クライスラー ボイジャー/グランドボイジャー 【プレイバック試乗】
カテゴリー: クライスラーの試乗レポート
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2009/11/16
コンセプト
元祖ミニバンとして使い勝手、質、走りを洗練
クライスラーのミニバン、ボイジャーとロングホイールベースのグランドボイジャーは’97年4月から日本に導入された。アメリカ車だが当初から日本仕様は右ハンドル。そのおかげもあってか、今年初めまでに約7000台売れている。2001年モデルはフルモデルチェンジしての登場だ。スタイリングは旧型に近い。しかしボディサイズは全長65~80mm、全幅45mm、全高は5mm大きく、エンジンもパワー、トルクともアップしている。左右スライドドアをもつ形式は変わらない。
グレードはボイジャーがLXとLXプレミアムの2グレード。グランドボイジャーはリミテッドの1グレード。今回の発表は全車、前輪駆動だが、2002年にはグランドボイジャーに4輪駆動車が加わる。生産がオーストリアなのが珍しい。
室内&荷室空間
広い室内空間、豊富なアクセサリーが魅力
大きくなったボディだが、その理由は居住空間を拡大することが目的ではない。主に、乗員の頭部保護の安全基準を満たすために、ボディを大きくしたのだ。しかし、もともとボイジャー/グランドボイジャーの室内は広かった。3列シートの定員はフロント2名、セカンド2名、サード3名の計7名。サードシートの3名というのも決して狭くはない。ここが、全幅がたっぷりしているアメリカンミニバンらしいところだ。
もう一つの特色は、レジャーユースで便利なアクセサリーが豊富なこと。例えば小物入れ付きの棚や、脱着式のセカンドシートセンターコンソールボックスはとくに使い勝手が良い。さらにリモートコントロールで自動開閉可能なサイド&リアドアなど便利装備が満載だ。
ドライブフィール
コーナーもストレスを感じず、ブレーキの利きも確実で安心
馬力、トルクが各々14ps、0.3kg-mアップした3.3L V6エンジンは、国産とは逆の右側から生えるコラムシフト4速ATと組み合わされる。ボイジャーとグランドボイジャーの重量差は70kg。さすがにグランドボイジャーのスタートはちょっと遅め。試乗は2人乗車だったが、4~6 人乗車だとさらに厳しいハズ。
旧型に比べて走行時の室内騒音もかなり抑えられており、移動中の会話もストレスなくできる。2000~3000 回転のトルクがもう少し太いと、スポーティな走りが楽しめるに違いない。
やや重めの操舵力でのハンドリングは反力がやや強め。FF 車らしいハンドリング。コーナーでのロールは大きくならず、抑えが利いていた。ブレーキもリニアな制動力を発揮していた。
こんな人にオススメ
ボイジャー/グランドボイジャーの特徴は、やはりそのゆったりとしたボディサイズにある。アメリカンミニバンの楽しさは、この大きさと、アクセサリー類の使い勝手の良さにある。実用性志向が高く、遊び心ももっているファミリィにぜひ乗ってほしい一台だ。
SPECIFICATIONS
グレード | グランドボイジャー リミテッド |
駆動方式 | FF |
トランスミッション | 4AT |
全長×全幅×全高(mm) | 5120 x 1995 x 1755 |
ホイールベース(mm) | 3030 |
車両重量(kg) | 1960 |
乗車定員 | 7人 |
エンジン種類 | V型6気筒OHV12バルブ |
総排気量(cc) | 3300 |
最高出力 | 128kW(174ps)/5100rpm |
最大トルク | 278N・m(28.3kg-m)/4000rpm |
車両本体価格 | 422万円 |