究極の快適性をもつアルファード ロイヤルラウンジ。価格的においしくなってきた旧型は、今が狙い目だ!
2019/10/31
アルファードはもはやファミリーだけの車ではない
トヨタの人気ミニバン、アルファードはもはやファミリーだけが対象のモデルではない。
アルファードの魅力は大勢で乗れる、シートアレンジ次第で荷物をたくさん積めるなどという単純なものではない。
ちょっと乱暴に言えば、ミニバンといえば商用バンの延長線上に作られていたものだが、アルファードは高級ミニバンをうたっており、乗用車のプラットフォームをベースしている。
そこに高出力エンジン、しっかりとした運動性能と快適な乗り心地、豪華な室内空間を兼ね備え、幅広い層に愛用されることになった。
ファミリーはもちろん、公用車としても、会社経営者の送迎車としても人気が高まった。
若干、押しの強いフロントマスクを有しているのは事実だが、それでもひけらかすような成金感がないこともVIPに愛用される理由のひとつかもしれない。
究極の快適空間をもつ「ロイヤルラウンジ」
そして今回紹介するのが、知る人ぞ知る高級モデルの「ロイヤルラウンジ」だ。
端的に言うと、7~8人乗りであるアルファードなのに……わざわざ2列目シートを取り払い、3列目シートを左右独立シートとすることで4人乗りに“ダウンサイズ”したモデル。
ボディをストレッチすることなく、リアシートに座る人にとってはリムジンのような快適空間が広がる。
日本において、ミニバンのVIP仕様がどこで生まれたカスタマイゼーションなのか、定かではない。
しかし、ヨーロッパでは初代メルセデス・ベンツ Vクラスで、この手のカスタマイゼーションが流行り出した。
タイに至っては、ハイエースの内装をリムジンのように仕上げるカスタマイズ文化も存在する。
歴史をさかのぼると1998年、日産の架装メーカー、オーテックがエルグランドに投入した4人乗りVIP仕様「ロイヤルライン」あたりが起源のような気がしなくもない。
いずれにせよ、ミニバンならではの絶対的空間量がこのようなカスタマイズも可能にさせているのは事実だ。
アルファード ロイヤルラウンジはトヨタの架装メーカーである、モデリスタが手がけたもの。
まるで飛行機のファーストクラスに用いられるようなフルリクライニングする本革シートは、オプションでマッサージ機能も追加できた。
当然、電動オットマン付きで、読書灯も完備。
その他、身だしなみが重要なVIPのための後席専用バニティミラー、見る人が見れば違いが分かる専用エンブレム、車内に豪華さを加える専用フロアマット、ジャケットを掛けるためのハンガーフックなどを装備。
さらに、「ロイヤルラウンジLE」を選択すると、前席後ろに冷蔵庫を備えたキャビネットが配される。
インテリアのイルミネーションも、高級モデルらしい演出がなされている。
3.5LモデルのFFと4WD、ハイブリッドモデルにロイヤルラウンジが設定されていた。
高級モデルゆえ流通台数は少ない
新車時価格は最も安いものでも700万円台、オプションや諸費用を入れると1000万円オーバーだった。
そんなロイヤルラウンジだったが、旧型モデルとなって200万円弱から探せるようになっており、最も高いもので約360万円だ。
4人乗れれば十分というファミリーで使うもよし、ちょっと変わった車に乗りたいという人にも意表を突いた選択になると思う。
ただ、原稿執筆時点(2019年10月21日)でのカーセンサーnet掲載台数はガソリンモデルが8台、ハイブリッドモデルが7台と少な目……。
高価ゆえ新車でバンバン売れたモデルではないので、しょうがないかもしれない。
しかし、価格的にも物件の状態的にもおいしい時期といえるので、ちょっとでも気になった方は、中古車物件をチェックしてみてほしい!
▼検索条件
トヨタ アルファード/アルファードハイブリッド(2代目)×ロイヤルラウンジ×全国自動車ライター
古賀貴司(自動車王国)
自動車ニュースサイト「自動車王国」を主宰するも、ほとんど更新せずツイッターにいそしんでいる。大学卒業後、都銀に就職するが、車好きが講じて編集プロダクションへ転職。カーセンサー編集部員として約10年を過ごし、現在はフリーランスのライター/翻訳家として活動している。
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