【試乗】新型 トヨタ スープラ|3グレード一気乗りで分かったオススメは「SZ-R」
2019/07/04
3グレードすべてを乗り比べ
昨年の12月にスープラプロトタイプをサーキットで試乗し、そのポテンシャルの高さを感じずにいられなかった。
しかし、試乗したのは6気筒モデルの最もパフォーマンスが高いモデルであったことと、プラットフォームを共有するBMW Z4に比べると、しなやかではあるがあともう少しそのしなやかさがあればさらに上質になるのではとエンジニアと話をした。
あれからおよそ半年が経過して、市販モデルのスープラを試乗することができたのでお伝えしたい。
試乗したのはプロトタイプでサーキット試乗した「RZ」、そして4気筒モデルの「SZ–R」と「SZ」だ。
まず我々の最初の試乗はトップレンジの「RZ」からである。
修善寺のタイトな山間部をひたすら走り込んだ。
サーキットでは分からない、一般道の不特定多数の路面状況でのセッティングを見たかったからだ。
エンジンを始動すると直列6気筒のハーモニックな音色が、ドライバーと同乗者を高ぶらせてくれる。
作り込みはトヨタの冠が掲げられたモデルの中で、センチュリーを除いて最も精度の高い技術力のあるプレスラインを使い、ハイクオリティのマテリアルをあしらえた内装のスポーツカーである。
出力だけではない、緻密さをまとった「RZ」
ゆっくりと発進して一般道を走る。
6気筒ユニットを搭載しているにも関わらず、軽快なノーズでターンインを繰り返す。
モノブロックのアルミキャリパーの剛性感も抜群だ。
特にペダルの剛性の高さは国産車では見られないほどカチッとしており、信頼のできる作りになっている。
8速ATはキレが良く、細かな制御で心地よいサウンドとパワーバンドに確実に捉えている。
こういったシフトのポジショニング制御にBMWのノウハウが入っていることは、即座に理解できる。
ステアリングのフィーリングはしっとり重めで、コーナリング中に路面からの入力に対してもドライバーへ確実なアシストを教えてくれる。
轍の多い道でのブレーキングも、ステアリングホイールが取られることはない。
アライメント変化が少ないが、状態を維持しつつせめぎ合いのセッティングでのゴムブッシュのチューニングを行っているのだ。
カーブ途中の凸凹した路面でも、極めて懐の深いサスペンションが車体の挙動を最小限にする。
ドライバーは目先の挙動に臆することなく先を見てドライビングができる。
直列6気筒ツインスクロールターボチャージャーは、NAの6気筒をトルク重視にチューニングしたかのような滑らかでリニアな出力が特徴だ。
340馬力を受け止めるシャシーは盤石で、コーナーからの脱出でトラクションを失ってもバイブレーションを感じさせないソリッドさがある。
だからこそ緻密なコントロールができるのだ。
リアデフの制御は、サーキット試乗でも感じたが一般道ではより顕著に感じられる。
高速道路でも安定した乗り心地と、どこから踏んでも期待以上のパフォーマンスを得ることができる。
6気筒モデルの「RZ」は万能なグレードなのだ。
バランスの良さを感じさせる「SZーR」
続いて「SZーR」という4気筒モデルの試乗だ。
4気筒といってもそのフィーリングは、国産モデルにはない厚みのある出力が特徴だ。
強固なブロックとターボチャージャーの組み合わせが燃焼を均一にし、エンジン音も4気筒とは思えないほど心地よいバランスで重厚感がある。
タイトな上り坂のワインディングが続く山道でも、パワー不足は全く感じない。
しかし、SZーRの最も性能が感じられるのは下り坂だ。
軽快なハンドリングは、ノーズが軽い4気筒ならではの特徴がすぐさま理解できる。
専用にチューニングされたダイレクトで小気味良い8速ATと、18インチのタイヤとホイールにマッチしたサスペンションセッティングによって、3グレードの中で最も山道を楽しんでドライビングできる。
エンジンの出力うんぬんよりも、バランスの取れたパフォーマンスではこちらに軍配が上がる。
マイルドな乗り味の「SZ」
最後にドライビングした「SZ」は、このスープラのスタイリングが好きな人にはもってこいのグレードだ。
出力は200馬力に届かないが、普通に乗るのであれば申し分のないパフォーマンスだ。
ATとの制御もスムーズで乗りやすさが重視されている。
こちらも同じような山間部を走ったが、タイヤのダンピングが収束できないことでダンパー自体の収束も遅くなり、上のグレードに比べるとマイルドなセッティングではある。
それでもボディ剛性はトヨタ車の中ではピカイチで、品質の良さも他にはないものを感じさせる。
パフォーマンスやクオリティなどを鑑みて総合的に判断すると、6気筒モデルの価格はかなり頑張った価値ある690万円であると思う。
【試乗車 諸元・スペック表】
●RZ
型式 | 3BA-DB42 | 最小回転半径 | 5.2m |
---|---|---|---|
駆動方式 | FR | 全長×全幅×全高 | 4.38m×1.87m×1.29m |
ドア数 | 3 | ホイールベース | 2.47m |
ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.6m/1.59m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 0.97m×1.46m×1.06m |
4WS | - | 車両重量 | 1520kg |
シート列数 | 1 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 2名 | 車両総重量 | 1630kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.11m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
ホワイトメタリック、シルバーメタリック、アイスグレーメタリック、ブラックメタリック、プロミネンスレッド、ディープブルーメタリック |
||
オプション色 |
ライトニングイエロー、マットストームグレーメタリック |
||
掲載コメント |
- |
型式 | 3BA-DB42 |
---|---|
駆動方式 | FR |
ドア数 | 3 |
ミッション | 8AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | ホワイトメタリック、シルバーメタリック、アイスグレーメタリック、ブラックメタリック、プロミネンスレッド、ディープブルーメタリック |
オプション色 | ライトニングイエロー、マットストームグレーメタリック |
シート列数 | 1 |
乗車定員 | 2名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 5.2m |
全長×全幅× 全高 |
4.38m×1.87m×1.29m |
ホイール ベース |
2.47m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.6m/1.59m |
室内(全長×全幅×全高) | 0.97m×1.46m×1.06m |
車両重量 | 1520kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | 1630kg |
最低地上高 | 0.11m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | B58 | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | 直列6気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 52リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
総排気量 | 2997cc | 燃費(WLTCモード) | 12.2km/L └市街地:8.3km/L └郊外:12.9km/L └高速:14.7km/L |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 340ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
500(51)/4500 |
エンジン型式 | B58 |
---|---|
種類 | 直列6気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 2997cc |
最高出力 | 340ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
500(51)/4500 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | ハイオク |
燃料タンク容量 | 52リットル |
燃費(10.15モード) | -km/L |
燃費(WLTCモード) | 12.2km/L └市街地:8.3km/L └郊外: 12.9km/L └高速: 14.7km/L |
燃費基準達成 | - |
●SZ-R
型式 | 3BA-DB22 | 最小回転半径 | 5.2m |
