▲車いすの乗員が3点シートベルトを使えるようにするため、シートベルト位置なども工夫されている。車いすを乗せた際の乗車定員は3名+車いす ▲車いすの乗員が3点シートベルトを使えるようにするため、シートベルト位置なども工夫されている。車いすを乗せた際の乗車定員は3名+車いす

車高降下機能により、車いすに座ったままで乗り降りも可能

車いすに乗る家族の通院用にも、普段のマイカーにも使える介助兼用車がほしい。できれば取り回しやすいサイズがいいけれど、軽自動車は高速道路での合流などで少し不安……。そんな方にオススメしたい車の中から、今回はトヨタ シエンタの車いす仕様車をご紹介します。

ベースとなる現行シエンタ(2015年7月~)はコンパクトなボディながら3列シートを備えた人気のミニバン。この3列目シートを取り外し、車いすを乗せられるようにしたのが車いす仕様車です。

3列目シートがないため、乗車定員は最大5名。その分、ラゲージが広々としているだけでなく、使いやすいのが他の車いす仕様車との大きな違いです。

通常の車いす仕様車はバックドアと平行、つまり垂直にスロープをしまいます。これだとバックドアを開けて荷物をラゲージに積もうとするとスロープが邪魔になるのですが、この車はバックドアを開けてもスロープが床に収納されているので、簡単に荷物を積むことができます。

車いすを乗せる際は、後席の2/3を折り畳みます。このため後席に1人座って介助できるほか、普通の車いすより大きなリクライニング機構付きの車いすも乗せることができます(乗車可能な車いすのサイズはHP等でご確認ください)。

また、車いすを乗せるときに車体後部の車高が下がり、スロープ角度が9.5度となだらかになるため、介助しやすくなっています。

その他、後席の2/3が最初から無いタイプや、助手席を前倒しすることでストレッチャーも乗せられるタイプもあります。

同車のコンパクトカー、オーリスよりも全長が短いシエンタ。3列目がないため大人数での移動は無理ですが、その分大きなラゲージが備わります。取り回しやすいファミリーカーで車いすの家族の通院にも使える車を探している方は、一度検討してみてはいかがでしょうか。

【DATA】
乗車定員/5名
スロープ角度/9.5度
スロープ長/1295mm
スロープ幅/640mm
室内高/1290mm

▲車いすは後席の3分の2を畳んだ部分まで入り込んで固定する。折り畳んだ状態の後席は車いすの乗員の足がぶつかりにくいよう工夫されている ▲車いすは後席の3分の2を畳んだ部分まで入り込んで固定する。折り畳んだ状態の後席は車いすの乗員の足がぶつかりにくいよう工夫されている
text/籠島康弘 photo/トヨタ