Q. 販売店の敷地内で当て逃げされたら修理費用は誰が払うのでしょう？

販売店の駐車場に車を止めていたら当て逃げで傷をつけられました。販売店に修理代の請求はできる？

A. 販売店は車を止める場所を貸しただけ。管理責任を追及するのは難しいでしょう。

高級ホテルのように、車のキーを預かり、移動させて保管するような駐車場で傷をつけられた場合は、商法でいう「寄託」が成立して、責任を追及できる可能性が高いですが、管理者もおらず、自分で車を止めるような駐車場は「寄託」というよりは、止める場所を提供しただけの｢使用賃貸借」（無償で駐車スペースを貸したこと）にあたる可能性が高いでしょう。

いわば、賃貸マンションで泥棒に入られても、マンション管理者の責任を問えないのと同じです。本件の場合は、傷をつけた相手から弁償をしてもらうしかないのですが、必ずしも加害者が見つかるとは限りません。駐車場に止めるときは、隣が空いている場所を選ぶなどの自衛も必要でしょう。

ここがポイント！

一般的な駐車場内で起きた事故や盗難、当て逃げなどは、基本的には当事者同士で解決。駐車場管理者に責任は問えない。

■使える法律用語■

寄託（きたく）
当事者の一方が相手方のためにある物を保管することを約束し、その物を受け取ることによって効力を生じる契約のこと。お金を払う、払わないに関わらず成立する。本文中の賃貸借は、賃料を支払ってものを借りる契約になる。