レトロデザインと実用性の合致

  • フォルクスワーゲン ザ・ビートル 走り|ニューモデル試乗
  • フォルクスワーゲン ザ・ビートル リアスタイル|ニューモデル試乗
旧型(1.6L プレミアムエディション)と比べ出力を3psアップさせつつ、燃費は48%向上している。ボディカラーは6色が用意された
1998年発売(日本上陸は1999年)の元祖リバイバルカー、ニュービートルの14年ぶりのフルモデルチェンジ版。当時はゴルフⅣベースだったが、今回はゴルフⅥベースへと大幅進化した。

ボディサイズは140㎜長く、80㎜広く、5㎜低くなり、よりワイド&ローになっている。パワートレインもVWの最新ダウンサイジングユニット直噴1.2L直4ターボのTSIエンジン+7速DSGを搭載。10・15モードは17.2㎞/Lと環境性能も素晴らしく、エコカー減税も50%。

だが、一番のポイントはデザインの変貌だろう。旧型は初代ビートルを極端にアイコン化した幾何学的なものだったが、今回は全長を延ばした上にルーフを長くし、より1930年代生まれの初代に近くなった。同時にリアシートが広くなり、ラゲージも214Lから310Lへ。ファッションカーを卒業し、クルマ好き男性も満足させる本格派へ進化した。

絶賛? それともちょい残念!?

  •  フォルクスワーゲン ザ・ビートル インパネ|ニューモデル試乗
  • フォルクスワーゲン ザ・ビートル シート|ニューモデル試乗
レザーパッケージ仕様を先行導入。レザーシートに加え、パドルシフトも付いたレザーステアリングやシートヒーターなどを備える
結構複雑な思いだ。というのも俺は、前のニュービートルのディズニーランドデザインが大好きだった。まさしく走るオモチャで、初代ビートルが持っていた兵器っぽさが見事にポップに昇華した感じすらした。見方によってはデザインは後退だ。

しかし、乗ると完全に進化。リアは176㎝の俺がフロントに乗ったポジションでもそれなりに乗れ、頭回りの広さったらない。トランクも今回は全然日常的に使えるし、なんと言っても走り。以前のステアリングを切ったら1秒遅れでノーズが動くようなブカブカ感は皆無で、105psのポロ用1.2L直4ターボ+7速DSGのシャッキリした高効率の走りったらない。乗り心地はゴルフⅥベースなことを考えると予想以上に硬い。が、その分スポーティ。

乗ると理想の新世代ビートル・・・、見てくれは初代に近づいたという人もいるが賛否両論? それとも絶賛か!?

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード The Beetle Design Leather Package
全長×全幅×全高(mm) 4270×1815×1495
車両重量(kg) 1280
エンジン種類 直4DOHCターボ
総排気量(cc) 1197
最高出力[ps/rpm] 105/5000
最大トルク[Nm/rpm] 175/1500-4100
車両本体価格 303万円
Tester/小沢コージ  Photo/向後一宏