菅生. ポルシェ ジャパン株式会社(本社:東京都目黒区 代表取締役社長:七五三木 敏幸)は、KTRおよびエクセレンスインターナショナルと共にPorsche Team KTRとして参戦している2015年のスーパーGT GT300クラス第6戦(スポーツランド菅生)の決勝において、最後尾スタートからポジションを10上げ、17位でフィニッシュしました。

トラブルにより土曜日の練習走行と予選をまったく走ることができなかったカーナンバー33 Excellence Porscheだったが、決勝日午前中のフリー走行を順調に消化。大掛かりなセッティング変更こそ行う余裕こそないものの、GT300クラス11位という予想以上のタイムで走行を終え、無事に決勝進出を認められることになった。
外気温27°C、路面温度30°C、快晴という素晴らしいコンディションで14時にスタートが切られた決勝レースでも、スターティングドライバーの坂本選手がコンスタントにラップタイムを刻みながらポジションを上げていった。最初のピットストップは81Lapで行われるレースのちょうど折り返し点の予定だったが、トップが26Lap目を走行中にGT500クラスの車両がバックストレートで大規模なクラッシュを演じたことによって、レースは急激に波乱の展開となった。セーフティカー走行中ピットロードは封鎖されているが、クラッシュ車両の回収作業が進められる間にセカンドドライバーがフィニッシャまで走りきれる周回数をクリアしたため、ピットロードが開放されるとともに40台近いマシーンのほとんどが雪崩をうってピットへ向かったのだ。
いくら制限速度50km/hとはいえ、間隔が十分とはいえないスポーツランド菅生のピットレーンに40台が本来の形で止まるスペースはない。隣接するピットとスムーズな作業をすべく斜めに止める車両が多数ある一方で、我関せずと通常のピットインをするチームもあり、その一方でピット出口はさらなる混乱をきたし、最後にはピットロードエンド付近の車両が止めるスペースを失って走行レーンを塞いでしまい、10台以上の車両がコースインできないまま数十秒をいたずらに失うことになったのだ。
Excellence Porscheの911GT3Rもその「出口渋滞」にはまった1台であった。右高速コーナーが多いこのコースの特性から、ピットストップ時にドライバーチェンジと給油、そして左前後タイヤのみ交換し、右側タイヤは無交換のままコースへ復帰させる戦略のメリットはそこで消え失せ、セカンドスティントを担当する山下選手は、後方から襲い掛かるGT500クラスの車両にレコードラインを譲りながらGT300クラスの車両を1台ずつオーバーテイクしていくという、スーパーGTならではの難しい作業に取り組むことになった。
今年からスーパーGTの活動を開始した山下選手だが、チームの期待に応えて着実に失地を挽回していった。レース距離を無交換のまま走りきる右タイヤを気遣いながらひとつずつポジションを上げていく姿は911GT3Rの持つポテンシャルを生かしたもので、特に低中速コーナーから立ち上がる瞬間の素早いレスポンスは、傍目にも戦闘力の高さを窺わせるものであった。チェッカードフラッグが振られる直前、1分22秒571のベストラップを記録した点から見てもタイヤのポテンシャルはまだ残されていたはずで、シーズン終盤戦へ向けてマシーン、タイヤともに正しい方向へ進化していることを証明することにもなった。
結果的には17位と、ポイント獲得にはまたしても手が届かなかったものの、ドライバーだけでなくチーム監督もエンジニアも「次につながるレースだった」と満足げに語る姿から、もしあの時ピットストップのタイミングを2ラップ遅らせていれば、という後向きの言葉が発せられることは一度もなかった。
次のスーパーGTレース 第7戦は、11月1日に九州オートポリスで決勝レースが行われる予定になっている。


スーパーGT GT300クラス 2015年 第6戦 スポーツランド菅生 結果

1位 カーNo.25 VivaC 86 MC                    75 Lap
2位 カーNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT            75 Lap
3位 カーNo.11 GAINER TANAX SLS              75 Lap



17位 カーNo.33 Porsche Team KTR (Excellence Porsche)  74 Lap