▲国産車で初めて「自動停止」を含む衝突被害軽減ブレーキ装着車は、アイサイトver.2を搭載したスバル レガシィシリーズ▲国産車で初めて「自動停止」を含む衝突被害軽減ブレーキ装着車は、アイサイトver.2を搭載したスバル レガシィシリーズ

衝突被害軽減ブレーキは2009年から装備されるようになった

今では当たり前のように自動停止を含む衝突被害軽減ブレーキが備わるようになったが、日本で初めて装備した車が登場したのは2009年のこと。

「シティ・セーフティ」を備えたボルボ XC60(旧型)が日本に導入された。

続いて2010年にスバルがレガシィシリーズに「アイサイトver.2」を装備し、ヒットする。

何しろレガシィ購入者の6割近くがアイサイトを選び、そのうちの9割以上が「次もアイサイトにしたい」と答えたほどだ。

こうした市場ニーズを受け、国産他社からも続々と衝突被害軽減ブレーキを用意したモデルが販売されるようになり、今や軽自動車にも装備されるほどになった。

日本に衝突被害軽減ブレーキモデルが登場してから10年以上が経ち、中古車も手頃な価格で狙えるようになってきた。

そこで、今回は今人気のSUVタイプから、自動停止を含む衝突被害軽減ブレーキを備え、かつ支払総額100万円以下から10台以上見つかる国産モデルを紹介しよう。

なお、衝突被害軽減ブレーキ機能は日進月歩の技術であるため、一部改良などで新機能を追加することが多い。それらの差を見極めながら、購入を検討するようにしよう。

もちろん衝突被害軽減ブレーキが備わっているからといって過信は禁物、というのは言うまでもない。常に安全運転を心がけてほしい。

自動停止する衝突被害軽減ブレーキを国産で初めて搭載
スバル レガシィアウトバック(2代目)

スバル レガシィアウトバック▲この世代からアメリカ市場を意識した大柄なボディサイズとなった。その分ラゲージも広く、大型スーツケースを4つ収納できる。最低地上高は200mm。エコからスポーツまで3つの走行モードを選べるSI-DRIVEは標準装備されている
スバル レガシィアウトバック▲ボディサイズ同様、シートも大ぶりになってたっぷりとしている。パーキングブレーキはスイッチ操作による電磁式。リアシートは6:4分割可倒式で、リクライニング機構が備わる

2009年5月にフルモデルチェンジしたレガシィシリーズに、自動停止できるアイサイトver.2が搭載されたのは翌2010年5月。

レガシィB4やツーリングワゴンとともに、アウトバックは国産車として初の自動停止を含む衝突被害軽減ブレーキ搭載車となった。

なお、標準で搭載されているモデルには、グレード名に「アイサイト」が付く。

この時点でアイサイトver.2に含まれる機能は、30km/hを超えての走行中はドライバーに警告するともに自動ブレーキで減速。

さらに、30km/h以下で衝突の危険が高まると、自動ブレーキが作動して障害物との衝突を回避・軽減するというもの。

その他に、前方誤発進抑制機能や先行車発進のお知らせ機能、長距離を走る際に便利な全車速追従機能付きクルーズコントロールなどが備わっている。

また、2012年5月の改良モデルではカメラと解析の精度が高められ、さらに性能が上がっている。

搭載されるエンジンは2.5Lの水平対向4気筒(ノンターボ)と、アウトバックのみに用意された3.6Lの水平対向6気筒で、どちらもレギュラーガソリン仕様だ。

4気筒モデルにはCVTが、6気筒モデルには5ATが組み合わされ、もちろん全車4WDとなる。

アイサイトを搭載した2010年5月の新車時本体価格は、2.5Lターボの4気筒モデルが310万8000円、3.6Lの6気筒モデルが372万7500円。

原稿執筆時点で支払総額100万円以下は約30台あり、安いものは70万円以下から探すことができる。

▼検索条件

スバル レガシィアウトバック(2代目)×衝突被害軽減ブレーキあり×全国

デビュー時はアイサイトver.2、2014年12月にver.3へと進化
スバル インプレッサXV(2代目)

スバル インプレッサXV▲最低地上高は200mmながら全高は1550mm(ルーフレールを装着すると1595mm)に抑えられた。専用のアンダーカバーなどを備える。ハイブリッドモデルはEV走行も可能で、その際は四輪に駆動力を伝える
スバル インプレッサXV▲2014年11月のver.3への進化とともに、乗り心地や静粛性の向上が図られた。また、3つの走行モードを選べるSI-DRIVEもこの時に用意された他、USB電源2ケも装備されている

