▲大幅整形されたスパーダをベースに、リニューアルされるモデューロX。開口部が大きく見える専用フロントバンパーや、一新されるアルミホイール、ハイブリッド仕様の追加など、見逃せないポイントは多い ▲大幅整形されたスパーダをベースに、リニューアルされるモデューロX。開口部が大きく見える専用フロントバンパーや、一新されるアルミホイール、ハイブリッド仕様の追加など、見逃せないポイントは多い

人気のモデューロXをリニューアル

1990年代にFF方式の背高ミニバン市場を切り開いたホンダ ステップワゴンが、岐路に立たされている。「シェア争いで勝てず、しかもターゲット層が減少に向かっているなら、もう不要では?」との耳を疑ってしまうような声がホンダ社内で出始めているという。

2017年のマイナーチェンジで、スパーダのフロントノーズが一新され、併せて待望のハイブリッド仕様も加わったステップワゴン。同車には、サスペンションやフロントバンパーが、専用品に差し替えられた、スポーツ色の強いグレード、「モデューロX」も用意されている。

こちらは、ベース車がマイナーチェンジされた後も引き続き販売されているが、追随してリニューアルされることがわかった。上記の予想CGのようにヘッドランプには、現行スパーダと同じ四角いタイプが採用され精悍さが増す。

一部では、リアまわりの左右非対称デザインを敬遠する声もあるため、それをトーンダウンさせる狙いで、左側クオーターウインドウ下のガーニッシュと、わくわくゲートのハンドルがブラックから、ボディ同色に変更されるとの情報もある。

モデューロXのリニューアル版は、2019年1月の東京オートサロン開催に合わせて発表。同会場で初公開される可能性が高い。その後も現行ステップワゴンの販売は継続され、2020年頃に再びマイナーチェンジを実施する計画が持ち上がっている。

2015年のデビューから数えると、5年が経過するタイミングなので「そろそろ世代交代では?」と期待してしまうが、ホンダ社内では延命によって時間を稼ぎ、その間に存続を検討する模様だ。

▲専用サスペンションやエアロバンパー、床下カバーなどが生産ラインで組み付けられたコンプリートカーとなる、現行モデューロX。2016年10月にリリースされた▲専用サスペンションやエアロバンパー、床下カバーなどが生産ラインで組み付けられたコンプリートカーとなる、現行モデューロX。2016年10月にリリースされた

右肩上がりが期待できない国内に、専売車は不要か

「存続」の2文字にイヤな予感を感じる。トヨタ ノア3兄弟と、日産 セレナがシェア争いを展開している2L級ミニバン市場で、ステップワゴンが上位に割って入れずに苦戦していることは、自販連のデータからも明白だ。

参考までに、2018年1月から7月の累計販売台数は、ノア/ヴォクシーが9万285台、セレナが6万5022台、ステップワゴンが3万5817台となる。

しかも、このジャンルの背高ミニバンは、一部アジア地域で販売されているものの、基本的に国内専売車と言っても過言ではない。今後、国内の需要が大きく増えることはなく、少子化が進むに連れて、ターゲットとなるファミリー層が減っていくことは想像に難くない。

そんな市場に向けて、莫大な開発費を投入して、次期モデルを用意する必要があるのか。ホンダ社内では、こんな論調が持ち上がっている。
「フリードである程度の需要に応えられるのではないか?」

もちろん、国内営業に関連する部署はラインナップ縮小を避けるために、ステップワゴン存続を熱望するはずだが、お財布を管理している部署や、会社全体のビジネスを俯瞰する経営陣が状況に応じて「切り捨てる」判断を迫られているのは、当然のこと。

96年に初代がデビューしてから20年以上が経ち、国内での累計販売台数が150万台を突破した、ステップワゴンの行く末や、いかに。

※2018年9月16日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【SPECIFICATIONS】
■予想発表時期:2019年1月
■全長×全幅×全高:4760×1695×1825(mm)
■搭載エンジン:2L直4+モーター

text/マガジンX編集部
photo/マガジンX編集部、ホンダ