シトロエン DS4|ニューモデル試乗

6ATのDS4は乗りやすく、視界が良好で、デザインも抜群だから、ファッション感度の高い女性にこそお勧めしたいモデルだ

ついに登場した「DS4の完成形」

デザイン抜群、乗り心地良好

見れば見るほど、よくできたデザインだと思う。通常、これだけ入り組んだデザインにすると、テーマがぼやけたり、ときには美しく見えなくなったりするけれど、シトロエン DS4は違う。たくさんのラインが幾重にも重なっていくなかで1つの絵が浮かび上がり、明瞭なコンセプトが伝わってくる。DSラインのデザイナー陣は、相当の切れ者に違いない。

走らせたときの印象も、かなりいい。フランス車のボディ剛性が低いなんて、いまや昔の話。DS4だったら、まずボディシェルがあって、次にサスペンションがあって、そのさらに先にタイヤがあることまで、ドライバーはしっかり感じ取ることができる。

また、アイポイントは高めなのにロール剛性の設定が巧妙なため、コーナーでグラリと傾くこともないし、それでいて乗り心地は良好。さらにエンジンはBMWと共同開発した1.6Lターボなんだから悪いはずがない。

AT仕様で不満を解消

ただし、これまではロボタイズドMTタイプのギアボックスが、ちょっとダメだった。シフトが遅かったり、ギクシャクすることがあって、「トルコン」に馴染んだ層にはなかなか受け入れてもらえなかったようだ。

ところが、新たに6AT仕様が加わったことで不満は完璧に解消。これで、走りがよくて、デザインが粋で、しかも実用的なフランス製クロスオーバーが完成した。

そうなると310万円からという価格がいっそう魅力的に思えてくる。

これだったら日本製クロスオーバーの強力な対抗馬になっても不思議ではない。

内外装はセミATである6EGSのChicとほぼ同じ。価格は1万円高となる

内外装はセミATである6EGSのChicとほぼ同じ。価格は1万円高となる

上級モデルのDS5にも搭載されるアイシンAWと共同開発された6ATを採用

上級モデルのDS5にも搭載されるアイシンAWと共同開発された6ATを採用

オプションでツートーンレザーシート(25万円)と、新色ハバナのクラブレザーシート(37万円)を用意

オプションでツートーンレザーシート(25万円)と、新色ハバナのクラブレザーシート(37万円)を用意

SPECIFICATIONS

グレード Chic
駆動方式 FF
トランスミッション 6AT
全長×全幅×全高(mm) 4275×1810×1535
ホイールベース(mm) 2610
車両重量(kg) 1380
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4DOHCターボ
総排気量(cc) 1598
最高出力[ps/rpm] 162/6000
最大トルク[N・m/rpm] 240/1400
車両本体価格(万円) 310
Tester/大谷達也 Photo/向後一宏