旧型の4代目『BMW 5シリーズ ツーリング』は今や総額100万円台で買えるんです!【高そうに見えて意外と安い?】
カテゴリー: 特選車
タグ: BMW / 5シリーズツーリング / 高そうに見えて意外と安い? / 伊達軍曹
2019/02/26
この車の「現行型」と「旧型」は見分けがつきにくい?
過日。筆者はとある雑誌の特集企画撮影のため、とある中古車販売店からBMW 5シリーズ ツーリングをお借りし、撮影現場までの国道をユルユルと走らせていた。
その光景を、うわさ好きな古い知人というか、率直に言ってしまえば「根も葉もないうわさを言いふらすのが三度の飯より好きなクズ野郎」であるQ君に見られてしまった。
そして案の定Q君はその後、わたしとの共通の知人に対してあることないこと言いふらしていた。
「伊達の野郎、普段は『自分、カネないんですよ。とほほ』とか言ってるくせに、実は内緒でビーエムのワゴンを買ってるんだよね」
「さすがに1等7億円ではないようだけど、年末ジャンボ宝くじ、当たったらしいよ。聞いた話では2等1000万円だとか」
……ふざけたやつだと思う。そして二重の意味でQ君は間違っている。
ひとつは、そもそもその5シリーズ ツーリングは筆者の私物ではなく、単なる借り物であるということ。早とちりにも程がある。
そしてもうひとつ。仮にそれが借り物でなく筆者の私物だったとしても、Q君の「宝くじがどうのこうの」という推測(というかデマ)は完全に間違っているからだ。
その日、筆者が撮影のため借り出したのは現行の5代目モデルではなく、旧型の4代目だった。
※5シリーズ自体は7代目(2017年~)だが、ツーリングとしては誕生から5世代目(2017年~)となる
そして4代目の5シリーズ ツーリングの中古車は今や、宝くじなんぞに当たらずともフツーに買える相場なのである。
具体的には、筆者がお借りした個体は「総額160万円」との値札が付いていた。意外と安いのである。
……だが、はた迷惑な勘違いをしたQ君の気持ちもわからないではない。
なぜならば、まだまだお高い現行の5代目5シリーズ ツーリングと、意外とお安い旧型の4代目5シリーズ ツーリングのビジュアルおよび雰囲気は、まあまあ似てるといえば似ているからである。
ならば本当にコレを買って「小金持ちのふり」でもしてみるか?
そういう意味で、「災い転じて福となす」ではないが、これをきっかけに4代目のBMW 5シリーズ ツーリングを本当に買ってしまうのも悪くないのかもしれない。
なぜならば、そうすれば最小限の予算で最大限の効果を得ることができるから、つまり「なんだかちょっと金持ちっぽい自分」を演出できるからだ。
であるならば、わたくしはどんな5シリーズ ツーリングを買うべきなのだろうか?
ひとり、長考に入った。
まずは「4代目のBMW 5シリーズ ツーリングとはどんな車だったか?」ということを、あらためて思い出してみよう。
同車が日本に上陸したのは2010年9月のこと。そこから2017年5月まで販売され、同年6月に現行型の5代目へとフルモデルチェンジされた。
グレードは2.5L直6エンジンの「523iツーリング」から4.4L V8ツインターボの「550iツーリング」、あるいは2L直4ディーゼルターボの「523d」など様々。
だが、比較的手頃な予算で狙える中古車は「523i」である場合がほとんど。それに加えて、よりパワフルな「528i」やディーゼルターボの「523d」が少数見つかる程度である。
ただし523iと528iは、比較的早い時期にエンジン内容の変更を受けている。
最初期は、
●523i=2.5L直6自然吸気(最高出力204ps)
●528i=3L直6自然吸気(最高出力258p)
だったのだが、2011年10月以降は、
●523i=2L直4ターボ(最高出力184p)
●528i=2L直4ターボ(最高出力245ps)
という、いわゆるダウンサイジングターボに変更されたのだ。
そして2013年9月には内外装デザインが小変更され、歩行者検知機能付き「衝突回避・被害軽減ブレーキ」が標準装備になるなど、安全装備もいくばくか強化された。
以上が、かなりざっとではあるが、4代目5シリーズ ツーリングという車のあらましである。
狙い目は総額100万円台後半か200万円ちょいの523i
それらの中から今選ぶとすれば、個人的な正解は「総額100万円台か、せいぜい総額200万円ちょいぐらいで買える個体」である。そうなると自動的に、グレードは523iまたは528i、あるいは523dに絞られる。
もちろん、例えば400万円も出せば16年式528i Mスポーツなどの「性能もビジュアルもバリバリな1台」を買うことはできる。
だが約400万円もの大金を投じるのであれば、わざわざ旧型の中古車を買うのではなく「それを元手に現行型の新車あるいは超高年式中古車を買う」方が、幸福度は高くなるように思えてならない。
そういった意味でこの場合は「お手頃予算で買えるモノ」にあえて絞るのが、おそらくは正解となるのだ。
2019年2月半ば現在、おおむね上記の総額で探せる4代目5シリーズ ツーリングは全国で76台。そのうち56台が523iで、14台が528i、6台が523dという内訳になっている。
528iと523dは(この条件では)流通量が少ないのが難点だが、どちらもパワフル&トルクフルで、装備も充実したいい車である。
もしもコンディション良好な個体と出合うことができたなら、四の五の言わずに買ってしまえばいいだろう。ただし前述のとおり数が少ないため、そういった個体と簡単に出合えるかどうかは未知数だが。
となると、手堅いのは「最も流通量が多い523iをいろいろ見比べ、その中からコンディションの良い1台を探す」という手法になるだろう。
その際に問題となるのは「初期の2.5L直6自然吸気にするか、それとも2011年10月以降の2Lダウンサイジングターボにするべきか」という点だ。
なかなか難しい問題である。6気筒ならではのフィーリングは捨てがたいが、とはいえ「中古車はなるべく新しいモノの方がいい」という意味で、2011年10月以降の直4 2Lターボを選ぶべきとの見方もできる。燃費も2Lターボの方が明らかに良好であるわけだし。
まぁこのあたりは「決め打ち」をするのではなく、「個体ごとのコンディションを見極めてケース・バイ・ケースの判断をする」というのが正解であるはずだ。
新車の場合はカタログスペックでグレード選択を考えるのが基本だが、中古車の場合は、特に今回のような「お安い輸入中古車」の場合は、カタログスペックうんぬんよりも「状態優先」で物事を考えた方がうまくいくことが多い。
それゆえ、今回の長考の結果は以下のとおりとなった。
「これから4代目5シリーズ ツーリングを買うのであれば、予算は総額100万円台か、せいぜい200万円ちょいぐらいまで。グレードは523iが有力だが、その中でも2.5L自然吸気にするか2Lターボにするかは、コンディション次第で柔軟に考えるべし」
……以上の結論を出し、個人的には大いに満足した筆者だった。
だがどうやらまた例のQ君に、ひとりでブツブツ言っている姿を見られたっぽい。またまた根も葉もないことを言いふらされそうで軽く憂鬱なのだが、まぁ気にしないことにして、5シリーズ ツーリングの検索および現車チェックに精を出したいと思う。
▼検索条件
BMW 5シリーズ ツーリング(4代目)×総額230万円以下×修復歴なし×全国この記事で紹介している物件
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