▲アウトドアを始めて盛り上がってる家族のファミリーカーには、この車しかない! ▲アウトドアを始めて盛り上がってる家族のファミリーカーには、この車しかない!

合理性も雰囲気も、ともに重視したい

今までどっちかっていうとインドア派だったのに、急にアウトドアに目覚めるパパさんママさんが急増中! 私のまわりでも確実に増えてます。

子供と一緒にキャンプしてみたら思いのほか楽しかったとか、理由はなんでもいいんです! 年齢、性別など問わずに、誰がいつから始めてもそれなりの楽しみ方があるのが、アウトドアの良いところです。

▲キャンプって楽しいけど、荷物がすごい多いんだよなー▲キャンプって楽しいけど、荷物がすごい多いんだよなー

でも、「家族でキャンプ」って車の使い方からしたら意外に特殊用途かも。

キャンプ道具はかさばる物が多く、4人、5人乗って道具積んで……となるとキャパシティが必要だし、河原とかキャンプサイトに入っていくのには、ある程度のロードクリアランス&走破性も欲しいものです。

ついでにロングドライブも楽だったら……となると、軽トールワゴンだと力不足に感じてくるのです。

そんなファミリーにぴったりの車といえば「エクストレイル」。It's Tough Gear! “タフギア”じゃなくて“トゥフギオ”って外人ぽく言ってみましょう。

実は私自身も2台エクストレイルに乗り継いできました。そんなエクストレイル好きの私が今選ぶ、ベストバイ・モデルとは?

目的によっては現行型より2代目がベストマッチ

さて、ここで改めて本稿のターゲット像を確認すると……

・家族構成は夫婦2人+子供1人or2人(子供3人以上のご家庭はミニバンいっちゃってくださいっ)
・アウトドア始めました!(キャンプの達人じゃないです)
・まあまあ距離乗るよー(年5,000~10,000kmくらい)
・パパだけじゃなくてママも時々乗るしー
・あんまりビュンビュンは飛ばさないよ!(速く走りたい人はフォレスターのターボを!)


まぁ、郊外にお住まいのファミリーって感じでございます。それでは、いきなり結論から言っちゃいます。こんなご家庭にオススメのタイプは……『2代目エクストレイル、ディーゼルの「20GT」、AT、できればハイパールーフレールつき』です!!

以下、長々とこのモデルを選んだ理由を解説しちゃいます。長文読むのメンドくせーなーという方は、もうこのページから一目散に立ち去って、検索を始めるがヨロシ。

エクストレイルといえば、2000年の鮮烈なデビューからはや18年。初代(2000年~2007年)、2代目(2007年~2015年)、3代目(2013年~)とあるわけですが、2代目を選んだ理由は「最もエクストレイルらしい」から(メーカーの皆さま、現行型ファンの皆さまスミマセン)。

ステータスとか愛玩を目的とせず、「SUVなんて、アウトドアを楽しむための単なる道具じゃん!」と割り切ったのが初代エクストレイルのインパクトでした。

初代はThe Originとして、もちろん優れていたのですが、2代目では劇的にオンロード性能や使い勝手が向上しました。

ボクシーなスタイリングやポップアップステアリング、ハイパールーフレールなどのアイコンをうまく継承しつつ、正常進化させたモデルと言えます。

▲初代エクストレイルのコンセプトを継承したボクシーなスタイルが2代目の特徴▲初代エクストレイルのコンセプトを継承したボクシーなスタイルが2代目の特徴

一方で3代目の現行型では、ボディサイズを拡張。オンロードでの安定性を大幅に高めつつ、後席のレッグスペースも確保して格段に快適になりました。

ただ、ボクシーなスタイルから生まれる“真四角な荷室”が使いやすかったのも事実。荷室高は従来型の方がずっと高く、床面もフラット(後席がダブルフォールディングだったので)、かさばるアウトドアの荷物を積むには、むしろ2代目の方が優れていた……と思う。容量だけの問題じゃないんですよね。

中古車としての買いやすさも考慮すると、エクストレイル買うならもはや2代目一択でしょう。

▲荷室床は“ダブルラゲッジ”という二重床になっていて、アンダートレイを装備。トレイを外して床面を下げることもできます▲荷室床は“ダブルラゲッジ”という二重床になっていて、アンダートレイを装備。トレイを外して床面を下げることもできます

