く、低回転域のトルクの太さを体感することができる(左)ドアハンドル、バッジ、ホイールなどがクロームメッキで装飾されている(右)
クライスラーのPTクルーザーは、2000年時点でアメリカと日本で最も注目度の高かった車と言ってもよいだろう。アメリカでは納車半年待ち、日本でも2000年度の販売目標台数750台を売り切ってしまったほどだ。人気のポイントはなんといってもそのスタイリングにある。
1930年代のアメリカ車を思わせるレトロチックなデザインだが、車の作りのしっかり感は今までのアメリカ車とはレベルが違う。実はカッコだけの車ではないのだ。ボディサイズは大きく見えるが全長は4330mm、全幅は1725mm、全高も1600mmなので、ホンダCR-Vよりも小さい。エンジンは4気筒2L、141馬力。4速ATで、右ハンドル仕様になる。グレードはクラシックとリミテッドという、装備が違うだけの2グレードが設定されている。
リアシートやラゲージのアレンジが巧みで実用性も高い
↑ボディカラーと同色の塗装がインパネにも用いられているのがしゃれている(左)ラゲージルームのボードは高さを変えられるほか、このようにテーブルにもなる(右)
Dレンジにシフトして走り出す。スタートからの動きは素早く、アメリカンエンジンの特徴である低回転域のトルクの太さを体感できる。ただし、3000rpmあたりの加速力はややパンチ不足なもので、2Lエンジンの限界を感じてしまう。
スポーツセダンのようにキビキビと走る車ではなく、やはりのんびりと流しながら走るのがよく似合う車なのだ。コーナーでの操縦性も不安はないが、やはりスポーツ走行向きのサスセッティングではない。ただし、乗り心地はやや硬めだ。音に関しては、エンジン音が若干大きいのが気になるところだ。
感心するのは室内の質感。シートや内装のレベルは高く、リアシートやラゲージスペースのアレンジも巧み。スタイルだけでなく実用性も高い車といえよう。
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | クラシック |
駆動方式 | 2WD |
トランスミッション | 4AT |
全長×全幅×全高(mm) | 4330×1725×1600 |
ホイールベース(mm) | 2615 |
車両重量(kg) | 1450 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | 直4DOHC |
総排気量(cc) | 1996 |
最高出力[ps/rpm] | 141ps/5700rpm |
最大トルク[kg-m/rpm] | 19.2kg-m/4150rpm |
10・15モード燃費(km/L) | 9.6 |
ガソリン種類/容量(L) | 無鉛レギュラー/56 |
車両本体価格 | 230.0万円 |
石川真禧照の責任採点
コンセプト | 5点 | 取り回し | 3点 | 加速性能 | 3点 | ブレーキ性能 | 3点 |
フィニッシュ | 4点 | 操作系の使い勝手 | 3点 | 乗り心地 | 3点 | 環境対策 | 3点 |
前席居住性 | 4点 | ラゲージルーム | 4点 | 操縦安定性 | 3点 | 燃費 | 4点 |
後席居住性 | 4点 | パワー感 | 2点 | 高速安定性 | 3点 | ステータス | 4点 |
内装の質感 | 4点 | トルク感 | 2点 | しっかり感 | 4点 | コストパフォーマンス | 4点 |
得点合計 | 69/100 |
クライスラー PTクルーザー 【プレイバック試乗記】/試乗レポート