【福祉車両ガイド】スズキ スペーシア/マツダ フレアワゴン 車いす仕様車
カテゴリー: 福祉車両 ニューモデルガイド
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2013/12/19
軽自動車の枠一杯に広がる室内空間が人気のハイトワゴン。その広々とした空間は福祉車両にもピッタリです。今回ご紹介するのは、スズキ スペーシア/マツダ フレアワゴンの車いす仕様車。できるだけ介助しやすくする工夫がなされています。
ベースのスペーシア/フレアワゴン(2013年3月~)は、低燃費エンジンに副変速機構付きのCVTが組み合わされています。また、アイドリングストップや車の減速を使って発電するエネチャージといった技術も搭載され、29.0km/Lという低燃費を実現しているのも魅力です。室内長2215mmという広々した空間と、左右スライドドアという使い勝手の良さも人気の一因です。ちなみに2013~2014年度の日本カー・オブ・ザ・イヤーで「スモールモビリティ部門賞」にも選ばれています。
車いす仕様車は、後席を畳むと車椅子のまま乗り降りすることができます。乗り降りの際はスロープと電動ウインチを使いますが、介助の負担を軽減するためにスロープを短くする工夫がされていて、そのぶん乗降時間が少なくて済みます。また、この車の電動ウインチは、手動でベルトを引き出せるフリーモードに切り替えることができます。乗り込む準備が素早くできるのも介助者にはうれしい機能です。
後席の折り畳みはワンアクションで行えるほか、折り畳んだ後席の下に空間を作り、車椅子の人の足元を広くする工夫がなされています。車椅子を乗せない場合は大人4人が座れ、買い物や子供の送り迎えなど、普段使いもできる兼用車になっています。介助がメインになる方にはリアシートのないものも用意されています。
いくら電動ウインチがあってもスロープを車から降ろして、ウインチをゆっくり引き出して引っかけ、後ろから車椅子を押す…というのはなかなか大変な作業。そういった負担が軽減される車ですので、乗り降りに苦労されている方は検討してみてはいかがでしょう。もちろん、介助兼用車として広々とした室内空間や両側スライドドアなどの使い勝手を求める人にもオススメです。
乗車定員/4名
スロープ角度/12度
スロープの車外飛び出し長/880m
スロープ幅/680m
開口部高/1420mm
Text/籠島康弘