第82回:販売店の敷地内で他人のペットをケガさせてしまったら!?
カテゴリー: 駐車場のトラブル
タグ:
2008/11/25
Q.駐車場で他人のペットにケガをさせてしまった!
販売店の駐車場で、他の客のペットを轢いてしまいました。幸い軽いケガだけで済んだのですが、精神的苦痛の慰謝料を求められています。払う必要はあるのでしょうか? また、販売店の駐車場内の出来事なので、販売店の責任を問うことはできるでしょうか?
しかし、最近ではペットは飼い主にとってかけがえのない存在という考え方が広まってきており、死亡や重大な障害が残った場合などは、財産的損害の賠償以外にも精神的苦痛に対する賠償を認める判決も出てきています。さいわい今回のケースは軽いケガということだったので、実際にかかった治療費程度の賠償額で済むでしょう。
相談内容だけでは詳しいことはわかりませんが、ペットの交通事故は飼い主に全く責任がないとは言えません。ペットを放していたなど管理下に置いておかなかったとしたら飼い主にも過失はあるでしょう。このケースでは過失相殺を主張できることを覚えておいてください。
また、販売店の責任ですが、無料の駐車場の場合は中古車販売店の敷地内に善意で止めさせてもらっているわけですから、基本的には駐車場の管理者に損害賠償の請求などはできないと思われます。さらに長時間ペットが歩き回っているのに放置しておいたなど、特別の場合以外は、法的責任を追及するのも難しいと考えられます。
A.最近では精神的苦痛の慰謝料を認めた判決例も出ています
法律上、ペットは物として扱われるので事故で誤って死なせた場合は「物損」になります。「物損事故」扱いということです。原則として「器物破損」の損害賠償は財産的損害の賠償で時価相当額を上限として算定されます。ここでは精神的苦痛による慰謝料は考慮されません。しかし、最近ではペットは飼い主にとってかけがえのない存在という考え方が広まってきており、死亡や重大な障害が残った場合などは、財産的損害の賠償以外にも精神的苦痛に対する賠償を認める判決も出てきています。さいわい今回のケースは軽いケガということだったので、実際にかかった治療費程度の賠償額で済むでしょう。
相談内容だけでは詳しいことはわかりませんが、ペットの交通事故は飼い主に全く責任がないとは言えません。ペットを放していたなど管理下に置いておかなかったとしたら飼い主にも過失はあるでしょう。このケースでは過失相殺を主張できることを覚えておいてください。
また、販売店の責任ですが、無料の駐車場の場合は中古車販売店の敷地内に善意で止めさせてもらっているわけですから、基本的には駐車場の管理者に損害賠償の請求などはできないと思われます。さらに長時間ペットが歩き回っているのに放置しておいたなど、特別の場合以外は、法的責任を追及するのも難しいと考えられます。
■ワンポイント法律用語■
器物破損罪(きぶつはそんざい)
故意に他人の物を壊したり動物を傷つけたときに適用される罪状(本件のように過失による場合は適用されない)。刑法261条で定められている損害賠償(そんがいばいしょう)
損害賠償には 1.契約違反に基づく損害賠償と 2.不法行為に基づく損害賠償の2種類がある。損害賠償の範囲は、原則として通常生ずべき損害であるが、特別の損害であっても当事者が予見できる場合は対象になる。また、財産的損害のほか、精神的な損害(慰謝料)も賠償の対象となる日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
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