ホンダ フィット▲対象は65歳以上。歩行者も対象とした衝突被害軽減ブレーキと、ペダルの踏み間違いによる事故を防ぐ機能も備わっていると補助金額がアップする。今回は対象となるハイブリッドカーを紹介

65歳以上の先進安全機能付き車購入を支援する「サポカー補助金制度」

新車・中古車問わず、65歳以上の人が先進安全機能付きの車を買うと補助金がもらえる「サポカー補助金制度」。

高齢者が運転する車の事故の増加を受け、政府は65歳以上のドライバーが先進安全機能付きの車を購入すると、補助金を受け取れるという「サポカー補助金制度」を設け、補助金の申請を今年3月9日からスタートした。

対象となる車は次の2つの機能の機能を備えた車だ。

i)対歩行者の衝突被害軽減ブレーキ
ii)ペダル踏み間違い急発進抑制装置


i)とii)両方を搭載する車であれば、購入後に申請すると新車の場合10万円(普通乗用車)または7万円(軽自動車)、中古車なら4万円が受け取れる。i)のみの場合は、新車で6万円(普通乗用車)または3万円(軽自動車)、中古車なら2万円だ。

制度や対象となる車やグレードなどは、下記から確認できる。例えば衝突被害軽減ブレーキが付いているだけでなく、その対象が「歩行者」まで含んでいるかで補助金の対象かどうかが分かれる。

●制度の内容
 

 

●対象となる車種や装置の詳細
 

 

65歳以上の人はもちろん、「離れて暮らす親の運転が心配」という65歳以上の両親をもつ人にとっても“使える”制度ではないだろうか。

「こんなおトクな制度があるから、買い替えたら?」と、話を切り出しやすいはずだ。

そんなサポカー補助金を受け取れる中古車の中から、今回はi)を搭載し、ii)を標準またはオプションで用意しているハイブリッドカーをピックアップ。さらに支払総額150万円以下で20台以上見つかるモデルに絞った。

つまり150万円で買っても2万、または4万円キャッシュバックが受けられる中古車ということだ。

ポイントは、衝突被害軽減ブレーキの検知対象が「歩行者」を含むことと、現行型でもちょっと前のモデルだと歩行者が対象外だったりする。

そのため、例えば同じ2018年式の同じグレードでも、補助金の対象/対象外と分かれることがある。また、標準装備を省くオプション(レスオプション)などもあるので、サポカー補助金の対象車かどうか、必ず購入時に販売店に確認するようにしよう。
 

37.0km/Lの低燃費を誇るハイブリッド専用モデル
トヨタ アクア(現行型)

トヨタ アクア▲2018年4月の一部改良の際、同時に設定された特別仕様車「Sスタイルブラック」(写真)は「トヨタセーフティセンス」と「インテリジェントックリアランスソナー」を装着した補助金対象車
トヨタ アクア▲横に広がるセンターメーターには速度や燃料計はもちろん、低燃費運転になるアクセルワークができているかがわかるハイブリッドシステムインジケーターや、平均燃費などが表示される。Sスタイルブックはブラックを基調としたインテリアになる

当時の世界トップとなる35.4km/L(JC08モード)という低燃費をひっさげて2011年に登場した、トヨタ アクア。2013年には37.0km/Lまで低燃費になった、コンパクトなハイブリッド専用モデルだ。

安全装備面では2015年11月に、レーザー+単眼カメラを使う「トヨタセーフティセンスC」を一部グレードに標準装備、他グレードにオプション設定した。ただし歩行者は検知対象外なので、サポカー補助金の対象とはならない。

昼間の歩行者も検知対象とした「トヨタセーフティセンス」にバージョンアップしたのは、2018年4月だ。Gとクロスオーバーに標準で備わり、他グレードにオプション設定された。この「トヨタセーフティセンス」装着車がi)の補助金対象車となる。

