レクサス LM ▲まだ外観デザインは判明していないがフロントノーズだけでなく、外板パネルの大半が専用設計されるとの情報もある次期レクサス LM。シャシーには、ミニバン専用の新しいプラットフォームが用いられる

アルファードの快進撃を見つめるトヨタ

くつろげる贅沢な空間が支持されて、アルファードがショーファードリブンの新たな選択肢として頭角を現している。ならば! と、次にトヨタが検討し始めたのがレクサスミニバンの本格展開だ。単なるアルファードの顔違いとは異なる、次期LMの真相に迫る。

アルファードの快走は止まらず、2021年に入ってからの2ヵ月間の販売台数は、前年比94%増の2万118台をマークしている。

しかも、街中では高価なハイブリッド仕様を見かけることが多い。最上級モデルの税込み価格は、750万円を超える輸入セダンに匹敵する値付けが行われているというのに。

そんな、アルファードでも飽き足りないユーザーが存在しているようだ。彼らの間でひそかに注目されているモデルが、レクサス LMになる。

レクサス LMとはアルファードをベースに開発された中国専売車だが、国内でもアルファードのフロントノーズをLMにモディファイした「なんちゃってLM」が流通。つまり、少なからず需要があるということだ。

中国専売車、世界に飛躍

そんな、おいしい状況をトヨタがみすみす放置するはずもない。そこで、同社は次期LMを中国のみならず国内、さらに欧州でも売り出せないか模索しリサーチを行った。

結果は、「これはイケそうだ」との結論に達した模様。LMの室内には豪華な電動キャプテンシートが採用されることは想像に難くない。ヒーターとムレを防ぐベンチレーションに加え、マッサージ機能も織り込まれるだろう。

また、VIP送迎用に特化した3列目シートのない4人乗りが設定される可能性もある。ちなみに、中国で販売されている現行LMには4人乗り仕様も用意されている。

フロントシート背後には、大型ディスプレイ内蔵のパーテーションとキャビネットが装備されており、これはヴェルファイア/アルファードのロイヤルラウンジに準じた内容だ。

メルセデス・ベンツ Vクラスを意識

次期LMのコンポーネントには、TNGA世代の新しいミニバン専用プラットフォームが用いられる。これは、薄く整形された燃料タンクが床下に置かれて低くフラットなフロアを形成するというもの。

組み合わされるパワートレインも興味深い。トヨタは、3.5L V6に代わるエンジンとして2.4L直4ターボを開発しており、2021年秋までにデビューする次期レクサス NXで初起用の予定だ。

このエンジンは次期アルファードにも搭載されるが、LMは差別化を図るためにハイブリッド化が施される。

ただ、アウトバーンに代表される高速域では既存の2モーター式ハイブリッドのメリットは十分に発揮されず、メルセデス・ベンツ Vクラスに見劣りしてしまう。

そこで、1モーター式のハイブリッド機構が2.4Lターボに組み合わされる模様だ。ヨーロッパ車に負けない安定した走りが実現できるよう足回りも作り込まれるだろう。

次期LMは、2022年に予定されているアルファードのモデルチェンジの後に登場しそうだ。早ければ同じ22年に、遅くても2023年には姿を現すだろう。

※2021年4月16日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【諸元・スペック】
■予想発表時期:2022年以降
■全長×全幅×全高:5050×1865×1950(mm)
■搭載エンジン:2.4L 直4+ターボ+モーター

text&photo/マガジンX編集部