【高そうに見えて意外と安い?】プジョー RCZの色気と希少性も今や総額170万円から!
2019/02/15
ちょっとセクシーでちょっとレアなクーペが好きなZ君の本音
「クーペというジャンルの車に必要な要素は、程よい色気と程よい希少性であると我輩は思う! キミもそうは思わんかね!?」
過日、Z君という知人と居酒屋にて一献傾けていると、Z君がわたしに議論というか車談義をふっかけてきた。
物事というのは常にケース・バイ・ケースなので一概にそうとも言えないと思うのだが、まぁZ君が言っているクーペ論が決定的に間違っているとも思わない。
そういった意味で、わたしは「そうだな」と答えた。
「当たり前だバカヤロー! ナメんなヴォケ! ……まぁわかればよろしい!」
などとわめきながらわたしをにらみつけ、ぐへへへへと笑い、そして泣き始めた。
いったいどうしたのだ? と尋ねるに、Z君の答えはおおむね以下のとおりだった。
キミも知ってのとおり、自分はこんなクーペ論をぶっておきながら、実は中古の国産ミニバンに乗っている。
なぜならば、自分が理想とする「ちょっと色気があって、ちょっと希少な美しいクーペ(例えばイタリアのマセラティとか)」は高額であり、手が出せないからだ。
今宵はそんな自分のフラストレーションを、酔った勢いでキミにぶつけてしまった。本当に申し訳ないと思っている。
わたしは「謝ることはない。気にするな」と彼に言い、そしてどさくさに紛れて「ところでもしも今、車を買い替えるとしたら予算はいくらぐらい出せるんだい?」と、やや突っ込んだことを聞いた。
すると彼は「総額で100万円台とか、だいたいそんなモンだ」と言う。
わたしはテーブル越しに彼の肩に手を置き、そしてささやいた。
「ならば何の心配も憂いもない。黙ってプジョー RCZの中古車をカーセンサーnetで探しなさい」
以下はこのあと、わたしがZ君に行った説明のダイジェスト版である。
いわばアウディ TTクーペのフランス版?
まずはプジョー RCZという車について。
RCZは、2010年に日本へ上陸したフランス・プジョー社のスポーツクーペ。そのベースは同時期のプジョー 308というハッチバックである。
初期モデルのパワートレインは2種類で、ひとつは最高出力156psの1.6L直噴ターボエンジンに6速ATを組み合わせた右ハンドル仕様。
そしてもうひとつが同じく1.6L直噴ターボながら最高出力200psまでチューンされた、6MTの左ハンドル仕様だった。
プジョー RCZは、立ち位置的には「アウディ TTクーペのフランス版」と考えていい。
いわゆる2+2の4人乗りクーペで、なかなかスポーティな車ではあるのだが、決して「リアルスポーツ」というわけではない。
内外装にわたるかなり流麗なデザインと、まずまずスポーティな走りをじっくり楽しむのが似合う1台である。
走りの感触もドイツのアウディ TTクーペに似ているが、お国柄の違いだろうか、「剛のTT対して柔のRCZ」という感はある。
好みにもよるが、ゴリゴリの硬派よりも「ソフトな感触」を大事にしたいタイプの車好きには、おそらくRCZも好ましく思えるだろう。
そして、これまた人それぞれの嗜好による話だが、外観デザインも、プジョー RCZの方が肉感的で好ましいように筆者には思える。
特にルーフとリアウインドウに2つの膨らみをもつ「ダブルバブルルーフ」と、丸く大きく張り出した前後フェンダーの造形は肉感的で、Z君のクーペ論が言うところの「程よい色気」を生み出している部分だ。
2013年6月にはフェイスリフト(小変更)が行われ、外観を微妙に改良すると同時に、インテリアも少々改良。
そして、それまでは左ハンドル車のみに用意されていた「サウンドシステム」(エンジンの快音を車内に響かせるエレキな装置)が、右ハンドル車にも装備された。
