▲何かあってからでは遅いのです……▲何かあってからでは遅いのです……

高齢の両親には安全装備付きの車を買ってもらいたいけれど……

最近のニュースでよく耳にするのが、高齢者の運転ミスによる悲惨な事故の話。もちろん高齢者に限ったことではありませんが、万が一事故が起こってしまったときは、被害者側は当然ながら加害者側もつらい思いをしてしまいます。

筆者はアラフォーなのですが、我々世代の親はおそらく60代、70代あたりと、判断力や反射神経も低下し始める年齢であり、いつ事故が起こるとも言えません。

最近では「免許の自主返納」という選択肢もありますが、地方に住んでいれば車は必需品ですし、都市部に住んでいても車の便利さは捨てがたいもの。

そうなってくると、親世代に乗ってもらいたいのが「自動ブレーキ」や「誤発進抑制機能」などの先進安全装備を装備したモデルです。

しかし、買い替えの話題を出すときに「もう年で運転が危なっかしいから……」なんて言ってしまうのは愚の骨頂。両親にだってプライドがありますから、意固地になってしまう恐れがあります。

そこでオススメしたいのが、以下の方法です。

両親を説得する! 3つの作戦

①「子供(孫)も乗るから安全装備付きの車がいいな~」作戦

親世代が一番弱いのが「孫」でしょう。そんな目に入れても痛くないほどの孫が乗るのであれば、安全な車を用意しないわけにはいきません。“安全な車なら子供を安心して乗せられるし、実家にもなるべく頻繁に帰るようにするよ”的なことを匂わせれば、効き目は抜群です!

……ただし、この技は孫がいないと成立しないため、(筆者を含む)独り身には使えないというのが最大の欠点です。

②「父さん母さんのことが心配なんだよ」作戦

両親の運転ミスの可能性でなく、他のドライバーのミスに巻き込まれないように、と話の筋を持っていきましょう。両親が運転ミスをするかも……という話をすると「まだ年なんか取ってない!」と反発されるかもしれません。「急に飛び出してくるような車がいても安心だよ!」というように、万が一両親の身に何かあったら大変なので、という方向に話を進めて情に訴えかけましょう。

③「どうせだから最新装備の車買おう」からの「手頃な価格で狙えるんだよ!」作戦

こちらは先進安全装備のことには特に触れず、「どうせ買うんだったら最新のものにしようよ」と、所有欲をくすぐる作戦です。さらに、そこで「でも最新のものは高いんでしょ?」と言われたらしめたものです! 先進安全装備付きの車両は高いと思われがちですが、実は意外と手ごろな価格で購入できるものもあるんです。 「どうせ高いんでしょ」という両親の心理を逆手に取り、「いやいや、手ごろな価格で手に入るものもあるんだよ」と提案しましょう。

自動ブレーキ付きで総額100万円以内で狙える車たち

というわけで、ここからは手頃な価格で狙える先進安全装備付きの中古車をご紹介。中古車の購入総額の60代の平均は99.7万円(リクルート自動車総研調べ)なので、100万円以下で狙えるモデルをピックアップしています!

▲シンプルながら先進安全装備には抜かりのないダイハツ ミライース▲シンプルながら先進安全装備には抜かりのないダイハツ ミライース

現行のダイハツ ミライース(2017~)は、ダイハツの先進安全装備である「スマートアシスト3」を全グレードで装備。スマートアシスト3になってからはステレオカメラタイプに進化し、歩行者も検知するのがポイントです。

元々手ごろな価格の同車ですが、100万円の予算があれば、装備充実のXにナビがついて1万km以下の車両が選び放題です。ベーシックなLであれば総額80万円台前半からと、かなり買い得感が強いモデルです。

▲ドイツ車らしい走りも魅力的なフォルクスワーゲン up!▲ドイツ車らしい走りも魅力的なフォルクスワーゲン up!

ドイツの雄、フォルクスワーゲンのコンパクトカー「up!」(2012~)も100万円で狙える先進安全装備付きの現行車のひとつです。同車に装備される「シティエマージェンシーブレーキ」は、あくまで低速域の対車両への衝突被害を回避、軽減するものですが、しっかりした作りに定評のあるドイツ車との組み合わせで安心感があります。

価格は安いものでは総額50万円台から狙えるのも魅力的。やや癖のあるクラッチレスマニュアルのミッションは好き嫌いが出るので試乗はマストです。

▲自動ブレーキといえばアイサイトと言えるほど浸透している▲自動ブレーキといえばアイサイトと言えるほど浸透している
 

「ぶつからないクルマ?」というキャッチコピーで、自動ブレーキという存在を多く一般に知らしめたスバルの「アイサイト」。それを装着したスバル レガシィB4/レガシィツーリングワゴン(2009~2014)も100万円の予算で狙える車種となってきました。レガシィに装着されるアイサイトはVer.2ですが(執筆時点では最新型がVer.3)実力は充分使用に耐えうるもの。さらに全車4WDという点も安心感に繋がるポイントです。

さすがに100万以内となるとやや走行距離のかさんだ車両が中心となりますが、スバルのフラッグシップ車だけにまだまだ現役です。

このように、100万円の予算でも軽自動車から輸入車、フラッグシップ車まで様々な先進安全装備を備えた車両を狙うことができるのです。

とはいえ、先進安全装備がカバーできる部分には限界がありますので、くれぐれもそれだけに頼った運転はしないようにお伝えください!

▼検索条件

ダイハツ ミライース(2017~)×衝突被害軽減ブレーキ

▼検索条件

フォルクスワーゲン up!(2012~)×衝突被害軽減ブレーキ

▼検索条件

スバル レガシィB4・レガシィツーリングワゴン(2009~2014)×衝突被害軽減ブレーキ

text/小鮒康一
photo/スバル、フォルクスワーゲン、ダイハツ工業