また、この時同時に誤発進抑制機能(ブレーキ機能付きインテリジェントクリアランスソナー)が全車にオプションで用意されたので、これを装着していればii)も対象となり、補助金額が4万円になる。

整理すると補助金対象は下記のようになる

・i)とii)両方を標準装備
Sグランパー、クロスオーバーグラム、Sスタイルブラック

・i)を標準装備、ii)をオプション設定
クロスオーバー、Gソフトレザーセレクション、G、リルヴィーG

・i)とii)両方をオプション設定
S、L、リルヴィーS

※すべて福祉車両を除く

i)とii)両方を標準装備するSスタイルブックの新車時の車両本体価格は197万9640円。

原稿執筆時点でi)とii)両方を標準装備するSグランパー、クロスオーバーグラム、Sスタイルブラックを検索すると、361台見つかった。

そのうち支払総額150万円で狙えるのは120台以上あり、そのほとんどがSスタイルブラックだ。また、i)を標準装備、ii)をオプション設定しているモデルを含めると、計200台近くが見つかる。
 

▼検索条件

トヨタ アクア(現行型)×総額150万円以内×サポカー補助金対象車×全国

4万円キャッシュバック対象の特別仕様車が狙い目
トヨタ ヴィッツ(3代目)

トヨタ ヴィッツ▲2018年5月の一部改良の際、同時に設定された特別仕様車「FセーフティエディションII」(写真)は「トヨタセーフティセンス」と「インテリジェントクリアランスソナー」どちらも装備する補助金対象車
トヨタ ヴィッツ▲2018年12月に登場した「FセーフティエディションIII」もIIと同様、i)とii)をクリアする補助金対象車。IIIはLEDヘッドランプや、上質感を高めたインテリアが採用されている

世界約80ヵ国で販売されていた世界戦略車のトヨタ ヴィッツ。2010年にデビューした際は1L、1.3L、1.5Lのガソリン車のみだったが、2017年1月のマイナーチェンジの際にハイブリッドモデルが追加された。

ハイブリッドシステムは上記アクアと同じで、アクアには届かないものの34.4km/L(JC08モード)とたいていの軽自動車を上回る低燃費。ただし、この時はまだ他のヴィッツ同様「トヨタセーフティセンスC」で、サポカー補助金の対象外だ。

昼間の歩行者も検知対象とした「トヨタセーフティセンス」と、誤発進抑制機能の「インテリジェントクリアランスソナー」を標準またはオプション設定したのは2018年5月の一部改良の時。よってサポカー補助金対象車は2018年5月以降のモデルとなる。

整理すると補助金対象は下記のようになる

・i)とii)両方を標準装備
ハイブリッドFセーフティエディションII、ハイブリッドFセーフティエディションIII

・i)を標準装備、ii)をオプション設定
ハイブリッドU、ハイブリッドUスポーティパッケージ、ハイブリッドジュエラ、ハイブリッドFアミー

・i)とii)両方をオプション設定
ハイブリッドF

※すべて福祉車両を除く

ハイブリッドFセーフティエディションIIの新車時の車両本体価格は189万6480円。

原稿執筆時点でハイブリッドFセーフティエディションIIとIIIを検索すると、32台見つかった。うち支払総額150万円以内は20台。i)を標準装備、ii)をオプション設定するモデルを加えると、計30台となる。
 

▼検索条件

トヨタ ヴィッツ(3代目)×ハイブリッド×総額150万円以内×サポカー補助金対象車×全国

ホンダセンシング搭載車なら、4万円キャッシュバック
ホンダ フィット(3代目)

ホンダ フィット▲ホンダセンシングは下記機能の他にも、歩行者が近づきすぎるとステアリングを自動操舵することで避ける機能や、車線をはみ出そうとするとステアリングを戻す機能、先行車の速度に合わせて自動で追従するアダプティブ・クルーズ・コントロール機能などが備わる
ホンダ フィット▲各種情報を表示するハイブリッドモデル専用のメーターが備わる。バッテリーをラゲージ床下に収納するが、ラゲージ容量はガソリン車の363Lに対し、314Lを確保。畳むとフラットになる後席や、後席座面をチップアップできる機能などシートアレンジではガソリン車とほぼ同じだ