インプレッサの最低地上高を200mmに高め、悪路走破性を高めたクロスオーバーモデルがインプレッサXVだ。

2012年の2代目デビュー時から、アイサイトver.2を搭載するモデルが用意された。

結果、発売後1ヵ月間の販売内容の内訳は、全体の8割以上を占めるほどアイサイト搭載モデルが人気となった。

アイサイトver.2の内容は上記レガシィアウトバックと同様で、衝突被害軽減ブレーキや前方誤発進抑制機能や先行車発進のお知らせ機能などが備わる。

さらに、2014年12月にver.3と進化。カメラ性能の向上により歩行者や自転車、バイク、白線、先行車のブレーキランプの認識力が高まった。 これにより自動ブレーキの作動域の上限も30km/hから約50km/hへと向上。また車線中央を維持するレーンキープアシスト機能や、後退時誤発進抑制機能、危険回避ステアリングアシスト機能などが備わった。


搭載されるエンジンは2Lの水平対向4気筒。これにCVTが組み合わされもちろん全車4WD。

また、2013年6月には2L水平対向4気筒+モーターのハイブリッドモデルが追加された。こちらは、燃費もそこそこいいが、むしろ加速感を楽しむハイブリッドモデルと言える。

デビュー時のアイサイト搭載車の車両本体確認は246万7500円。

原稿執筆時点で支払総額100万円以下は30台以上あり、80万円以下から見つかり、まれではあるがハイブリッドモデルも選べる。

100万円以下のほとんどがver.2搭載モデルで、ver.3となる2015年式以降は約100万円からとなる。

▼検索条件

スバル インプレッサXV(2代目)×衝突被害軽減ブレーキあり×全国

マツダ初の衝突被害軽減ブレーキ搭載車
マツダ CX-5(初代)

マツダ CX-5▲2015年にアイ・アクティブセンスに進化した際、LEDヘッドランプが全車標準に。また全グレードに用意された「プロアクティブ」と「L パッケージ」は低速走行時はワイドに、高速走行時は範囲を絞って遠方まで自動で配光するアダプティブLEDヘッドライトが標準で備わる
マツダ CX-5▲サイドモニターとバックガイドモニターをルームミラーに表示する機能を全車に標準装備。20Cを除く全車に、バックドアと連動してトノカバーが上がるので、荷物を乗せ降ろししやすいカラクリトノカバーが備わる

2012年2月にデビューしたCX-5は、「魂動」デザインの初採用車であり初めてクリーンディーゼルエンジンを搭載するモデルであるなど、話題の多い車だ。

そうしたトピックスに隠れてしまいそうだが、実はマツダ車として初めて自動停止を含む衝突被害軽減ブレーキ機能「スマート・シティ・ブレーキ・サポート(SCBS)」を搭載したモデルでもある。

デビュー時のSCBSは、約4~30km/hの低速走行中に作動。前方誤発進抑制機能も備わる。

当初はXD Lパッケージに標準装備、XDと20Sにオプション設定されていたが、2013年10月より全車標準装備された。

さらに、2015年1月には先進安全機能が「アイ・アクティブセンス」へと進化。15km/h以上で衝突の危険が高まると自動ブレーキで減速、それでもドライバーが対応しない場合に自動ブレーキによって車を止めるというように、システムの作動範囲が広がった。

その他にも、後退時誤発進抑制や先行車に全車速追従するアダプティブクルーズコントロール(マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール)機能、レーンキープアシスト機能などが用意された。

デビュー時に搭載されたエンジンは2.2Lのディーゼルと2Lのガソリンだったが、2013年には2.5Lガソリンも追加された。いずれも6速ATが組み合わされる。

デビュー時のXD Lパッケージの車両本体価格は2WDが298万円、4WDが319万円。

原稿執筆時点で支払総額100万円以下は50台以上あり、最安値は約80万円だ。「アイ・アクティブセンス」へと進化した2015年式以降のモデルでも、約100万円から探すことができる。

▼検索条件

マツダ CX-5(初代)×衝突被害軽減ブレーキあり×全国
文/ぴえいる、写真/スバル、マツダ

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。