BMW 523d ブルーパフォーマンス (菊谷聡)【ニューモデル試乗】
カテゴリー: BMWの試乗レポート
2013/02/27
523dに搭載されるエンジンは320dと同じN47D20C型。最高出力、最大トルクといったスペックも共通。JC08モード燃費ではセダン、ツーリングともに16.6km/lという好数値を誇る。移動のほとんどが車で、数百kmの高速移動もこなす人に強くオススメしたい
ディーゼルでも「エンジンのBMW」を感じさせる
欲しい車の条件でたどり着く1台
欲しいな、と思う新車が3台ある。そのなかの1台がBMW523dツーリングだ。
大型犬を飼い始めてからステーションワゴンを乗り継いできたが、選ぶ基準は「大型犬用のケージが積めるラゲージルームをもち、長距離を一気に走っても疲れにくく、運動神経のよさそうなオーラを放っていること」だった。過去形を用いたのは、その条件に「低燃費」と「コストパフォーマンスの高さ」が加わったからだ。そんな観点で取捨選択をしていくと、523dツーリングにたどり着く。
523dに搭載されるエンジンは320dと同じN47D20C型。最高出力、最大トルクといったスペックも共通。JC08モード燃費ではセダン、ツーリングともに16.6km/lという好数値を誇る。
走って楽しい「さすがBMW」
実際に走らせてみると、「さすがBMW」とうならされる。単にトルクフルとか燃費がいいとかいう評価だけではなく、アクセル操作に呼応する様子や吹け上がりに伴うサウンドなど、まさにBMWがこだわり抜いてきたエンジンの性質をもっているのだ。走っていてじつに楽しい。320dよりも200kg以上重いのだが(セダン比)、それを感じさせない軽快感がある。
とどめはお買い得プライス。セダンは633万円。ツーリングは663万円。ActiveHybrid5(850万円)と比べたら笑われるかもしれないが、燃費データでは523dが大きく上回り、かつ車両本体価格では200万円以上もリーズナブル。ガソリンエンジンを搭載する523iとの価格差もごくわずかとなれば、523dがいかに戦略的な価格設定であるかがうかがえる。
唯一気になるのは、やはりエンジン音。上質なコックピットでは、精密な機械を感じさせる振動のない静かな空間を期待してしまう。走り出すまでの一瞬とはいえ、カラカラ音が聞こえると、生活臭にも似た感覚がよぎる。
SPECIFICATIONS
グレード | 523d BluePerformance | ||
駆動方式 | FR | ||
トランスミッション | 8AT | ||
全長×全幅×全高(mm) | 4910×1860×1475 | ||
ホイールベース(mm) | 2970 | ||
車両重量(kg) | 1760 | ||
乗車定員(人) | 5 | ||
エンジン種類 | 直4DOHCターボ | ||
総排気量(cc) | 1995 | ||
最高出力[ps/rpm] | 184/4000 | ||
最大トルク[N・m/rpm] | 380/1750-2750 | ||
車両本体価格(万円) | 633 |
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