---|---|---|---|
駆動方式 | FR | 全長×全幅×全高 | 4.38m×1.87m×1.3m |
ドア数 | 3 | ホイールベース | 2.47m |
ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.6m/1.59m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 0.97m×1.46m×1.06m |
4WS | - | 車両重量 | 1450kg |
シート列数 | 1 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 2名 | 車両総重量 | 1560kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.12m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
ホワイトメタリック、シルバーメタリック、アイスグレーメタリック、ブラックメタリック、プロミネンスレッド、ディープブルーメタリック |
||
オプション色 |
ライトニングイエロー |
||
掲載コメント |
- |
型式 | 3BA-DB22 |
---|---|
駆動方式 | FR |
ドア数 | 3 |
ミッション | 8AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | ホワイトメタリック、シルバーメタリック、アイスグレーメタリック、ブラックメタリック、プロミネンスレッド、ディープブルーメタリック |
オプション色 | ライトニングイエロー |
シート列数 | 1 |
乗車定員 | 2名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 5.2m |
全長×全幅× 全高 |
4.38m×1.87m×1.3m |
ホイール ベース |
2.47m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.6m/1.59m |
室内(全長×全幅×全高) | 0.97m×1.46m×1.06m |
車両重量 | 1450kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | 1560kg |
最低地上高 | 0.12m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | B48 | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 52リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
総排気量 | 1998cc | 燃費(WLTCモード) | 12.7km/L └市街地:9.2km/L └郊外:13.1km/L └高速:14.7km/L |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 258ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
400(40.8)/4400 |
エンジン型式 | B48 |
---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 1998cc |
最高出力 | 258ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
400(40.8)/4400 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | ハイオク |
燃料タンク容量 | 52リットル |
燃費(10.15モード) | -km/L |
燃費(WLTCモード) | 12.7km/L └市街地:9.2km/L └郊外: 13.1km/L └高速: 14.7km/L |
燃費基準達成 | - |
エンジン型式 | B48 |
---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 1998cc |
最高出力 | 258ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
400(40.8)/4400 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | ハイオク |
燃料タンク容量 | 52リットル |
燃費(10.15モード) | -km/L |
燃費(WLTCモード) | 12.7km/L └市街地:9.2km/L └郊外: 13.1km/L └高速: 14.7km/L |
燃費基準達成 | - |
●SZ
型式 | 3BA-DB82 | 最小回転半径 | 5.2m |
---|---|---|---|
駆動方式 | FR | 全長×全幅×全高 | 4.38m×1.87m×1.3m |
ドア数 | 3 | ホイールベース | 2.47m |
ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.61m/1.62m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 0.97m×1.46m×1.06m |
4WS | - | 車両重量 | 1410kg |
シート列数 | 1 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 2名 | 車両総重量 | 1520kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.12m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
ホワイトメタリック、シルバーメタリック、アイスグレーメタリック、ブラックメタリック、プロミネンスレッド |
||
オプション色 |
- |
||
掲載コメント |
- |
型式 | 3BA-DB82 |
---|---|
駆動方式 | FR |
ドア数 | 3 |
ミッション | 8AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | ホワイトメタリック、シルバーメタリック、アイスグレーメタリック、ブラックメタリック、プロミネンスレッド |
オプション色 | - |
シート列数 | 1 |
乗車定員 | 2名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 5.2m |
全長×全幅× 全高 |
4.38m×1.87m×1.3m |
ホイール ベース |
2.47m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.61m/1.62m |
室内(全長×全幅×全高) | 0.97m×1.46m×1.06m |
車両重量 | 1410kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | 1520kg |
最低地上高 | 0.12m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | B48 | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 52リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
総排気量 | 1998cc | 燃費(WLTCモード) | 13.1km/L └市街地:9.5km/L └郊外:13.6km/L └高速:15.1km/L |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 197ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
320(32.7)/4200 |
エンジン型式 | B48 |
---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 1998cc |
最高出力 | 197ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
320(32.7)/4200 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | ハイオク |
燃料タンク容量 | 52リットル |
燃費(10.15モード) | -km/L |
燃費(WLTCモード) | 13.1km/L └市街地:9.5km/L └郊外: 13.6km/L └高速: 15.1km/L |
燃費基準達成 | - |
自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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