ディーゼル嫌い派にこそ乗ってほしい

2代目エクストレイルのクリーンディーゼルが大好きですっ。なぜならパワーもトルクも、さらには燃費もガソリン(2L&2.5L)より優れているんだもの。

かつて四駆に搭載されていたディーゼルといえば、経済性や悪路走破時あるいは積載時の大トルクが評価されて主流になっていましたが、このM9Rエンジンは性格が全く違います。まるで大排気量ガソリンエンジンのようなスムーズさとパワフルさ。

だからこそ2代目エクストレイルの中でもホットモデルとしての位置付けで、グレード名に「GT」の称号が与えられたんですね。

燃費についても13.8km/L(JC08モード)と優秀。さらに軽油そのものの安さもあります。

▲2L M9R型ディーゼルターボエンジン。DPFのクリーンナップは手動操作で行う▲2L M9R型ディーゼルターボエンジン。DPFのクリーンナップは手動操作で行う

新車当時の価格はかなり強気の設定でガソリン車の最上級グレードより50万円ほど高く(エコカー減税がありました)、シリーズ中唯一300万円を超えるモデル(2013年に追加された、廉価装備仕様の20GT Sを除く)でした。

現在の中古車市場ではガソリン車とそこまで価格の開きはない様子。走行距離多めの人なら、たとえ経済性を理由に選んでも損はしないでしょう。トルクが大きいからロングドライブも楽チン!

ちなみに20GT、初期のモデルは6速MT仕様のみ(!)。だから中古車市場にも意外なほどマニュアルが多いんですけど、ここは2010年以降に登場したマニュアルモード付き6速ATでOK。

というのも、このM9Rエンジン、ガソリンライクな性格はいいんですけど、ディーゼルとしては低速トルクがちょっと細め(あくまでディーゼルとしては)で、マニュアルだと回転数を引っ張りながら乗る感じになっちゃう。トルク増幅作用があるATなら低速時のトルク不足をカバーできるというわけ。

▲ディーゼルにはガソリン車と同じCVTではなく、マニュアルモード付き6速ATが用意された▲ディーゼルにはガソリン車と同じCVTではなく、マニュアルモード付き6速ATが用意された

装備面での違いは、防水加工フロア&天井が20GTには付かないことです。

防水シートも2012年からの装備で、それ以前はクロス地でした。またポップアップステアリングが付かないかわりにチルト&テレスコピック機構を搭載(ガソリン車も2009年以降、同様の仕様に)。

エクストレイルの中ではちょっと独特な装備内容なんですけど、正直、実用には全く問題ありません。むしろラグジュアリー感はこっちの方が上! ステアリングのテレスコ機構は、体格の異なるご夫婦が乗る場合に便利です。

さらにディーゼルならではの特長として、現行型登場後も2015年まで継続販売していたことが挙げられます。つまり、中古車市場には年式が新しく、走行距離が格段に少ないモデルが存在するってこと! 程度極上の2代目エクストレイルが欲しいなら、ディーゼル一択なのです。

ユニークな装備品で気分もアガるっ!

いよいよ佳境ですよ。当時高価なメーカーオプションだった“ハイパールーフレール”付き車を選ぶべき理由です。

エクストレイルには防水加工フロアやポップアップステアリングをはじめとする特徴的な装備が数多くあり、面白いなとは思っていたんですけど、ぶっちゃけ実際の場面で恩恵を感じたことはあんまりありませんでした。そんな中でハイパールーフレールは別。

ドライビングランプ(ハイビーム時のみ点灯可)を内蔵しているからキャンプ場までのルートが街灯なしの真っ暗でも安心ですし(ただし、対面からはすげーまぶしいから、対向車が来たらすぐにロービームにしてネ)、暗くなってからのテント張りとかでも作業灯として活躍してくれるのです。昔、四駆でルーフキャリアに補助灯を付けるのが流行りましたけど、まさにあのノリ!

▲通常のハイビームよりも遠方を照らすドライビングランプを内蔵したハイパールーフレール。これがめっちゃ明るい!▲通常のハイビームよりも遠方を照らすドライビングランプを内蔵したハイパールーフレール。これがめっちゃ明るい!

ただ、オプション価格が高かったせいで中古車での装着率は約1割程度とかなり少ないのです。マスト装備にしちゃうと無理あるので、気に入った個体に付いていたらラッキー、くらいの感覚で考えておきましょう。

ということで、以上が「アウトドア始めましたファミリー」に「2代目エクストレイル、20GT(ディーゼル)、AT、ハイパールーフ付き」をオススメする理由でした。家族でのキャンプシーンを快適に、楽しく演出してくれるツールになってくれることウケアイなのですっ!

text/田端邦彦
photo/尾形和美、日産自動車

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日産 エクストレイル(2代目)×20GT(ディーゼル)×AT