▲希望的観測も含めて、次期ランクルの姿を予想してみた。社内で提示されたデザイン案は、マイナーチェンジに見えてしまうくらい、現行モデルに似ているとのことなので、これくらいの代わり映え感は追求してほしい ▲希望的観測も含めて、次期ランクルの姿を予想してみた。社内で提示されたデザイン案は、マイナーチェンジに見えてしまうくらい、現行モデルに似ているとのことなので、これくらいの代わり映え感は追求してほしい

代わり映え感が足りず、デザイン案を差し戻し

2007年から販売されている現行200系ランドクルーザーは、先代の9年より長いライフモデルを誇り、13年に至ることが判明した。

つまり次期ランクルは、2020年に登場する予定で開発が始められている。

デザインの開発も進んでいるが、思わぬ壁にぶつかっているという。

内情に詳しい関係者によると、デザイン部から提示された案が、役員会の審査で「要再考」との結論に至り、差し戻されたようだ。

その理由は、あまりにも現行モデルに似ていて、代わり映えがしなかったからだ。

「マイナーチェンジ版かと思った」との声も上がったそうだ。

とはいえ、ランクルは世界中で支持されている車だけに、奇をてらって目先の変化を追い求めるのが難しいキャラクターでもある。

一歩間違えれば、ユーザーからそっぽを向かれて総スカンを食らうリスクもあり、デザイン部にとっては非常に難しい案件に違いない。

上に掲載した予想イラストは、スクープ班が希望的観測も込めて作成したものだが、適度な高級感と押し出しの強さをもたせることで、新鮮味が演出できるのではないかと考えた。

▲2007年にデビューした現行モデル。シャシーの刷新など快適性が高められた。エンジンとブレーキが制御されて、オフロードを低速で走破できる、クロールコントロールが世界で初採用された▲2007年にデビューした現行モデル。シャシーの刷新など快適性が高められた。エンジンとブレーキが制御されて、オフロードを低速で走破できる、クロールコントロールが世界で初採用された

パワートレインを刷新、TNGA技術も採用

現行のランクルは、国内では高級車のひとつに捉えられていて泥汚れとは無縁なイメージだが、海外では本来のハードな使い方にさらされているケースが多い。

そのため、トヨタとしては、高い信頼性を維持するために、モデルチェンジ後もフレーム構造を踏襲する腹づもりのようだ。

ただし、開発手法には、TNGAが起用されてスリム化が図られる模様。

ここで開発された技術やユニットは、同類のSUVに幅広く横展開されていく。

すなわち、ランクルのモデルチェンジ後、プラドや海外専売車、セコイアなどが、立て続けに生まれ変わる公算が大きい。

パワープラントに目を向けると、前時代的なV8エンジンに代わって、TNGA世代のV6ユニットの搭載が決まっている。

排気量は3.5Lと現行モデルの4.6Lに比べて小さくなるが、電気モーターが併設されて、パワーが補われる。つまり、ハイブリッド化が図られるというわけだ。

ハイブリッド機構の起用と並んで注目を集めそうなポイントが、国内向けへのディーゼル再設定だ。

プラドには、直4ディーゼルが用意されているものの、国内向け200系にディーゼルが設定されたことはない。

フォルクスワーゲンによる不正問題の後、国内外でディーゼル車に対するイメージが悪化したこともあり、モデルチェンジ後も国内向けランクルにディーゼルエンジンが載る計画はなかった。

だが、三菱 パジェロでディーゼル車が地味ながらも根強く支持されていることも影響していか、最近になってV6ディーゼルのラインナップが決まったようだ。

こちらは10速ATが組み合わされる。

次期ランクルは、トヨタSUVの顔として次の10年を担う使命にある。

他モデル以上に失敗が許されない車だけに、時代の流れと需要を読み違えないように、慎重に開発を進めてほしい。

※2018年11月23日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【SPECIFICATIONS】
■予想発表時期:2020年
■全長×全幅×全高:4950×1985×1870(mm)
■搭載エンジン:3.5L V6+モーター 他

text/マガジンX編集部
photo/マガジンX編集部、トヨタ