3代目&4代目ロードスターの中古車がうま味を増してきた! 経年劣化に気をつけたいNC型と、ほとんど心配はいらないND型
2019/07/30
生誕30周年を迎えるロードスターってどんな車?
日本では1989年9月に発売がスタートしたマツダ ロードスター。今年の9月で丸30周年を迎える世界中のユーザーから愛される日本を代表する名車のひとつです。
今年はメモリアルイヤーということもあり、多くのメディアで取り上げられ、イベントも盛んに開催されていることから「ロードスター欲しいな……」と思っている人も多いのではないでしょうか。
前回お届けした初代、2代目ロードスターに続いて、今回は3代目と現行モデルとなる4代目について、引き続きマツダディーラー系中古車販売店の方にお話をお伺いしてきました!
どの世代のロードスターに乗っても、マツダが標榜する人馬一体の走り味は不変ではありますが、やはりルックスや性能など微妙に違いがあるもの。前回の記事と併せて、自分にとってのベストなロードスター選びのお手伝いができれば幸いです。
ボディは大きくなっても人馬一体は健在
NC型(2005年8月~2015年4月生産)
2005年に登場した3代目ロードスター(NC型)は、当時マツダがフォードの傘下にいたこともあり、フォードの意向が強く反映されたモデルでした。
そのためプラットフォームにも制約があり、当時先んじてデビューしていたRX-8のものがベースとなっています。
搭載されるエンジンもロードスター史上最大排気量(当時)となる2Lエンジンとなり、ボディも3ナンバーサイズとなったことで、当時は大きく重くなってしまったと嘆く声も聞かれました。
しかし、車両重量の増加率でいえば初代→2代目へのモデルチェンジ時のときと大差なく、エンジン単体の重量でいえばむしろ軽くなっているのです。
また、2006年8月には電動ハードトップ仕様の「RHT」が追加されたのも3代目のトピックです。
開発段階から設定することを考慮していたというだけあって、オープン時はルーフ部分がすべて格納され、トランクスペースは一切犠牲にならないスグレモノ。まさに全天候型ロードスターと言えるでしょう。
「走る歓び」を最新の技術で具現化した
ND型(2015年5月~生産中)
そして、現行型モデルとなる4代目ロードスター(ND型)は2015年にデビュー。
ライトウェイトスポーツカーという原点回帰を狙ったモデルで、エンジンは歴代最小の1.5Lを採用し、全長も歴代で一番コンパクトな3915mm。また車両重量も最軽量モデルでは1トンを切るということでも話題を集めました。
2016年11月にはリトラクタブルハードトップモデルの「RF」を追加。エンジンは2Lとし、ライトウェイトスポーツというよりもラグジュアリーなキャラクターのモデルとなっています。
2018年6月の一部改良ではロードスター、ロードスターRFともにエンジンにも改良が入り、特にRFの2Lエンジンは最高出力が+26ps (+19kW)の184ps(135kW)となるなど、大きく動力性能の向上が図られています。
今の3代目、4代目ロードスターの相場はどんな感じ?
まだまだ新しいイメージのある3代目ロードスターですが、2005年デビューということで初期型はすでに13年超の増税対象車。
初代と2代目の価格が上昇中ということもあり、ロードスター全体の安い順でチェックするとチラホラ3代目が登場するようになってきました。
とはいえ2015年まで製造されてきたモデルなので、平均価格は100万円前後となり、ボリュームゾーンは100万~140万円といったところ。タマ数は300台弱ほどが流通しており、ソフトトップとRHTの割合は半々となっています。
中には10万kmオーバーの個体も存在しますが、趣味性の強い車ということもあるのか、平均走行距離は6万km台前半と意外と少なめ。セカンドカー的な使われ方をしてきたものを狙いたいところです。
◆NC型ロードスターの直近3ヵ月の平均価格と流通台数、平均走行距離の推移
一方の4代目は現行モデルということもあり、平均価格は215万円前後とまだまだ高め。ただし、初めての車検を迎える物件もあるため、魅力的な個体が見つかることもあります。
RFは新車価格が高いこともあり、平均は270万円となっています。
走行距離もソフトトップモデルでも平均1.6万km、RFに至っては平均5000kmとなっており、新車を検討しているユーザーも一度中古車をチェックしてみるのも悪くないかもしれません。
タマ数はソフトトップモデルが150台ほど、RFは80台ちょっとと選び放題とまではいきませんが、現行モデルということもあり、今後増えていくことが想像できます。
◆ND型ロードスターの直近3ヵ月の平均価格と流通台数、平均走行距離の推移
現状の実車のコンデションや選ぶポイントは?
