ホンダ クロスロード ▲最近よく聞くようになった3列シートSUV。新しめのモデルが多く、価格的にもまだまだお高めのものが多いですよね……。そんなときにオススメしたいのが今回紹介するホンダ クロスロードです!

3列シートクロスオーバーSUVの穴!?

一過性のものかと思っていたクロスオーバーSUV人気ですが、いまだに人気が衰えるどころか新型がガンガン登場し、今までSUVとは無縁だった海外の高級車ブランドなどもこのジャンルに参入しています。

確かによく考えてみれば安心感のあるフォルムに加え、目線が高く運転しやすい点や、少々の悪路もものともしない雰囲気など、一度乗ればその乗りやすさに気づき、やみつきになってしまう人も多いでしょう。

そして、最近では3列シートを備えたクロスオーバーSUVも登場しており、ミニバンからの買い替えを考えるファミリー層のユーザーも少なくないといわれています。

しかし、3列シートを備えたクロスオーバーSUVの問題点として、高年式車が中心となるため価格が高くなってしまうことと、3列シートを備えたことでボディサイズが大きくなり、都市部などで使うにはやや取り回しに問題がある点が挙げられます。

そんな諸問題を解決してくれる(かもしれない)車が、2007年にすでに登場していたという事実をご存じでしょうか。

その魅力的な車が、今回紹介する2代目ホンダ クロスロードなのです!

ホンダ クロスロード ▲2007~2010年の3年間にわたって販売された2代目クロスロード。国産SUVでは唯一無二ともいえるスクエアで平たいスタイリングが特徴です

ストリームベースのクロスオーバーSUV
ホンダ クロスロード(2代目)

2007年当時は今ほどクロスオーバーSUVの人気が高くなかったため、登場から3年半ほどで姿を消してしまった同車ですが、今見てみると当時人気が出なかったのが不思議なくらい、魅力が詰まったモデルだったのです。

ちなみに「クロスロード」としては2代目となりますが、初代はなんとランドローバー ディスカバリーのOEMモデル。

RVブーム真っ盛りだった90年代前半にRV車をもたなかったホンダが、当時提携していたローバーグルーブから供給を受けていたモデルでした。

ホンダ クロスロード ▲ちなみにこちらが初代クロスロード。エンブレムこそ違うものの、中身はランドローバー ディスカバリーそのものです


そんな異色の初代が販売終了してから約9年振りに復活した2代目クロスロードは、当時人気車種であったストリーム(2代目)をベースにしたクロスオーバーSUVであり、3列シートを備えた7人乗りモデルとして登場しました。

5ナンバーサイズだったストリームに対し、横幅が1755mmに拡大され3ナンバーサイズになりましたが、その一方で全長は30mmほど短くなっています。

そのためラゲージスペースはややミニマムです。ただし、3列シートSUVを利用するユーザーの声を聞くに、3列目シートはあくまでエマージェンシー用として割り切り、普段はたたんでラゲージスペースにしていることも多いようなので、大きな問題ではないかもしれません。

ホンダ クロスロード ▲ほどよいサイズ感で、取り回し性に優れているパッケージングです
▲応急パンク修理キットを採用しスペアタイヤを廃したことで、コンパクトサイズながら3列目スペースの確保と車両重量の軽減を実現しています ▲応急パンク修理キットを採用しスペアタイヤを廃したことで、コンパクトサイズながら3列目スペースの確保と車両重量の軽減を実現しています
▲3列目をたためば、十分すぎるほどの積載スペースが生まれます ▲3列目をたためば、十分すぎるほどの積載スペースが生まれます


なお、クロスロードはベースとなったストリームと同じく、エンジンラインナップは2Lと1.8Lの2種類で、すべての仕様で5速ATが採用されています。(ちなみにストリームの2L 2WDはCVTを採用)

そのため、よりダイレクトな走行フィールを求めるユーザーにもオススメできるモデルとなっています。

エクステリアに関しては、グレードによってデザインの違いはほとんどありませんが、1.8Lモデルの一部グレードはバンパーの一部やオーバーフェンダー部分が無塗装となっており、SUVらしさを求めるユーザーにはむしろこちらの方がオススメといえるかも……?

排気量の差はありますが、パワーもトルクもそれほど2Lとの差はないので、見た目の好みで選んでしまっても問題なさそうですね。

ただ、前車追従式クルーズコントロールのIHCC(Intelligent Highway Cruise Control)は、2Lの上級グレード(20Xi 4WDに標準装備、18X、20X 4WDにメーカーオプション設定)にしか設定がないため注意が必要です。

ホンダ クロスロード ▲上が塗装されたフェンダーモールで、下は無塗装のものです。SUVらしい力強さを求めるなら、無塗装のものを選んでもよいかもしれませんね
▲一部の上位グレードには、今では当たり前となっている前車追従式クルーズコントロールが付きます ▲一部の上位グレードには、今では当たり前となっている前車追従式クルーズコントロールが付きます

お手頃価格のノーマルか、お得感の高いカスタムカーか

さて、そんなクロスロードの中古車ですが、カーセンサーに掲載されているのは160台ちょっとで(2019年8月2日現在)、1.8Lモデルと2Lモデルが半々といった感じです。

デビューから10年ほどたっていることを考えると、流通台数はやや少なめといえるでしょう。新車当時にはそこまで人気車種ではなかったという点と、販売期間がおよそ3年半と短かったことが影響しているようです。

ただし、平均価格は70万円前後となっており、総額100万円でも十分狙える物件が多いのはうれしいポイントですね。

逆に100万円を超える物件は、カスタマイズが施されたコンプリートカーが多いようです。結構お金をかけてきたであろう個体もチラホラとありそうなので、自分の気に入ったカスタマイズをされている個体であれば、お得感は高そうです。

ノーマル状態に近い個体を狙うか、気に入ったカスタマイズ済みの車両を狙うか……そこは個人の判断に委ねられる部分ですが、時代の流れに乗れていたら爆発的な人気車種になっていてもおかしくなかったモデルのため、どちらも狙い目であることは間違いないでしょう。

事実、ここのところ中古車相場も上がり気味となっているようですので、少しでも気になった方は早めにチェックしてみてくださいね!

文/小鮒康一(フナタン)、写真/ホンダ

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小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。