家族使いもOKな、でも実は超一級「ハンドリング4駆」

  • フォード クーガ 走り|ニューモデル試乗
  • フォード クーガ インパネ|ニューモデル試乗
↑上級仕様は18インチアルミとパノラミックルーフを標準装備(左) 台形を基調としたシンプルなインパネ回り(右)
2年前だったか3年前だったか、群馬サイクルスポーツセンターのワインディングロードでインプレッサのSTI創立20周年記念バージョンというのに乗ったのよ。いやもーカンゲキしたのなんの。DCCD=ドライバーコントロールセンターデフをいっちばんカタく締めてもキンキン曲がるし、逆にユルめといてもフラッとは曲がらないしで、「ヨンクのハンドリングマシンてのはこういうものか!」だった。ヤリまくった。いわゆる一体感ての? ありまくってた。フツーのインプレッサとはまるで別モノ。

クーガに乗って、そのときのことを思い出した。フツーのハッチバック型と比べたら全高も重心高もズイッと高いし車重もドカッとリッパな車だから、あれと比べたらだいぶおっとりはしている。たぶん。ヨンクっつったって、SUVとモノスペースのクロスオーバーみたいな車だから。でも芯のとこは同じ。すげーコイツ。だって、20周年記念バージョンはSTIのタツミさんのワザものだけど、クーガは素ノーマル。
  • フォード クーガ エンジン|ニューモデル試乗
  • フォード クーガ ラゲージ|ニューモデル試乗
↑2.5Lの直5ターボにMT操作可能な5ATを設定(左) 後部ゲートは2ウェイ式。荷室は最大1355Lを確保する(右)

高い操縦安定性が魅力

ただしというか、クーガのスゴさを体験するのにワザワザ山いく必要はない。ディーラーの近所のそこらをチョロッと走らせるだけでたぶん誰でもすぐわかる。コツは、道がどうなってても(真っすぐだろうと曲がってようと平らだろうと荒れてようと)ナンとしても車線の真ん中をスイーッとキレーに走らせようと思って運転すること。と、「こんなに簡単にできちゃう車、ないでしょ!」というのが一目瞭然。いやホント、このステアリング(ステアリングホイールじゃないよ)だけでもモトとれる。

ゴルフ級ではちょっとモノ足りない人のためのファミリーカーとしてもクーガはちゃんとできている。空間とかシートとか乗り心地とか。あと、値段もビッとコンペティティブ(ドドンと5気筒2.5Lターボでさらにヨンクなのに安いほうは335万円しかしない)。ということで買うしかないでしょ。大排気量ターボだけあってエンジン性能ガツッと速いし。オートマちゃんと5段だし。

気になる燃費。俺が試したところ、ハイウェイをおとなしーく流してリッター12kmちょい。都内だと同じく7kmちょい。いずれもメーター上。ハイオク指定。高速道は及第かなーとしても、街中での落ち込みぶりが今のパワートレインとしては大きめか。要は、ノンビリ巡航中以外のときもトルコンもっと締めんとイカン。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード タイタニウム
全長×全幅×全高(mm) 4445×1850×1715
車両重量(kg) 1670
エンジン種類 2.5L直5DOHC+ターボ
総排気量(cc) 2521
最高出力[ps/rpm] 200ps/6000rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 32.6㎏-m/1600~4000rpm
車両本体価格 335万~378万円
Tester/森 慶太 Photo/向後一宏