全幅2m 車重2トンのボディに2Lエンジン?!

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日本では初登場となる2WDモデル。電動リフトゲートや3列目パワーフォールディングゲートは備わらないものの、リミテッド(530万円)同様に本革シートを採用
2011年にフルモデルチェンジを受けたエクスプローラーに、高効率エンジンを搭載したFWD(前輪駆動)モデルが追加された。グレード名はXLTエコブースト。搭載されるエンジンはフォードがグローバル展開する2L直列4気筒直噴ターボで、最高出力は243psを発揮する。

従来の4WDモデルと比べた場合、ボディサイズは全長5020mm×全幅2000mm×全高1805mmとまったく同じで、最小回転半径も5.8mと変わらず。ただし車両重量に関しては、エンジンと駆動形式の違いから100kg以上も軽量化が図られている。

装備は上級グレードのリミテッドに準じるところが多く、本革シートや前席パワーシートが標準となり、外板色に3コートのホワイトプラチナムが設定される。3列シートも標準で乗車定員は7名。10・15モード燃費8.1km/L。なお本年1月にエクスプローラーは全機種がエコカー補助金制度の対象車と認められた。

アメリカンSUVライフを身近に楽しむ優れモノ

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同社“グリーン・エンジン”の中核となる“エコブースト”を搭載。直噴や可変バルブタイミング機構にターボを組み合わせることなどにより、旧型の4Lと比べ最高出力を30psアップさせつつ燃費を25%向上させた
エクスプローラーの魅力は堂々としたエクステリアの迫力だ。モノコックボディの採用によりフロア高は低くなり乗降性は改善されているが、全幅2mというサイズはやはり圧倒的で、ドアのアームレストが遠く感じられるほど。室内はかなり広く、このゆったりさはミニバンにも匹敵する。エコブーストは軽くなったとはいえ2020kg。この大柄なボディに2Lという小さなエンジンの組み合わせ。「本当にちゃんと走るのかな」といういたずらっぽい疑念を抱きながら運転席に乗り込んだ。

だが実際に走り始めると軽快さに驚かされた。スタート時は右足に少し力を入れるだけでグイグイと発進を始める。高速道路でもその走りは力強く、直進安定性がしっかりと保たれている。100km/h巡航でエンジン回転数は2000rpmと静粛性も十分確保されていた。街乗りに関していえばFWDのデメリットはほぼ見当たらない。日本においてはSUV=4WDというイメージがまだ強いものの、北米においてはこのエクスプローラーにはデビュー時からFWD仕様が設定されており、今までに半数以上のカスタマーが積極的にFWD仕様を選んでいるとのこと。実用性を重んじるチョイスといえる。

エクスプローラーは「アメリカらしい大らかさを楽しみたい」というユーザーにぜひオススメしたい。この大きなボディでロングドライブを家族で楽しむ。走ってみれば3列目パッセンジャーも含めて皆が快適。レギュラーガソリン仕様でしかも燃費が改善されているので財布にも優しい。しかもインパネ中央にセットされたオーディオや空調をタッチ操作でコントロールできる集中制御モニター「マイ・フォード・タッチ」が未来的で新しさも味わえる。左ハンドルのみの設定ということも、アメリカ車を楽しむという目的にはピッタリだと思いますが、いかが?

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード XLTエコブースト
全長×全幅×全高(mm) 5020×2000×1805
車両重量(kg) 2020
エンジン種類 直4DOHCターボ
総排気量(cc) 1998
最高出力[ps/rpm] 243/5500
最大トルク[Nm/rpm] 366/3000
車両本体価格 444万円
Tester/堀江史朗  Photo/向後一宏