今回も前回に引き続き、中古の歴代ロードスターを多く扱うディーラー系販売店の「マツダアンフィニ横浜西 三ツ沢店」にお邪魔し、間所弘規さんにお話をお伺いしました。
取材協力
マツダアンフィニ横浜西 三ツ沢店 間所弘規さん
「マツダアンフィニ横浜西 三ツ沢店」
マツダ自慢・スポーツタイプカー、ロードスターを豊富に取り揃えた、マツダ正規ディーラーです。カスタマイズも承ります!
住所:神奈川県横浜市西区宮ケ谷59-1
電話:045-322-1190
NC型ロードスターのポイントはオイル管理と消耗部品
間所さんによると、3代目モデルはエンジンがそれまでのタイミングベルト式からタイミングチェーン式になったことで維持がしやすくなった一方、オイル管理が重要になったとのこと。
趣味性の強い車だけにメンテナンスにも気を使っていたユーザーが多いと思われますが、メンテナンスノートで把握できるとベストです。
機関は基本的に丈夫ですが、スタビリンクのゴムブッシュが切れている個体が多いようです。
今回の販売店のように、納車前にキッチリ交換してくれるところもありますが、別の店舗で購入する場合は納車整備時に対応してくれるか確認しておきたいですね。
ソフトトップに関しては経年劣化でほつれや破れが発生するのは同様ですが、表皮が変色してしまう個体があるそう。機能的には問題ありませんが、交換するしか対処方法がないので気になる方は要チェックです。
一方、新たに追加されたRHTは複雑な機構を採用しているだけにトラブルが心配になる部分ですが、過去に販売した個体でRHTのトラブルはほとんどないそうで、安心して購入できると言えるでしょう。
ちなみにソフトトップとRHTで迷う人はあまりおらず、どちらかの指名買いがほとんどで、RHTを選ぶ人にはAT車も人気になっているそうですよ。
年式が新しい分ほとんど心配はいらないND型
4代目モデルは現行型ということもあり、ディーラー系中古車店の店頭に並んでいるものは展示車や試乗車上がりの個体がほとんど。そのため、程度のバラつきはないと言っていいでしょう。
また、他の販売店に並ぶものも、大きく改造されていたり修復歴があるもの以外は、年式も新しいため目立ったトラブルも今のところはなさそうです。
しいてあげるなら、マツダコネクトナビの不良やセンサー系のトラブルが希に発生しているとのこと。
4代目も初期型ではメーカー保証が切れてしまっている年式となりますが、別途中古車保証を付けることができる場合もあるので、安心感が高いと言えます。もちろん、購入前に問題ないかのチェックも忘れずに!
ということで、2回に分けてお送りしてきた歴代ロードスターの中古車事情。
どの世代のロードスターを購入しても乗って楽しい車であることは間違いありませんが、より自分に合った世代のロードスターを見つけてくださいね。
自動車ライター
小鮒康一(フナタン)
スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。
▼検索条件
マツダ ロードスター(3代目・NC)×全国▼検索条件
マツダ ロードスター(4代目・ND)&マツダ ロードスターRF(初代・)×全国この記事で紹介している物件
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