電動化に向けて各社が新プラットフォームを準備中
2021/01/30
100年に一度の大変革期
世界の自動車業界で100年に一度の大変革期を迎えつつある。
アメリカ、カリフォルニア州を発端としておきたZEV(ゼロエミッションビークル)規制。同様に中国でも、NEV(ニューエネルギービークル)法を立ち上げている。
日本にとって痛いのは、ハイブリッド車もこれら規制には該当しないという点。
各社の新たなる100年へ向けての取り組みをご紹介したい。
トヨタ&スバル
Cセグメント以上のモデル用
トヨタがスバルと手を組んで開発している「e-TNGA」は、Cセグメント以上のピュアEVに用いられるプラットフォームだ。
シャシーに対する前席乗員の位置、ノーズ内のレイアウト、バッテリーの幅は固定されるものの前後オーバーハングや、ホイールベース、ボディの幅を変えられるよう設計が進められている。
モーターの搭載位置は前輪のみ。後輪のみ前後に変更可能なため、駆動方式を作り分けることも可能だ。
トヨタは、2025年頃にはエンジン車のみの車をゼロにして、全車に何らかの電動系モデルを設定する方針。この期間に「e-TNGA」採用車も投入されるだろう。
ホンダ
北米向けEVにはGMのプラットフォームを起用
ホンダは、新たなEVアーキテクチャーの開発に着手していることを2019年に明らかにした。
これはクラリティPHEVや、Honda eとは異なる次世代のコンポーネントでバッテリーの横幅と後輪モーターを固定。
逆に、ホイールベースを伸ばしてバッテリー搭載量を変えたり、前輪にもモーターを設けて4WD化するなど車のキャラクターに合わせてアレンジできる多様性が確保される。
なお、ホンダはGMとのアライアンスで各種コンポーネントの共同開発と共有を進めていく方針で、北米向けEVにはGMのプラットフォームを起用して生産も委託する計画だ。
メルセデス・ベンツ より効率的な開発と生産が行えるEV専用プラットフォーム
メルセデス・ベンツ初のピュアEVであるEQCには、エンジン車のFRプラットフォームが使われている。これは、開発時にはまだEVの販売台数が未知数で混在生産ができる柔軟性をもたせるためだった。
しかし、その後電動化の波が来ることを確信したダイムラーは、より効率的な開発と生産が行えるようEV専用プラットフォームの開発に着手。
その採用車の第1弾にあたるEQSは、2021年上半期にデビューする予定。このシャシーはフレキシブルに多用できる構造でワンクラス下のEQE、北米産SUVも開発プランに含まれている。
これらとは別に、上の画像にあるEQAとEQBも2021年の市場導入を目指して準備中だ。中国、北京での生産が立ち上がった。ダイムラーは2030年までに販売台数の半数をピュアEVと、プラグインハイブリッドに切り替える。
ボルボ
ピュアEVに対応する「SPA2」
ボルボは、電動車のモーター開発を加速する狙いでスウェーデンに加えて中国、上海にもモーターの開発拠点を開設した。
開発されるモーターは、「SPA2」と呼ばれる次世代プラットフォームに用いられる予定だ。SPA1は2015年にデビューしたXC90から実用化されており、プラグインハイブリッド化も実現済みだ。
しかし、SPA1はピュアEVには対応していないためSPA2への一新は避けて通れない。同社は2025年にグローバル販売台数の半分をピュアEV、残りをハイブリッドで占める計画を掲げている。
※2021年1月29日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません
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