だがRCZは結果としてさほどのヒット作にはならず、2015年には生産終了となった。
しかしこのあたりもZ君が言う「程よい希少性」につながる部分ではあるので、ある種の車好きにとっては決して悪い話ではない。
想定プライスは総額170万円前後から
以上のざっとした説明を聞いたZ君が口を開いた。
「なるほど。で、それはナンボで買えるねん?」
なぜかいんちき関西弁になっているのが気に障ったが、わたしは以下のように答えた。
ズバリ、総額120万円ぐらいからである。
ただし、そのぐらいの価格だと過走行気味の個体も多いため、それこそ「程よい走行距離=4万~6万kmぐらい」の個体を探すのであれば、支払総額は「170万円ぐらいから」といったイメージだろうか。
そのぐらいのプライスゾーンで狙えるのはフェイスリフト前の前期型が中心で、なおかつ最高出力156psの右ハンAT仕様がメインとなる。
本当は200psの左ハン6MT仕様が前期RCZのイチオシなのだが、156psの右ハンATも決して悪くはない。
そう言うと、Z君は
「なるほど。自分はさほど飛ばすタイプではないので156ps仕様で十分かもしれぬ。とはいえ故障は気になる。ガイシャは壊れやすいとも聞くが、前期型プジョー RCZの中古車はぶっちゃけどうなのだ?」
と尋ねてきた。
「おおむね問題ない」と、わたしは答えた。
もちろん機械モノゆえ、特に中古のフランスモノゆえ、「絶対に大丈夫!」などとは口が裂けても言えない。
そして燃料ポンプやウオーターポンプ、イグニッションコイルなどは、ぶっちゃけ例えばトヨタ車のそれと比べれば脆弱だったりもする。
また単純に、各部の部品代も国産車と比べるなら割高である。
だがエンジン本体やトランスミッション、あるいはエアコンなどの「壊れるとシャレにならないほどカネがかかる部分」については、さほど弱いわけではないのが『プジョー RCZ』という車だ。
それゆえ、中古のラテン車にありがちな「基本大丈夫なんだけど、まぁたまにちょっとしたところが壊れたりもします」というパターンに耐えられる精神をもってさえいれば、さほど大騒ぎするほどのことはないと予想される。
……というようなことを、わたしは包み隠さずZ君に伝えた。
完全に酔いがさめたZ君は「わかった、検討してみる。今日はありがとう」と言い、2人分の伝票をつかんでスタスタとレジ方向へ歩いて行った。
おごってもらってしまったことはさておき、Z君が「本当に好きなタイプの車」に買い替える日がくるのが楽しみでならない、ある夜の不肖筆者であった。
▼検索条件
プジョー RCZ(初代)×6万㎞台まで×支払総額あり×全国この記事で紹介している物件
あわせて読みたい
- 植田圭輔さんが、真っ赤なポルシェで緑の中を駆け抜ける!
- 9年連続エンジン・オブ・ザ・イヤー2.0~2.5L部門賞を受賞した「2.5L直列5気筒TFSIエンジン」搭載の狙い目モデル3選
- 手にするものはすべてがアート。自然を愛するアーティストは世界で1台だけのメルセデス・ベンツ Gクラスに乗る
- アルピナ B8 4.6リムジン。それはある意味「永遠の命」をもつ希少名車だった。【NEXT EDGE CAR】
- おでかけは、あえて2台で。家族のようなランドローバー ディフェンダー90とルノー カングー
- 「燃費」から「愛着」へ。エコ視点で選んだのは、中古のボルボ XC60だった
- 閑静な住宅街に潜む、跳ね馬と闘牛がいるガレージ【EDGE HOUSE】
- 【名車への道】’14 BMW i8
- アルピナマジック!~大人の車好きがたどり着く、ひとつの極致~【カーセンサーEDGE7月号】
- 4年連続エンジン・オブ・ザ・イヤー 1.0~1.4L部門受賞の「ピュアテックターボエンジン」を搭載した、狙い目モデル6選