▲「みんなと同じものはイヤ!」というあまのじゃくさんだけでなく、アクティブに車を走らせたいCセグメント・ユーザーに広くオススメしたい新型フォーカス。エグゾースト音を適度に残しながら静粛性を高めた点にもフォードの車作りの思想が明確に表れている ▲「みんなと同じものはイヤ!」というあまのじゃくさんだけでなく、アクティブに車を走らせたいCセグメント・ユーザーに広くオススメしたい新型フォーカス。エグゾースト音を適度に残しながら静粛性を高めた点にもフォードの車作りの思想が明確に表れている

しなやかな“足”を得て好敵手たちに立ち向かう!

競合ひしめくCセグメント・ハッチバック市場にフォードが送り込むグローバルモデルがフォーカス。正直、日本ではそれほど見かけないけれど、1999年に初代がデビューして以来、世界的には高く評価されていて、現行の3世代目に生まれ変わった直後の2012年と2013年には「世界中で最もたくさん販売された単一車名のモデル」と第三者機関により認定されたほど。つまり、グローバルに見れば時にゴルフを打ち負かすほどのセールスを記録する人気モデルがフォーカスなのである。

その最大の魅力は、安定感を最優先にしたライバル車「ゴルフ」に対して、ワインディングロードを思いのままに走れるコントロール性の高さにあるというのが個人的な見解。ただし、デビュー当初の3代目はハンドリングにやや注力しすぎたきらいがあって、その分、乗り心地が犠牲になっているように感じられた。省燃費性が重視されるこのクラスで、日本向けにダウンサイジング・エンジンが設定されていないことも3代目フォーカスの弱点のひとつだった。

ところが、今回のビッグマイナーでそれらを完全に解消。ブッシュやダンパーの見直し、電動パワステの特性を変化させることで、初期の動き出しがぐっとスムーズな足回りに一変。それでいてダンパーやスプリングの設定に工夫を凝らしたらしく、ステアリングの正確さも全く失われていなかったのだ。

新開発の1.5Lターボは軽やかな加速感が印象的。トルクバンドが広いおかげで低速域の機敏さは従来型を確実にしのぐ。しかも、新たに組み合わされた6AT(従来モデルはDCT)は実にスムーズで、全体的な商品性は明らかに初期型より上。日本でのセールス拡大に期待がかかる仕上がりだった。

▲パワードームをはじめ、よりスポーティなスタイルに。国内仕様では専用ボディキット&リアスポイラーが標準となる ▲パワードームをはじめ、よりスポーティなスタイルに。国内仕様では専用ボディキット&リアスポイラーが標準となる
▲スイッチの数を減らし、より直感的な操作を可能とした。収納スペースの利便性も向上 ▲スイッチの数を減らし、より直感的な操作を可能とした。収納スペースの利便性も向上
▲カーペットやガラスを厚くし静粛性を向上させた。アクティブシティストップなど先進の安全装備も充実 ▲カーペットやガラスを厚くし静粛性を向上させた。アクティブシティストップなど先進の安全装備も充実

【SPECIFICATIONS】
■グレード:Sport EcoBoost ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHCターボ ■総排気量:1497cc
■最高出力:180/6000[ps/rpm]
■最大トルク:240/1600-5000[N・m/rpm]
■駆動方式:FF ■トランスミッション:6AT
■全長×全幅×全高:4385×1810×1470(mm) ■ホイールベース:2650mm
■車両重量:1420kg

text/大谷達也 photo/フォード・ジャパン・リミテッド