ついに本格的乗用SUVに!

  • フォード エクスプローラー走り|ニューモデル試乗
  • フォード エクスプローラーラゲージ|ニューモデル試乗
↑ラゲージスペースは通常で595L、2列目まで倒すと2285Lの大容量を誇る。荷室左右には3列目のシートアレンジを電動で行ってくれるスイッチが備わっている
1990年デビュー以来、全世界で600万台以上もの販売台数を誇るフォードの屋台骨がついにフルモデルチェンジ。競合ひしめくSUVマーケットに対して「パイオニア」としての存在感を新たにした。

メカニズム面での大きな変更はユニボディ(モノコック)の採用。いまや商用車にしか使われなくなったボディ・オン・フレーム構造から脱皮して軽量化と高剛性を獲得した。エンジンはV型6気筒 3.5Lにダウンサイズ。ただし最高出力は294psと従来のV8同等のパワーをキープ。燃費面でも効果的で減速時に燃料供給を遮断するシステムと相まって大きな改善が図られた。

エクステリアは全幅2000mmまで大型化。ただしエッジの取れたボディだけに取り回しに気を使わない。インテリアは広がり感のある斬新なパッケージに変更。きちんと使える7人乗り仕様はうれしい。
  • フォード エクスプローラーセンターコンソール|ニューモデル試乗
  • フォード エクスプローラーインパネ|ニューモデル試乗
↑スピードメーターの左右には4.2インチディスプレイを配置。左側にタコメーターや燃料計などを表示。右側にはオーディオ等に加え、コンパスも表示可能(左) センターコ ンソール上部にはスマートフォン感覚で使える8インチタッチパネルを採用。ステアリングのコントロールスイッチや英語音声操作機能により操作性を高めた(右)

アメ車らしさに走りのクオリティがプラス

第一印象は「デカい!」である。台形フォルムのフロントマスクに、筋肉質で張りのあるボディが圧倒的な迫力を醸し出している。最近のSUVがややコンパクトな方向に戻っていく中、このエクステ リアはアメリカンSUVの面目躍如とも言える。

ドライバーズシートに収まったときの印象もほぼ同じ。マルチデバイスコントローラーを含む水平基調のインパネが広さを演出。事実ドアアームレストとは「腕を置くには遠い」ほどの距離感がある。

しかしボディがデカいから走りは鈍重かと思えば、それはまったく逆。エンジンは軽快でパワー感も十分。速度超過でカーブに進入したときの制御機構や、車両の動きを監視して安定感を保つ安全装備もあり、峠道での乗り心地も悪くなかった。また3列目シートの電動カラクリ格納システムは見事。リミテッドで530万円は買い得だ。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード リミテッド
全長×全幅×全高(mm) 5020×2000×1805
車両重量(kg) 2170
エンジン種類 V6 DOHC
総排気量(cc) 3495
最高出力[ps/rpm] 294/6500
最大トルク[Nm/rpm] 345/4000
車両本体価格 530万円
Tester/堀江史朗 Photo/向後一宏