Q.100万円で掲載されていた物件
でも実車には200万円の表示が…


 カーセンサーnetで見つけた中古車。条件も申し分ないし、金額も総支払額100万円と予算内。購入を念頭に販売店に行きました。

 しかし、実車を見てみると200万円のプレートが…。なんでも人気俳優がドラマで乗っていて、急に人気がでて品不足なのだとか。でも、広告には100万円と掲載されていたわけだし、納得がいきません。こんなこと許されるのですか?

A.最新の広告を確認してから
実車を見に行くのが良いでしょう


 まず確認しておきたいのは、カーセンサーnetで確認した中古車の価格が最新の情報であったかどうかです。価格を確認してから、しばらくたって実車を見に行った場合、それまでにカーセンサーnetでの価格情報が更新されていた可能性もあります。その場合には、古い価格は無効で、最新の価格が基準になります。ですので、実車を見に行く前に、最新の価格を確認するのが良いでしょう。

 もしも、カーセンサーnetでの最新の情報として、100万円で広告が掲載されていた場合は、販売店は掲載した価格で販売しなくてはなりません。この行為は、自動車公正競争規約の「車購入の際に必要な価格や品質等の適正な情報を提供する」「新聞、チラシ、インターネット等の広告に販売価格を表示する場合は、店頭展示車と同様の事項を表示すること」で規定されており、これが守られない場合は、不当表示が考えられます。

 また、広告とプライスボードで異なる金額が表示されている場合は、自店旧価格や通常価格などの比較対照価格を併記する二重価格の疑いも拭えません。これは景品表示法によって禁じられています。ただし、一般的に二重価格は、中古車の価格と新車時の価格を並列して表記したり、相場を表示したりした上で、「相場より大幅お買い得」といった表現をとった場合などで使われるもので、今回は値上げのケースなので一概に決めつけることはできません

 もしも販売店が、「実は100万円の整備費がかかって200万円になる」といった話をしても、その理屈は通りません。中古車の表示価格は、整備済みの場合は整備費用を含んだ価格を表示。納車時に整備をする場合で、整備費用が価格に含まれている場合は「価格に整備費用が含まれている旨」を表示。含まない場合には「含まれていない旨」と「必要な整備費用の額」を表示することになっているので、憶えておいてください。

 中古車は一物一価、程度や相場などが反映されて価格が変動することは珍しくありません。お目当ての車がある場合には、必ず最新の広告で確認することを忘れずに。


illustration/もりいくすお


■ワンポイント法律用語■

自動車公正競争規約(じどうしゃこうせいきょうそうきやく)
自動車業界が自主的に設定した表示と景品提供に関するルール。不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)第10条に基づき公正取引委員会から認定を受けた社会的に認められたルール。自動車以外にも不動産、銀行、旅行、家電製品、タイヤ等の業界においても商品特性や取引実態に即した「公正競争規約」がある

不当表示(ふとうひょうじ)
一般消費者に誤認されることによって不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示のこと。実在の商品より取引条件や性能などが優れているかのように表示し、一般消費者に誤った商品選択をさせることを禁じている