NV100クリッパーリオ チェアキャブ▲身体に不自由を感じられている方やご高齢の方などが使いやすいよう、いろいろな工夫が施されている福祉車両。この記事では、日産 NV100 クリッパーリオをベースにした福祉車両について詳しく解説する

日産 NV100 クリッパーリオ チェアキャブ

福祉施設で働く女性に人気なのが、運転しやすいサイズで、狭い道でも送迎に行きやすい軽自動車ベースの車いす仕様車だ。

日産では、スズキ エブリイワゴン車いす仕様車のOEM供給車であるNV100クリッパー リオ チェアキャブを用意している。

スズキ エブリイワゴン車いす仕様車▲こちらがスズキ エブリイワゴン車いす仕様車

車内の広さと多彩なシートアレンジが特徴的

その特徴はクラストップレベルの室内高1410mmなど、広々とした室内空間だろう。

車いすの乗車スペースの奥行きもやはりクラストップレベルの1510mm。スロープ幅も705mmと軽自動車としては広い。

これならリクライニング機能のある大型の車いすなど、さまざまな車いすを乗せることができる。

NV100クリッパーリオ チェアキャブ
NV100クリッパーリオ チェアキャブ

車いすの方が乗車しない時は、他の軽自動車同様にリアシートが使える。リアシートは左右分割の折りたたみ式で、別々に前方向へ折り畳める。

車いすの方が乗車する場合でも、運転席後ろ側の一人分だけシートを畳めば、残りのシートに介助者が車いすの人に寄り添って乗車できる。

NV100クリッパーリオ チェアキャブ

また、車いすの乗車スペースには左右のつかみやすい位置に手すりが備わる。握る部分は可動式になっていて、車いすが乗降する際に介助者の動作の邪魔にならないよう、また、リアシート使用時にその妨げにならないよう、格納することができる。

スロープはバックドアを開けると目の前に垂直に立っているので、固定ロックを外してからスロープのハンドルを握って引き出す。

バックドアから荷物を入れる際にスロープが邪魔になるが、腰をかがめずにスロープを出し入れできる利点がある。

車いすの方が乗る際は電動ウインチを利用する。フックをかけてリモコンのボタンを押せば、車いすの人が怖がらない程度の速度でスロープを上っていける。

リモコンのスイッチを押している間は電動ウインチが作動し続けるが、もしも昇降を止めたくなったら、スイッチから手を離すだけで作動が止まる。その際自動でロックがかかるので車いすがずり落ちるということがない。

また、スロープの表面には滑り止めのためにザラザラとした加工が施されている。このため雨の日など車いすが滑りやすい時も安心して乗降することができる。

NV100クリッパーリオ チェアキャブ

さらに、NV100クリッパー リオ チェアキャブは、エマージェンシーブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)や踏み間違い衝突防止アシストが標準装備となる。

空間が広いのでさまざまなタイプの車いすが乗車することができ、車いすの方が乗車しない時は4人まで乗車可能。軽自動車ゆえ運転もしやすい福祉車両だ。

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文/ぴえいる、写真/篠原晃一、スズキ

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はルノーのアヴァンタイムと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。