みんながイイっていうから出したのに……。 絶滅危惧車のX-90からは、スズキの潔さが伝わってくる
2018/12/08
ライトウェイトな都会派クロスオーバーSUV
1993年、東京モーターショーで初披露された後、海外のモーターショーでも人気を博した参考出品車がスズキ X-90だった。
X-90は初代エスクードのラダーフレームに、丸みを帯びたフォルムの2ドアボディを架装。
ワンタッチで取り外し可能なグラスルーフをもつTバールーフ構造で、2ドア・2シーターのクロスオーバーSUVとしてかなりユニークな存在だった。
同時期のカプチーノ同様、着脱可能なルーフは専用ケースに収納し、トランクに格納できるようになっていた。
漫画から飛び出してきたかのような、未来感漂うX-90の発売を望む声が多く、1995年にほぼ参考出品車のまま市販化された。
ボディサイズは全長3710mm×全幅1695mm×全高1550mmで、ベースになったエスクード3ドアモデルからちょっとだけ大きくなっているが、全高は立体駐車場に入るように抑えられていた。
また、クロカンとしての性能よりも街中での使い勝手を重視したからか、最低地上高は160mmとSUVとしては低めだった。
搭載していたエンジンは最高出力100psの1.6L 直4ガソリンエンジンのみで、5速MTと4速ATが組み合せられていた。
駆動方式はパートタイム4WDのみで、副変速機が用意されていた。
なお、海外仕様にはFRも設定されていたそうだ。
サスペンションもエスクード譲りで、フロントにマクファーソン・ストラット式、リアにトレーリングリンク式を採用していた。
ただ、クロカン全盛期に「ライトウェイトな都会派クロスオーバーSUVの提案」という意味では、時代を先取りしすぎたのかもしれない。
日本においては2シーターであったことがネックだったのか、3年間で約1400台しか売れなかった。
裏を返せば、残存している車は希少価値があるとも言える。
エスクードをベースにどこまで遊べるのか試してみたら、思いのほか周囲からの反応が良かったので市販化するも……売れないと気づくや否やパッと販売を中止。スズキのビジネスにおける身動きの軽さをも象徴する車だった。
個人的には、アルミホイールの設定はされることなく、鉄チンホイールのみという潔さに心が引かれる。
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