3代目ホンダ フィットは2013年9月に登場。デビュー時から1.5L+モーターのハイブリッドモデルをラインナップしていた。

2017年6月のマイナーチェンジでは、先進安全運転支援機能「ホンダセンシング」を用意。同機能は歩行者も検知対象となる衝突被害軽減ブレーキや、誤発進抑制機能を装備している。このホンダセンシング搭載車が、i)とii)両方のサポカー補助金の対象となる。

整理すると下記のようになる

・i)とii)両方を標準装備=ホンダセンシング標準装備
ハイブリッドLホンダセンシング、ハイブリッドSホンダセンシング

・i)とii)両方をオプション設定=ホンダセンシングがオプション
ハイブリッドF

2017年6月のマイナーチェンジではハイブリッドシステムにも手が加えられ、燃費は従来の31.4km/L~33.6km/Lから31.8km/L~37.2km/L(JC08モード)となった。

ハイブリッドLホンダセンシング(2WD)の新車時の車両本体価格は207万9000円。

原稿執筆時点でハイブリッドLホンダセンシングとハイブリッドSホンダセンシングを検索すると、463台見つかった。うち30台近くが支払総額150万円以内で狙える。
 

▼検索条件

ホンダ フィット(3代目)×ハイブリッド×総額150万円以内×サポカー補助金対象車×全国

4万円キャッシュバック対象車が最も多いハイブリッドカー
スズキ イグニス(現行型)

スズキ イグニス▲全長3700mm、全幅1660mmというコンパクトなボディ。アイドリングストップ後のエンジン再始動時にモーターが補助したり、登坂路などでモーターがアシストすることで、燃費を向上させる
スズキ イグニス▲ラゲージ容量は通常で最大258L、後席を倒すと415L。後席シートはラゲージ側からもレバー操作で前後スライドさせることができる

ステレオカメラ方式の「デュアルカメラブレーキサポート」を採用し、2016年1月に登場したスズキ イグニス。

歩行者も検知する衝突被害軽減ブレーキを備えるほか、誤発進抑制機能や車線逸脱警報機能なども備える「セーフティサポート装着車」を用意している。そのため「セーフティサポート装着車」は、i)とii)両方のサポカー補助金対象車となる。

当初はオプションで用意されていたのだが、次第に標準装備する車種が拡大され、現時点ではハイブリッドMGのみがオプション、他は標準装備となった。また、標準装備した特別仕様車もいくつか登場している。

衝突被害軽減ブレーキ機能が備わる車は、必然的にセーフティサポート装着車となるので、カーセンサーで探す際には「もっと詳細な条件を追加する」の中にある「衝突被害軽減ブレーキ」にチェックを入れれば簡単に探すことができる。

全車1.2Lエンジン+モーターのマイルドハイブリッドシステムを搭載。燃費は28.8km/L(2WDのJC08モード)だ。

最低地上高が180mm取られるなど、雪道や荒れた道でも余裕のロードクリアランスが確保されているコンパクトSUVで、4WD車なら、雪道やぬかるみなど滑りやすい路面でスムーズに発進できるようエンジンやブレーキを制御するグリップコントロール機能などを備える。

デビュー時の車両本体価格は138万2400~177万8760円。原稿執筆時点でi)とii)両方を装備する「セーフティサポート装着車」は251台見つかった。うち支払総額150万円以下は約150台となり、4WD車も30台以上見つかる。
 

▼検索条件

スズキ イグニス(現行型)×総額150万円以内×サポカー補助金対象車×全国
文/ぴえいる、写真/トヨタ、ホンダ、スズキ

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。